新6年生の準備をはじめましょう 5
「第309回 新6年生の準備5 ~浜学園 1月 公開学力テストに向けて~」
前回までは主に首都圏を中心とする塾について、
2月から始まる新6年の授業を希望するクラスで受講するために、
この秋にできることは何かをみてきました。
今回は、関西を中心とする浜学園について考えてみたいと思います。
浜学園では、
直近2ヶ月分の公開学力テストの成績と、
毎週行われる復習テスト2ヶ月分の成績をもとにして、
新しいクラスが決まります。
ここで気をつけておきたいことは、
浜学園の公開学力テストは、
5年生の7月までは公立小学校の既習範囲を基準に出題されますが、
「小5の8月以降はその限りではありません」(浜学園HPより)
という点です。
つまり、公立小学校で学んでいない単元の問題も出題されるということです。
しかし、浜学園の塾生であれば、平常授業などで学んでいますから、
塾生間の競争においては対等です。
では、どのような出題なのか、
2016年1月10日に浜学園でおこなわれました
第514回の公開学力テストについてみていきます。
下の表は、そのテストの出題分野と正答率、浜学園小5平常算数との対比したものです。
このテストは、
浜学園の小5平常(一般コース)で取り扱った問題や
その類題が多いテストですから、
高得点が期待できます。
V、S、Hのクラス数や各クラスの人数、VS合併クラスの設置など、
クラスの編成は教室の規模によって異なりますので一概には言えないのですが、
平均点が56.9点でしたから、
正答率50%までの問題を全問クリアできればSクラス相当の成績に、
正答率80%までの問題を全問クリアできればVクラス相当の成績が
とれるのではないかと思います。
(実際のクラス編成は、国・算・理の3科目総合成績で決定され、算数の成績だけでは決まりません。)
早速、テスト問題と塾の教材とを見比べてみましょう。
演習教材B問題-大問3は
V・S・Hの全クラス共通の宿題(浜学園 学習計画表より)です。
一方、公開学力テスト 大問3の正答率は、
①が74%、
②が49%
と、意外に低調です。
見ての通り、
演習教材の問題の方が、
公開学力テストで出された問題よりも条件が複雑で難しいものですし、
また、それが全塾生対象の宿題であったにもかかわらず、
正答率が低くなっています。
なぜでしょうか。
正答率が50%に満たなかった(2)について考えてみると、
次の2つの理由をあげることができそうです。
詳しくみてみます。
理由(1)
表面積の公式や分配のきまりを使わない場合と使った場合では、
計算する箇所や計算の回数がちがうため、
正答率に差が出やすくなります。
【浜学園 小5算数 演習教材 B-5(3)の答案例】
また、表面積の公式や分配のきまりが「使えない」と、
表面積が与えられた逆算問題を解けないケースも出てきますので、
上位クラスを目指すのであれば、
表面積の公式や分配のきまりはできるだけ使うようにするのがよいと思います。
理由(2)
これは非常に危険なケースです。
「わずか」2ヶ月前のことができなくなっているのは、
宿題を「次週の復習テスト」のためだけに取り組んでいることが多いからです。
また、冬期講習で立体図形の復習機会があったにもかかわらず、
正解できないということは、
冬期講習の学習も「流して」受講している可能性があります。
宿題を通して、
「公式の使い方」
「公式が使える条件」
「公式の理由」
などについての理解を深める学習ができていないと、
問題のレベルと量が増える6年生になって、
すぐに成績が急降下する危険性があります。
学習状況がそのようになっているかどうかは、
直近の公開学力テストでも確認することができます。
公開学力テストの平均点に近い点数、あるいは下回っているようであれば、
チェックをしてみるといいですね。
次回は、正答率のより低い問題について、考えていく予定です。