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第501回 女子中の算数 文章題 2

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文章題の練習問題 2020年06月20日18時00分

「第501回 女子中の算数 文章題 2」


前回から、近年の女子中の入試問題の算数について考えています。


前回は、入試問題の前半で出されやすい「一行問題」の「文章題」を見ました。


今回は、同じ「文章題」の中から、大問形式の問題を見ていこうと思います。




【問題1】
のぞみさんは、現在いくらかのお金を持っています。明日から毎朝一定の金額の昼食代をお母さんからもらい、食堂を利用することになりました。食堂には3種類の定食が用意されています。毎日500円の定食Aを食べると、20日間で残金が1000円になりますが、毎日450円の定食Bを食べると、30日間でちょうどお金がなくなります。このとき、次の各問いに答えなさい。

(1) のぞみさんが、お母さんから毎朝もらう昼食代を求めなさい。

(2) のぞみさんが、はじめに持っていた金額を求めなさい。

(3) 毎日定食Cを食べると、50日間でちょうどお金がなくなります。定食Cは何円ですか。

(東京女学館中学校 2019年 問題7 問題文一部改)








【考え方】
昼食代をお母さんからもらいながら、食堂を利用してお金を使っていきますので、増加と減少が同時におこる「ニュートン算」だとわかります。


ニュートン算には、総量に着目する解き方と、単位量に着目する解き方があります。


はじめに、総量に着目してこの問題を解いてみます。


総量に着目するときは、線分図を利用すると考えやすくなります。


このとき、お母さんからもらう20日分の昼食代よりも30日分の昼食代の方が多いことと、定食Aの場合はお金が残ることの、2点に注意します。


20200609122547.jpg


上の線分図で、「ア+1000円」が使ったお金の差です。


450円×30日-500円×20日=3500円 … ア+1000円 

3500円-1000円=2500円 … ア 


アは、お母さんからもらった20日分の昼食代と30日分の昼食代の差ですから、

2500円÷(30日-20日)=250円

が、のぞみさんが、お母さんから毎朝もらう昼食代です。

(1)
の答え 250 




お母さんから毎朝もらう昼食代が250円とわかりましたから、定食Bの線分図より

13500円-250円×30日=6000円

がのぞみさんのはじめに持っていたお金とわかります。

(2)
の答え 6000 

(※定食Aの線分図を利用して、10000円+1000円-250円×20日=6000円のように計算してもOKです。)


(3)
(6000円+250円×50日)÷50日=370 

(※6000円÷50日+250円=370円のように計算しても求められます。)






次に、この問題を、単位量に着目して解いてみましょう。


単位量に着目するときは、「水そう解法」を利用すると考えやすくなります。

20200609122717.jpg


上の図で、ア(のぞみさんのはじめに持っていたお金)を日数の最小公倍数60 ○とすると、定食Aのときは、1日あたり

(60 ○-1000円)÷20日=③-50円

ずつ減り、定食Bのときは、1日あたり

60 ○÷30日=②

ずつ減ることになります。


1日あたりに減るお金に差があるのは、定食代に150円の差があるためですから、

(③-50円)-②=50円 → ①=100円

とわかります。


定食Bの場合に着目すると、

450円-(お母さんからもらう1日分の昼食代)=200円 → お母さんからもらう1日分の昼食代=250円

が求められます。


以下、(2)、(3)は、総量に着目したときと同じようにして求めます。




本問の場合は残金があるため、「総量」に着目する方が解きやすいと思いますが、「単位量」に着目しても解くことは可能です。


ニュートン算のように解き方が2種類ある文章題は、両方の解き方を身につけ、問題に応じて使い分けることができるようになると理想的です。




では、もう1問です。




【問題2】
あるお店ではジュースが晴れの日には10本、くもりの日には5本、雨の日には2本売れます。ジュースは1本200円です。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 雨の降らなかった1週間で、売り上げは12000円でした。晴れの日は何日でしたか。

(2) 2週間のうち、晴れの日数とくもりの日数が同じで、売り上げは18800円でした。晴れの日は何日でしたか。

(3) ある月の31日間の天気は、晴れの日数とくもりの日数の比が2:1で、売り上げは50400円でした。晴れの日は何日でしたか。

(富士見中学校 2019年 問題2-A)








【考え方】
(1)
1日に10本売れる晴れの日と、5本売れるくもりの日の合計7日間で、1本200円のジュースが12000円売れたという、つるかめ算の問題です。


つるかめ算には、主に、計算公式、表解、面積図解法の3つの解き方があります。


(1)はつるかめ算の基本レベルですから、計算公式で解くのが一番速そうです。


求めるものが晴れの日の日数ですから、「もし、くもりの日ばかりだったとすると」と仮定しましょう。

12000円÷200円=60本 … 売れたジュースの本数の合計

(60本-5本×7日)÷(10本-5本)=5 


(2)
晴れの日、くもりの日、雨の日の合計14日間で、1本200円のジュースが18800円売れたという、3種のつるかめ算ですから、表解または面積図解法を利用します。


「晴れの日数とくもりの日数が同じ」という条件がありますから、どちらもが0日の場合から順に表を書いて、ジュースの本数の変化を調べます。

18800円÷200円=94本 … 14日間に売れたジュースの本数の合計 

20200609122948.jpg


上の表で、晴れの日とくもりの日が1日増え、雨の日が2日減るごとにジュースの本数が11本増えていますから、

(94本-28本)÷11本=6日 … 晴れの日、くもりの日のそれぞれの日数  

とわかります。

答え 
6 




面積図解法の場合は、次のようになります。

20200609123018.jpg


上の図より、

⑧+③+28本=94本 → ①=6本 

6本×8÷8本=6日

(※(94本-28本)÷(8本+3本)=6日という計算方法もあります。) 


(3)
(2)と同じく、条件のある3種のつるかめ算ですから、表解、面積図解法のどちらを利用してもOKです。


今回は、表解を用いてみます。


50400円÷200円=252本 … 31日間に売れたジュースの本数の合計

20200609123054.jpg


上の表で、晴れの日が2日、くもりの日が1日増え、雨の日が3日減るごとにジュースの本数が19本増えていますから、

(252本-62本)÷19本=10 

2日×10=20日 … 晴れの日の日数 

とわかります。

答え 
20  






今回見てきたように、ニュートン算には2つの解き方、つるかめ算には3つの解き方がありました。


複数の解き方のある文章題を学ぶときは、1つの解き方をマスターしたあと、残りの解き方も身につけ、問題に応じた最も適した解き方を選択して、正解できる問題を増やすことや、短い時間で問題を処理することができるように、練習ができればいいなと思います。

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文章題の練習問題 / 中学入試の算数問題 2020年06月20日18時00分
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中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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