第552回 共学校の規則性 1
「第552回 共学校の規則性形 1」
前回まで、近年に共学校の中学入試で出された「立体図形」に関する問題を見てきました。
今回からは「規則性」の問題を取り扱っていきます。
はじめに、数列、数表に関する問題を見ていきましょう。
【問題】
下のように、1から始まって同じ数が4つずつ並んでいます。
1、1、1、1、2、2、2、2、3、3、3、3、4、4、4、4、5、5、5、5、…
この数の並びを次のように、はじめから3つずつの組に分けます。
(1、1、1)、(1、2、2)、(2、2、3)、(3、3、3)、(4、4、4)、(4、5、5)、…
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)(100、101、101)は、はじめから数えて何番目の組ですか。
(2)はじめから数えて2020番目の組の最初の数はいくつですか。
(3)ある組の3つの数の和が1805になるとき、この組ははじめから数えて何番目の組ですか。
(明治大学付属明治中学校 2020年 問題3)
【考え方】
「4つずつ」、「3つずつ」という条件から、最小公倍数の12個を1周期とする数列だとわかります。
そこで問題の数列の数を1列に12個ずつ並べ直した表を作ります。
この表から、各周期の「え」の組の数が「□周期×3」となっていて、計算がしやすい組であることに気づけます。
(1)
(100、101、101)の続きは、(101、101、102)、(102、102、102)となり、(102、102、102)がこの周期の「え」の組で、(100、101、101)は「い」の組です。
102÷3=34周期
4組×(34-1)周期+2組=134番目
答え 134番目
(2)
2020組÷4組=505周期
4で割り切れましたから、2020番目の組は505周期目の「え」の組とわかります。
505周期×3=1515
答え 1515
(3)
この問題の考え方はいくつかありますが、次のようにすると解きやすいと思います。
1周期目の4つの組について和を調べると、「あ」は3、「い」は5、「う」は7、「え」は9です。
周期が1つ増えると組に含まれる各数は3ずつ大きくなっていますから、和は9ずつ増えていきます。
このことを式に表すと次のようになります。
3+9×(□周期-1)…「あ」の組の和
5+9×(□周期-1)…「い」の組の和
7+9×(□周期-1)…「う」の組の和
9+9×(□周期-1)…「え」の組の和
式を見ていくと、どの組の和も9の倍数+☆で表されていますから、1805を9で割るとどの組の何番目かを求めることができます。
1805÷9=200あまり5
和が1805となる組は、あまりが5なので「い」の組、□-1=200なので201周期目とわかります。
4組×(201周期-1)+2組=802番目
答え 802番目
本問は数列のうちの「周期算タイプ(くり返し)」の問題でした。
この「周期算タイプ」の問題を整理するときは「カレンダー」のように上から下へ周期ごとに数をならべていくと、計算のしやすい数などいろいろなことに気づきやすくなります。
2問目は数表の典型的な問題の1つです。
【問題】
下の表のように、整数1、2、3、…を順に並べていきます。次の問いに答えなさい。
(1)表の、上から6行目、左から3列目の数は何ですか。
(2)2020は上から何行目、左から何列目の数ですか。
(3)表の、上から19行目、左から64列目の数は何ですか。
(成城学園中学校 2020年 問題3)
【考え方】
数表は大きく分けて、「三角形タイプ」と「正方形タイプ」があります。
「三角形タイプ」は数を並べていくと三角形の形になるもので「三角数」に着目することが基本です。
「正方形タイプ」は本問のように、数を並べていくと正方形の形になるもので「平方数」を利用して解きます。
(1)
平方数が各行の左から1列目に並んでいます。
上のように「ミニ表」を作ると、求める数が
36-2=34
であることがわかります。
答え 34
(2)
はじめに、2020に近い平方数を求めます。
40×40=1600
50×50=2500
ですから、40代の数について調べます。
45×45=2025
46×46=2116
(1)と同様にミニ表を作ります。
2025-2020=5
?-1=5
?=6
答え 上から45行目 左から6列目
(3)
数を並べていくと「正方形になる」ので、大きい方の値「64」で正方形を作ります。
上の表からわかるように「64」の平方数4096から?までもどるのは少し大変ですが、1つ内側の「正方形」もかいておくと計算しやすくなります。
19-1=18
3970+18=3988
答え 3988
本問は、数表の典型問題の1つである「正方形タイプ」の数 表に関するものでした。
数表の問題は「ミニ表」を作ると、ミスを防ぎやすくなりますし、見直しもしやすくなります。
今回から、近年の中学入試において共学校で出された「規則性」の問題を見ています。
1回目の今回は規則性の問題の基本である「数列」と「数表」を取り扱いました。
他の単元と同様に「規則性」の問題を解くときも、条件の整理がポイントになっています。
「答えが1だけちがっていた」ということにならないよう、数列や数表の特徴に応じた整理方法がマスターできるといいですね。
前回まで、近年に共学校の中学入試で出された「立体図形」に関する問題を見てきました。
今回からは「規則性」の問題を取り扱っていきます。
はじめに、数列、数表に関する問題を見ていきましょう。
【問題】
下のように、1から始まって同じ数が4つずつ並んでいます。
1、1、1、1、2、2、2、2、3、3、3、3、4、4、4、4、5、5、5、5、…
この数の並びを次のように、はじめから3つずつの組に分けます。
(1、1、1)、(1、2、2)、(2、2、3)、(3、3、3)、(4、4、4)、(4、5、5)、…
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)(100、101、101)は、はじめから数えて何番目の組ですか。
(2)はじめから数えて2020番目の組の最初の数はいくつですか。
(3)ある組の3つの数の和が1805になるとき、この組ははじめから数えて何番目の組ですか。
(明治大学付属明治中学校 2020年 問題3)
【考え方】
「4つずつ」、「3つずつ」という条件から、最小公倍数の12個を1周期とする数列だとわかります。
そこで問題の数列の数を1列に12個ずつ並べ直した表を作ります。
この表から、各周期の「え」の組の数が「□周期×3」となっていて、計算がしやすい組であることに気づけます。
(1)
(100、101、101)の続きは、(101、101、102)、(102、102、102)となり、(102、102、102)がこの周期の「え」の組で、(100、101、101)は「い」の組です。
102÷3=34周期
4組×(34-1)周期+2組=134番目
答え 134番目
(2)
2020組÷4組=505周期
4で割り切れましたから、2020番目の組は505周期目の「え」の組とわかります。
505周期×3=1515
答え 1515
(3)
この問題の考え方はいくつかありますが、次のようにすると解きやすいと思います。
1周期目の4つの組について和を調べると、「あ」は3、「い」は5、「う」は7、「え」は9です。
周期が1つ増えると組に含まれる各数は3ずつ大きくなっていますから、和は9ずつ増えていきます。
このことを式に表すと次のようになります。
3+9×(□周期-1)…「あ」の組の和
5+9×(□周期-1)…「い」の組の和
7+9×(□周期-1)…「う」の組の和
9+9×(□周期-1)…「え」の組の和
式を見ていくと、どの組の和も9の倍数+☆で表されていますから、1805を9で割るとどの組の何番目かを求めることができます。
1805÷9=200あまり5
和が1805となる組は、あまりが5なので「い」の組、□-1=200なので201周期目とわかります。
4組×(201周期-1)+2組=802番目
答え 802番目
本問は数列のうちの「周期算タイプ(くり返し)」の問題でした。
この「周期算タイプ」の問題を整理するときは「カレンダー」のように上から下へ周期ごとに数をならべていくと、計算のしやすい数などいろいろなことに気づきやすくなります。
2問目は数表の典型的な問題の1つです。
【問題】
下の表のように、整数1、2、3、…を順に並べていきます。次の問いに答えなさい。
(1)表の、上から6行目、左から3列目の数は何ですか。
(2)2020は上から何行目、左から何列目の数ですか。
(3)表の、上から19行目、左から64列目の数は何ですか。
(成城学園中学校 2020年 問題3)
【考え方】
数表は大きく分けて、「三角形タイプ」と「正方形タイプ」があります。
「三角形タイプ」は数を並べていくと三角形の形になるもので「三角数」に着目することが基本です。
「正方形タイプ」は本問のように、数を並べていくと正方形の形になるもので「平方数」を利用して解きます。
(1)
平方数が各行の左から1列目に並んでいます。
上のように「ミニ表」を作ると、求める数が
36-2=34
であることがわかります。
答え 34
(2)
はじめに、2020に近い平方数を求めます。
40×40=1600
50×50=2500
ですから、40代の数について調べます。
45×45=2025
46×46=2116
(1)と同様にミニ表を作ります。
2025-2020=5
?-1=5
?=6
答え 上から45行目 左から6列目
(3)
数を並べていくと「正方形になる」ので、大きい方の値「64」で正方形を作ります。
上の表からわかるように「64」の平方数4096から?までもどるのは少し大変ですが、1つ内側の「正方形」もかいておくと計算しやすくなります。
19-1=18
3970+18=3988
答え 3988
本問は、数表の典型問題の1つである「正方形タイプ」の数 表に関するものでした。
数表の問題は「ミニ表」を作ると、ミスを防ぎやすくなりますし、見直しもしやすくなります。
今回から、近年の中学入試において共学校で出された「規則性」の問題を見ています。
1回目の今回は規則性の問題の基本である「数列」と「数表」を取り扱いました。
他の単元と同様に「規則性」の問題を解くときも、条件の整理がポイントになっています。
「答えが1だけちがっていた」ということにならないよう、数列や数表の特徴に応じた整理方法がマスターできるといいですね。