2017年度中学入試 5 大阪星光学院中
「第326回 2017年度中学入試 5」
前回は2017年度の首都圏入試から開成中の入試問題をご紹介しましたが、
今回は関西エリアの大阪星光学院中の入試問題をご紹介します。
大阪星光学院中の2017年度の算数の配点と結果は以下の通りでした。
【配点】
120点(60分)
【入試結果】
受験者平均 72.8点(前年比 -6.9点)
合格者平均 87.4点(前年比 -4.2点)
最高点 120点(前年比 ±0点)
最高点は昨年同様満点となりましたが、
平均点は受験者全体も合格者全体も低くなり、
受験生にとっては昨年度よりはやや難しい試験になったといえそうです。
問題の構成は
大問1から6に進むにつれて難度が上がっていくというものでしたが、
問題のレベルに応じつつも、よく練られた問題であったためでしょう。
そんな大阪星光学院中の2017年度の問題から、いくつかをご紹介します。
これまでと同様、1問目は新6年生でもチャレンジできる問題です。
登場人物が3人の問題ですから、そのうちの2人に着目するのが原則です。
また、算数の問題を解くときの順、
「等しい関係 → 差(ちがい)」も原則です。
それでも「わかりにくいな…」と感じたときは、
線分図などの図を利用してみましょう。
「整理」「着目ポイントの原則」に従うだけで
正解を導き出すことができる問題でしたから、
新6年生でも解けたのではないでしょうか。
もし、解けなかった場合は、
整理や原則の定着、図の活用など、
いずれの部分で上手くいかなかったかをチェックし、
これからの学習に役立てるようにします。
次は(2)の難度が少し高い「水そうの傾け」問題ですが、
大阪星光学院中の合格を勝ち取るためには、
正解が必要な問題ではないでしょうか。
(1)は計算をするだけです。
ひき算でも構いませんが、
次のように相似比と体積比の関係を利用すると、
計算が簡単になります。
(2)は大切な問題です。
「切り欠き」のある容器を傾ける問題は
「イメージできなくて」苦手だという場合、
「切り欠く前」「切り欠いた立体」に分けて図を書く方法を
試してみてください。
このとき、容器をかたむけるのではなく
「水面をかたむける」ようにすると、
図が書きやすくなります。
見取り図は右上図のようになります。
「水そうのかたむけ」が苦手なお子さんは、
左側にある「真正面から見た図」を書く練習を続けると、
見取り図も書けるようになれます。
残りの水の量がわかれば、(2)の後半の答えは簡単です。
容器中の「水面」と立体図形の「切断面」は
どちらも「平ら」ですから、
同じ考え方やと解き方を利用することができます。
上記のような「切り欠く前」「切り欠いた立体」に分けて図を書く方法は、
「立体図形のくり抜き」のときと同じ作図方法です。
「水は液体だからイメージしにくい」というようでしたら、
立体切断の問題を先に練習するとよいかもしれませんね。
最後に、場合の数の問題をご紹介します。
新6年生でも、場合の数をひと通り学んでいるようであれば、
力試しができる問題だと思います。
(1) 1~4番の箱に、合計で5個の玉を入れる問題です。
ポイントは2つあります。
1箱に0~2個の玉を入れますから、
(2個、1個、1個、1個)の4つに
玉を分ければよいことがわかります。
(2) 3つの箱に合計5個の玉を入れる問題ですから、
(2個、2個、1個)の3つに玉を分ければよいことがわかります。
(3) (2)の続き問題といえます。
(3)は難しいと思いますが、
(1)(2)は場合の数が既習である新6年生にとっても、
「選ぶ&並べる」の2段階で考える、
場合分けをする
といった、
場合の数の基本的な解き方ができるようになっているかどうかを
確認することができるよい問題だと思います。
樹形図を書いて解くことができる力は大切ですが、
それができるようになれば、
「選ぶ&並べる」の2段階で考える、場合分けをする
という解き方もできるようになりたいものです。
大阪星光学院中も最難関中学の1校ですが、
このように5年生で学んだ内容を用いて解く問題も出題されます。
6年生の春期講習会が始まるまでに5年生内容を仕上げ、
春期講習でその力を試すことができるといいですね。