第553回 共学校の規則性 2
「第553回 共学校の規則性 2」
近年に共学校の中学入試で出された「規則性」に関する問題を前回から見ています。
今回は、並べ方に特徴のある問題について考えてみようと思います。
1問目は「渦巻き状」に石を並べる問題です。
【問題】
黒の石と白の石がたくさんあります。右の図の矢印にしたがって、黒の石と白の石を交互に並べていきます。120個目の黒の石は、はじめに置いた黒の石から、左右上下どの方向に何個進んだ位置にありますか。以下の例にならって答えなさい。
(例)
9個目の黒の石の位置は左に2個、下に2個進んだところなので
(左2、下2)、
5個目の黒の石の位置は右に1個、上に1個進んだところなので
(右1、上1)
と答えます。
(西大和学園中学校 東京・東海・岡山会場 2021年 問題1-(5))
【考え方】
与えられた図から「渦巻き状」に石を並べると「正方形」になることからわかるように、本問の「渦巻き状」の問題は「正方形タイプ」の数表の仲間です。
このことは、次の図のように石を並べる順に番号を打っていくとわかります。
前回見ましたように、「正方形タイプ」の数表の問題は平方数を利用することが解き方の基本でした。
120番目の黒の石を置く順番は、初めから数えて
2×120-1=239番目
ですから、239に近い平方数を探します。
15×15=225
16×16=256
このことから、120個目の黒の石の位置は次のようになることがわかります。
225個の石を並べたとき、正方形の1辺に石は15個並びますから、表のア=7、イ=7、ウ=8です。
よって、120番目の黒の石の位置は、右に8個、下に6個進んだところです。
答え (右8、下6)
本問のような「渦巻き状」の問題では、自分の答えが正解と「1つ違い」になることがあります。
そのような場合は、上記のように「枠」の外側に番号を記入してみるとよいでしょう。
それでは、2問目です。
【問題】
右の図のように、三角形の中に数の書かれたメダルがならんでいる。メダルはある規則にしたがって数が書かれている。
(1)7段目のメダルに書かれている数の和を求めなさい。
(2)35段目から73段目には全部で何個のメダルがありますか。
(3)ある段のメダルに書かれている数の和は4096であるという。その1段下の段のうち一番右側と一番左側にあるメダルを1個ずつ除いた残りのメダルに書かれている数の和を求めなさい。
(慶應義塾湘南藤沢中等部 2020年 問題3)
【考え方】
「パスカルの三角形」と呼ばれる数の並びで、数は次のような規則に従って並んでいます。
(1)各段の和は、次のような規則になっています。
従って、7段目の和は、
27-1=2×2×2×2×2×2=64
です。
答え 64
(2)
各段の個数は、段の番号と同じになっています。
35段目は35個、36段目は36個、…、73段目は73個のように、公差が1の等差数列ですから、和は
(35個+73個)×39段÷2=2106個
です。
答え 2106個
(3)
(1)で調べた規則を利用します。ある段の和を2倍するとその1段下の和になっています。
従って両端のメダル(どちらも①です)を除いた和は、
4096×2-1×2=8190
です。
答え 8190
本問は「パスカルの三角形」と呼ばれる数の並びに関する問題でしたが、その名前を知らなくても(1)~(3)に必要な規則を発見することは決して難しくないと思います。
今回は利用しませんでしたが、これらの他に「道順」の問題と関連した特徴もありますので、それも確認しておくとよいでしょう。
今回は「規則性」に関する問題の中から、並べ方に特徴がある問題をご紹介しました。
これらの2問のように少し難しく思える問題も、解くときには等差数列や数表など「規則性の基本」ともいえるものを用います。
基本問題は解けるけれど応用問題は…というときは、並んでいる数などに「番号」をつけ、その番号を等差数列や数表など「規則性の基本」と結びつけられないかを考えるようにしてみましょう。
近年に共学校の中学入試で出された「規則性」に関する問題を前回から見ています。
今回は、並べ方に特徴のある問題について考えてみようと思います。
1問目は「渦巻き状」に石を並べる問題です。
【問題】
黒の石と白の石がたくさんあります。右の図の矢印にしたがって、黒の石と白の石を交互に並べていきます。120個目の黒の石は、はじめに置いた黒の石から、左右上下どの方向に何個進んだ位置にありますか。以下の例にならって答えなさい。
(例)
9個目の黒の石の位置は左に2個、下に2個進んだところなので
(左2、下2)、
5個目の黒の石の位置は右に1個、上に1個進んだところなので
(右1、上1)
と答えます。
(西大和学園中学校 東京・東海・岡山会場 2021年 問題1-(5))
【考え方】
与えられた図から「渦巻き状」に石を並べると「正方形」になることからわかるように、本問の「渦巻き状」の問題は「正方形タイプ」の数表の仲間です。
このことは、次の図のように石を並べる順に番号を打っていくとわかります。
前回見ましたように、「正方形タイプ」の数表の問題は平方数を利用することが解き方の基本でした。
120番目の黒の石を置く順番は、初めから数えて
2×120-1=239番目
ですから、239に近い平方数を探します。
15×15=225
16×16=256
このことから、120個目の黒の石の位置は次のようになることがわかります。
225個の石を並べたとき、正方形の1辺に石は15個並びますから、表のア=7、イ=7、ウ=8です。
よって、120番目の黒の石の位置は、右に8個、下に6個進んだところです。
答え (右8、下6)
本問のような「渦巻き状」の問題では、自分の答えが正解と「1つ違い」になることがあります。
そのような場合は、上記のように「枠」の外側に番号を記入してみるとよいでしょう。
それでは、2問目です。
【問題】
右の図のように、三角形の中に数の書かれたメダルがならんでいる。メダルはある規則にしたがって数が書かれている。
(1)7段目のメダルに書かれている数の和を求めなさい。
(2)35段目から73段目には全部で何個のメダルがありますか。
(3)ある段のメダルに書かれている数の和は4096であるという。その1段下の段のうち一番右側と一番左側にあるメダルを1個ずつ除いた残りのメダルに書かれている数の和を求めなさい。
(慶應義塾湘南藤沢中等部 2020年 問題3)
【考え方】
「パスカルの三角形」と呼ばれる数の並びで、数は次のような規則に従って並んでいます。
(1)各段の和は、次のような規則になっています。
従って、7段目の和は、
27-1=2×2×2×2×2×2=64
です。
答え 64
(2)
各段の個数は、段の番号と同じになっています。
35段目は35個、36段目は36個、…、73段目は73個のように、公差が1の等差数列ですから、和は
(35個+73個)×39段÷2=2106個
です。
答え 2106個
(3)
(1)で調べた規則を利用します。ある段の和を2倍するとその1段下の和になっています。
従って両端のメダル(どちらも①です)を除いた和は、
4096×2-1×2=8190
です。
答え 8190
本問は「パスカルの三角形」と呼ばれる数の並びに関する問題でしたが、その名前を知らなくても(1)~(3)に必要な規則を発見することは決して難しくないと思います。
今回は利用しませんでしたが、これらの他に「道順」の問題と関連した特徴もありますので、それも確認しておくとよいでしょう。
今回は「規則性」に関する問題の中から、並べ方に特徴がある問題をご紹介しました。
これらの2問のように少し難しく思える問題も、解くときには等差数列や数表など「規則性の基本」ともいえるものを用います。
基本問題は解けるけれど応用問題は…というときは、並んでいる数などに「番号」をつけ、その番号を等差数列や数表など「規則性の基本」と結びつけられないかを考えるようにしてみましょう。