第588回 女子中の入試問題 文章題 1
「第588回 女子中の入試問題 文章題 1」
今回からは、2022年度に実施された女子中の入試問題より「文章題」を見ていきます。
はじめは「特殊算」と呼ばれる問題です。
【問題】ある学校には2台の自動販売機があります。1台は1本100円のジュースを、もう1台は1本110円のジュースを売っています。Aさんはクラス会のため、この2台の自販機で合わせて40本のジュースを買ったところ、代金が4230円でした。このとき、Aさんは100円のジュースを( ① )本、110円のジュースを( ② )本買いました。
(立教女学院中学校 2022年 問題1-(5))
【考え方】
1問目はつるかめ算です。
つるかめ算の条件は表や面積図に整理することができます。
本問は面積図を利用してみます。
面積図は凹みのある複合図形と見ることができますので、2つに分けたりつけたしたりして解くことができます。
ここでは「つけたし」で解いていきます。
110円×40本=4400円 … 長方形(大)の面積
4400円-4230円=170円 … 長方形(斜線部分)の面積
170円÷(110円-100円)=17本 … 100円のジュースの本数
40本-17本=23本 … 110円のジュースの本数
答え ① 17(本) ② 23(本)
本問は特殊算の中でもよく出てくるつるかめ算の基本問題です。
面積図などの整理をせずに解いても構いませんし、「3種のつるかめ算」の練習として条件整理の方法を確認してもよいと思います。
2問目は、その「3種のつるかめ算」です。
【問題】30円のお菓子と50円のお菓子と100円のお菓子を、合わせて43個買いました。30円のお菓子と50円のお菓子は同じ個数だけ買い、代金は2380円でした。100円のお菓子は何個買いましたか。
(吉祥女子中学校 2022年 問題1-(4))
【考え方】
3種のつるかめ算も条件を表や面積図に整理することができます。
本問は表を利用してみます。
上の表から、30円のお菓子と50円のお菓子を1個増やすごとに、代金が120円減ることがわかります。
4300円-2380円=1920円 … 代金の差
1920円÷120円=16 … 表の間の数
0個+16個=16個 … 30円のお菓子(50円のお菓子)の個数
43個-16個×2=11(個) … 100円のお菓子の個数
答え 11個
本問はつるかめ算の中ではやや難しい3種のつるかめ算です。
上記のように表を利用して、あるいは面積図を利用して解けるかを確認しましょう。
では、もう1問見ていきます。
【問題】1個180円のかきをいくつかと1個130円のりんごをいくつか買うと代金の合計は2590円になりました。りんごはかきを買った個数の2倍より3個多く買いました。買ったりんごの個数は( )個です。
(横浜共立学園中学校 2022年 問題1-(3))
【考え方】
個数に条件がある点が前問と似ていますので、同じように条件を表にしてみます。
上の表から、180円のかきの個数を1個増やすごとに、代金が440円増えることがわかります。
2590円-830円=1760円 … 代金の差
1760円÷440円=4 … 表の間の数
1個+4個=5個 … 180円のかきの個数
5個×2+3個=13(個) … 130円のりんごの個数
答え 13個
(別解①) … 面積図の利用
問題の条件から、次のように考えることができます。
2590円-130円×3個=2200円 … りんごを3個少なく買ったときの代金
2200円÷(180円+130円×2)=5(個) … かきの個数
5個×2+3個=13個
(別解②) … ①解法の利用
もとにする量のかきの個数を①個とすると、りんごの個数は(②+3)個です。
180×①+130×(②+3)=180○+260○+390=440○+390=2590
(2590-390)÷440=5 → ①=5
5個×2+3個=13個
本問は、与えられている条件がつるかめ算に似ていることから表に整理して解くことができますが、別解のように面積図や①解法を用いてもよいと思います。
今回は2022年度に女子中の入試で出された「文章題」の中から、つるかめ算を中心にご紹介しました。
つるかめ算に代表される特殊算は、正答率が高くなりやすい入試問題前半の一行問題などで出されています。
受験生ははじめにこれらの一行問題を正解させた後、後半の応用問題で点数を積み重ねていくことになりますから、文章題が苦手であれば早期に解消しておくとよいでしょう。