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第347回 平面図形の点数を上げる勉強方法 6

図形の練習問題 2017年07月08日18時00分

「第347回 平面図形の点数を上げる勉強方法 6」


前回は、実力テストで正答率が低い問題を正解するための学習について、
四谷大塚 小5の第5回組分けテストの問題を題材にして考えました。


今回は、さらに難度の高い問題を題材にして、
その問題を正解するための学習について見ていきます。




浜学園 第3回 小6 合否判定学力テスト 算数Ⅰ 2015年8月30日実施 

20170705135437.jpg
問題(15) 右の図は等しい辺の長さが18cmで面積の等しい2種類の二等辺三角形を並べたものです。3点B、C、Dは一直線上にあります。このとき、三角形ABCの面積は(   )cm2です。








浜学園のテスト資料に「高度な平面図形の問題です」とありましたが、
本当に難しい問題だと思います。


難しい問題を解くときは次のように解き進めると、
正解の可能性が高まります。


(1)どんな「ヒント(=問題条件)」があるかを問題文から見つける
 ↑
前から順に整理する力が必要です


(2)ヒントから「わかること」を考える
 ↑
「○○という条件があれば☆☆を試してみる」という知識が必要です


(3)求める答えから「わかると都合のよいこと」を考える
 ↑
逆算思考力が必要です 




この解き方の流れを上記の問題にあてはめてみましょう。


まずは、18cm、45.6cmといった数値以外にどんなヒントがあるか
「問題文中」から順にみていきます。



【ヒント1】2つの三角形は二等辺三角形である

【ヒント2】2つの三角形の面積は等しい

【ヒント3】3点B、C、Dは一直線上にある

【ヒント4】求めるものは三角形ABCの面積である 



次はヒントからわかることです。



20170705135604.jpg【ヒント1】二等辺三角形
→ 「二等辺三角形は2つの合同な直角三角形に分割する」という原則を試してみます。







20170705135631.jpg【ヒント2】2つの三角形の面積は等しい
→ 4つの直角三角形は合同だとわかります。








20170705135704.jpg【ヒント3】3点B、C、Dは一直線上にある
→ ア+イ=22.8cmとわかります。










【ヒント4】
求めるものは三角形ABCの面積である
→ 図の斜線部分に着目すると、「定番問題」の一部分だとわかります。

20170705135731.jpg




20170705141155.jpg


はじめにお話ししました、
難しい問題を解くときの手順、

(1)「ヒント(=問題条件)」を問題文の前から順に整理し、

(2)そのヒントから「わかること」を試してみると、

(3)「あの定番問題と同じだ!」とわかり、

問題を解くことができました。



はじめの説明では(3)に必要な力を「逆算思考力」と書きましたが、
別の表現をするのであれば、それは「(一般的な)ひらめき」です。


「ひらめき」は、
歴史に名を残すような天才に与えられたひらめきと、
定番問題の蓄積によって可能になる一般的なひらめきの、
2つのタイプがあると思います。


「(一般的な)ひらめき」は今回のように
「なにがわかればよいのか」を考えながらヒントを利用していくと、
定番問題の蓄積と結びついて生まれるものだと思います。


20170705140020.jpg日々の宿題などで定番の問題の理解を深めながら、
難しい問題を解くときは図のようなイメージで取り組み、力をつけていけるといいですね。

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図形の練習問題 2017年07月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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