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第552回 共学校の規則性 1

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数の性質の練習問題 2021年06月12日18時00分
「第552回 共学校の規則性形 1」


前回まで、近年に共学校の中学入試で出された「立体図形」に関する問題を見てきました。


今回からは「規則性」の問題を取り扱っていきます。


はじめに、数列、数表に関する問題を見ていきましょう。




【問題】
下のように、1から始まって同じ数が4つずつ並んでいます。

1、1、1、1、2、2、2、2、3、3、3、3、4、4、4、4、5、5、5、5、…

この数の並びを次のように、はじめから3つずつの組に分けます。

(1、1、1)、(1、2、2)、(2、2、3)、(3、3、3)、(4、4、4)、(4、5、5)、…

このとき、次の問いに答えなさい。

(1)(100、101、101)は、はじめから数えて何番目の組ですか。

(2)はじめから数えて2020番目の組の最初の数はいくつですか。

(3)ある組の3つの数の和が1805になるとき、この組ははじめから数えて何番目の組ですか。

(明治大学付属明治中学校 2020年 問題3)








【考え方】
「4つずつ」、「3つずつ」という条件から、最小公倍数の12個を1周期とする数列だとわかります。


そこで問題の数列の数を1列に12個ずつ並べ直した表を作ります。

20210608122259.jpg


この表から、各周期の「え」の組の数が「□周期×3」となっていて、計算がしやすい組であることに気づけます。


(1)
(100、101、101)の続きは、(101、101、102)、(102、102、102)となり、(102、102、102)がこの周期の「え」の組で、(100、101、101)は「い」の組です。

102÷3=34周期

20210608122525.jpg

4組×(34-1)周期+2組=134番目

答え 134番目


(2)
2020組÷4組=505周期


4で割り切れましたから、2020番目の組は505周期目の「え」の組とわかります。


505周期×3=1515

答え 1515


(3)
この問題の考え方はいくつかありますが、次のようにすると解きやすいと思います。


1周期目の4つの組について和を調べると、「あ」は3、「い」は5、「う」は7、「え」は9です。


周期が1つ増えると組に含まれる各数は3ずつ大きくなっていますから、和は9ずつ増えていきます。


このことを式に表すと次のようになります。


3+9×(□周期-1)…「あ」の組の和

5+9×(□周期-1)…「い」の組の和

7+9×(□周期-1)…「う」の組の和

9+9×(□周期-1)…「え」の組の和


式を見ていくと、どの組の和も9の倍数+☆で表されていますから、1805を9で割るとどの組の何番目かを求めることができます。

1805÷9=200あまり5

20210608122920.jpg

和が1805となる組は、あまりが5なので「い」の組、□-1=200なので201周期目とわかります。

4組×(201周期-1)+2組=802番目

答え 802番目






本問は数列のうちの「周期算タイプ(くり返し)」の問題でした。


この「周期算タイプ」の問題を整理するときは「カレンダー」のように上から下へ周期ごとに数をならべていくと、計算のしやすい数などいろいろなことに気づきやすくなります。



20210608122938.jpg





2問目は数表の典型的な問題の1つです。




【問題】
下の表のように、整数1、2、3、…を順に並べていきます。次の問いに答えなさい。

20210608124347.jpg

(1)表の、上から6行目、左から3列目の数は何ですか。

(2)2020は上から何行目、左から何列目の数ですか。

(3)表の、上から19行目、左から64列目の数は何ですか。

(成城学園中学校 2020年 問題3)








【考え方】
数表は大きく分けて、「三角形タイプ」と「正方形タイプ」があります。


「三角形タイプ」は数を並べていくと三角形の形になるもので「三角数」に着目することが基本です。


「正方形タイプ」本問のように、数を並べていくと正方形の形になるもので「平方数」を利用して解きます。


(1)
平方数が各行の左から1列目に並んでいます。

20210608123041.jpg

上のように「ミニ表」を作ると、求める数が

36-2=34

であることがわかります。

答え 34


(2)
はじめに、2020に近い平方数を求めます。


40×40=1600

50×50=2500

ですから、40代の数について調べます。


45×45=2025

46×46=2116


(1)と同様にミニ表を作ります。

20210608123130.jpg


2025-2020=5

?-1=5

?=6

答え 上から45行目 左から6列目


(3)
数を並べていくと「正方形になる」ので、大きい方の値「64」で正方形を作ります。

20210608123205.jpg

上の表からわかるように「64」の平方数4096から?までもどるのは少し大変ですが、1つ内側の「正方形」もかいておくと計算しやすくなります。


19-1=18

3970+18=3988

答え 3988



本問は、数表の典型問題の1つである「正方形タイプ」の数 表に関するものでした。


数表の問題は「ミニ表」を作ると、ミスを防ぎやすくなりますし、見直しもしやすくなります。




20210608123242.jpg





今回から、近年の中学入試において共学校で出された「規則性」の問題を見ています。


1回目の今回は規則性の問題の基本である「数列」と「数表」を取り扱いました。


他の単元と同様に「規則性」の問題を解くときも、条件の整理がポイントになっています。


「答えが1だけちがっていた」ということにならないよう、数列や数表の特徴に応じた整理方法がマスターできるといいですね。

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数の性質の練習問題 / 中学入試の算数問題 2021年06月12日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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