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2017年度中学入試 10 雙葉中

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中学入試の算数問題 2017年03月18日18時00分

「第331回 2017年度中学入試 10」


週が明ければ春休みはすぐですね。


春休みは期間が短いですから、計画的に過ごすことがポイントです。


塾の勉強と弱点強化、あるいは強点強化などすることがらと
そのスケジュール調整をすませて、
春休みを過ごしたいものです。


今回も2017年度の中学入試問題をご紹介しますので、
春休みにすることの目安にしてみてください。


ご紹介する学校は、首都圏女子御三家の雙葉中です。


超難問は出題されませんが、
算数の各単元の理解が不十分ですと、
正解は難しいと思います。




20170316161141.jpg大問2 半径3cmの円板A、Bがあります。右の図のように、円板Aが円板Bの円周にそって、(あ)の位置から矢印の向きにすべらずに回転して、(い)の位置まで動きました。

(1)右の図に、コンパスと定規を使って、円板Aが通った部分を斜線で示しましょう。

(2)(1)の斜線部分の面積は何cm2ですか。円周率は3.14です。









「転がり移動」の定番問題です。


(1)では、コンパスと定規を用いて
正確に作図することが求められています。


「大体こんな感じ」という解き方をしているようであれば、
この問題を通して修正しましょう。




(解き方)
円問題ですから、補助線は「中心と結ぶ(=半径)」です。


書き込むと三角形PQRが正三角形とわかりますから、
回転する角の大きさは300°です。


また、回転する図形の作図のポイントは、次の2点です。

・回転の中心から一番遠い点の動きを作図する

・回転の中心から一番近い点の動きを作図する



20170316161247.jpg



(2) (1)の作図が正確にできれば、(2)は簡単に求めることができます。

20170316161326.jpg




作図を求める問題はどの中学でもよく出題されます。


答えを見て「形がよく似ているから○」ではなく、
正しい作図方法が身についているかまで
確認するようにしましょう。



もう1問ご紹介します。


この問題も、特別な解法は必要ありません。





大問4 1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、31、……のように、数字の1を1個以上使う整数を小さい順に並べます。

(1)1000は何番目の整数ですか。

(2)2017番目の整数を答えましょう。

(3)2017番目の整数までに、数字の1を何個使いますか。例えば、5番目の整数までには6個使います。








順序よく整理をし、
それを正確に処理する力が問われている問題です。


6年生は早い時期にこの力を身につけ、
塾のテストで「書き出し問題の失点」を
なくすようにしましょう。




(1) 「1」が使われている数について、整理をします。

20170316161445.jpg

この表から1~99までに19個の整数があることがわかりますので、
100~199…100個
200~299…19個
300~399…19個



900~999…19個 となり、
19個+100個+19個×8+1個=272番目が求められます。




(2) (1)でわかったことを利用します。

000~999…271個
1000~1999…271個
2000~2999…271個
3000~3999…271個

3999以下の整数のうち、1813個が「1」を使っていますから、
2017番目まで、残りは2017-1813=204個です。


204個=19個+100個+19個×4+9個ですから、
4600台の9番目とわかり、
上の表を利用する4617が求められます。


(1)を整理してから解きましたので、
次の問題でも(1)で整理したものを活用することができました。


(3) ここでも(1)の表を利用することができます。


表を見ると、
1を利用している19個の整数に使われている「1の個数」は20個です。


また、
100台の100個の整数に使われている「1の個数」は
20個+100個=120個です。


000~999…20個×9+120個=300個
1000~1999…300個+1000個=1300個
2000~2999…300個
3000~3999…300個
4000~4599…20個×5+120個=220個
4600~4617…10個

合計2430

(別解)
0000から3999までの4000個の整数の下3桁に使われている数のうち、
「1の個数」は全体の1/10です。ですから、
1000台の1千の位に使われている「1」の1000個を加えると、
3999以下の整数に使われている「1の個数」は、
3個×4000×1/10+1000個=2200個
のように求めることもできます。




大問形式の問題は、
「前問が次問の誘導」となっていることが少なくありません。


ある程度、問題を解く力がついてくれば、
この大問4のように(2)(3)を見据えて(1)を解き、
塾の実力テストの応用問題に向けた得点力が
アップできるといいですね。

mflog.GIF

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中学入試の算数問題 2017年03月18日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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