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第559回 共学校の場合の数 5

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場合の数の練習問題 2021年07月31日18時00分

「第559回 共学校の場合の数 5」

近年に共学校の中学入試で出された「場合の数」の問題を見てきています。

今回は「場合の数」の最終回として、「ゲーム」がテーマになっている問題を取り扱っていきます。

 

【問題】下の図を使って、次の【ルール】に従ってすごろくをします。

【ルール】

① 最初に「あ」の位置にこまを置く。

② コインを1回投げ、表が出たら2つ、裏が出たら1つ、駒を時計回りに進める。

③ ②をくりかえし、こまが再び「あ」の位置に止まったらあがる。

(1)こまがちょうど1周してあがるときの、コインの表と裏の出方は全部で何通りですか。

(2)こまがちょうど2周してあがるときの、コインの表と裏の出方は全部で何通りありますか。

(三田国際学園中学校 2020年 問題3)

 

 

【考え方】

(1)こまがちょうど1周してあがるとき、こまはあわせて6つ進むことになります。

1回あたりの進み方は2つまたは1つですから、

2×□+1×△=6

となる(□、△)を求める問題と同じです。

(□、△)=(3、0)、(2、2)、(1、4)(0、6)

 

これらについて、表(○)と裏(×)の出る順序を考えていきます。

(□、△)=(3、0)のとき→1通り

(□、△)=(2、2)のとき

○、○、×、×の並べ方ですから、「区別のない4つの箱から2つの箱を選んで○を入れる」と考えることができます。

箱にA~Dのように名前があれば、1個目の○の入れ方がA~Dの4通り、2個目の○の入れ方が残りの箱の3通り、全部で

4通り×3通り=12通り

です。

しかし、箱に区別がなければ、1個目をA、2個目をBに入れることと、1個目をB、2個目をAに入れることは同じになりますから、「区別のない4つの箱から2つの箱を選んで○を入れる」方法は、

12通り÷2=6通り

です。

(□、△)=(1、4)のとき

「区別のない5つの箱から1つの箱を選んで○を入れる」のように考えられますから、5通りです。

(□、△)=(0、6)のとき→1通り

従って、全部で

1通り+6通り+5通り+1通り=13通り

あります。

答え 13通り

 

(2)(1)と同じように考えることもできますが、問題図を次のように書き換えると、「踏み台解法(1つ前の利用)」が利用できます。

上の図のように、階段を1回に1段または2段上がって全部で12段上がる「階段問題」と同じです。

例えば、全部で3段の「階段問題」で踏み台解法を用いると、次のようになります。

このように「2段前の場合の数+1段前の場合の数」をくり返していくのですが、ここで注意する点があります。

それは、1周目から2周目に入るときに「あ」に止まってしまうと、そこで「あがり」になってしまうことです。

ですから、本問の階段の図は、1周目と2周目に分けて考えることが必要です。

答え 64通り

 

本問は、「すごろく」が題材となっていますが、実際には「階段問題」を同じものでした。

なお、(2)では、「あ」から「か」まで5段上がるので8通り、「か」から「い」は1通り、「い」から「あ」は5段上がるので8通り、よって全部で

8通り×1通り×8通り=64通り

のようにして解くこともできます。

 

 

では、もう1問です。

 

 

【問題】1枚のコインを続けて投げます。表が連続して3回、または裏が合計で4回出たら、投げることをやめます。

(1)コインを投げた回数が最も多いとき、投げた回数は何回ですか。

(2)表が出て投げることをやめたとき、コインを投げた回数は(1)で求めた回数より2回少なかったです。このとき、コインの表と裏の出方として考えられるのは、全部で何通りですか。

(神奈川大学附属中学校 2020年 問題4)

 

 

【考え方】

(1)表を○、裏を×として考えます。

☆表が3回連続してやめる場合

最後の3回の出方は○○○です。

回数を最も多くするため、この前に×を3回と○○を何回かつけたすことを考えると、○○×○○×○○×○○○の12回が最も多い場合です。

☆4回目の裏が出てやめる場合

最も少ない回数のときの出方は××××です。

これに○○を入れることを考えると、○○×○○×○○×○○×の12回が最も多い場合です。

答え 12回

 

(2)表が出てやめますから、最後の4回は×○○○です。

そこで、残りの回数の

12回-4回-2回=6回

について、○は3回続かない、×は2回以下の2点に注意しながら調べていきます。

答え 6通り

 

本問は「場合分け」をして考えると正解しやすい問題でした。

今回は「場合の数」の最終回として「ゲーム」がテーマになっている問題について考えましたが、ここでも基本は樹形図などの整理方法、区別があるときとないときの計算方法、「場合分け」という考え方でした。

「場合の数」を学習するときはまずはこの整理方法と計算方法を身につけ、次に応用として余事象の利用、踏み台解法など様々な工夫ができるような練習をしていくことができればいいなと思います。

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場合の数の練習問題 / 中学入試の算数問題 2021年07月31日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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