新6年生の準備をはじめましょう 1
「第305回 新6年生の準備 1 ~サピックス 1月度 組分けテストに向けて~」
サピックスでは、5年生を対象に、
8月28日に試験範囲の広い「マンスリー確認テスト」
9月4日に試験範囲のない「第1回志望校診断サピックスオープン」
といった、
実力の問われる大きなテストが2週続けて実施されました。
もしかすると、試験範囲の関係などで、
7月までのマンスリー確認(または復習)テストとちがって、
期待した結果を残せなかった5年生もいたことでしょう。
そこで今回は、この2つのテストのうち、
8月マンスリー確認テストについて、得点が伸びなかった原因を考え、
同様の結果になる可能性がある、
1月度 組分けテストに向け、どのような準備が必要かを
考えていきます。
始めに、8月マンスリー確認テストがどのようなテストであったのかを分析してみます。
8月マンスリー確認テスト
試験時間 50分
問題数 大問8(解答数30)
満点 150点
平均 56.6点
試験範囲 告知有り(夏期講習の範囲を中心に出題)
この分析表を見ると、
8月マンスリー確認テストは計算問題を除く26問のうち、
24問が夏期講習教材の数値替えであったことがわかります。
問題の難度も、
大問3-(1)「内角の和が4140度である図形は何角形ですか」のように、
その単元の基礎知識や公式をあてはめるだけで解ける問題が45点分、
大問2-(1)「97を割ると7余り、60を割ると6余る最も大きい整数は□です」のように、
「約数・倍数問題は、問題文を式に書き直す」といった
解き方の知識があれば正解できる問題が55点分、
合計100点分が、比較的得点しやすい問題でした。
夏期講習で学んだことが十分に消化できていれば、
かなりの高得点が期待できるテストでしたが、
結果的には平均点56.6点という低調な結果となっています。
これらのテスト分析とその結果から、
8月マンスリー確認テストの結果が振るわなかった5年生には、
現時点で次のような問題点が生じている可能性があると考えられます。
すでに秋の学習が始まっていますが、その学習内容は、
旅人算・流水算・時計算・通過算、
さらに、仕事算・倍数算・相当算・和と差に関する問題をはさんで、
平面図形・立体図形と、
中学入試頻出単元であり、内容も濃いものとなっていきます。
また、学校行事が多い小学校もありますから、
テストの振り返りに取り組む時間的余裕はあまりないかも知れません。
しかし、上記の3つの可能性のいずれかがあてはまる場合、それを放置しておくと、
6年生からのクラスを決める「1月組分けテスト」で、
希望通りの成績を残すことが難しくなります。
なぜならば、マンスリー確認(または復習)テストと異なり、
組分けテストは「テスト範囲がない」テスト=実力差が如実に表れるテストだからです。
次の表は、2016年1月11日に行われた、1月組分けテストの出題分野表です。
広いとはいえ範囲が指定された8月マンスリー確認テストでさえ
成績が振るわなかったのであれば、
秋から冬期講習にかけて学んだ問題だけでなく、
夏期講習の内容や
4月のマンスリー確認テストで「応用」として出題された問題の類題など、
出題範囲に指定のない組分けテストでの
苦戦は十分に予測されます。
また、この組分けテストでは、
1行問題が減り、
小問(1)~(3)で構成された大問の出題数が増え、
加えて初見の問題も出題されていますので、
問題を選んで解く力も要求されています。
幸いなことに、1月の組分けテストまで、まだ3ヶ月以上あります。
もし、8月のマンスリー確認テストが
望んだ結果になっていなかったのであれば、
すぐにでも平常の学習と並行して
1月の組分けテストにむけた準備に取り組みましょう。
長いようで短い3ヶ月です。
急ぎ学習計画を立て、不足している力を補い、1月のテストを迎えられるといいですね。