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苦手の克服 相似3

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図形の練習問題 2016年08月27日18時00分

「第302回 苦手の克服 相似3」


前回までは、相似の応用問題を中級レベルのテストから選び、
「小問ごとに図を書く」というテクニックで攻略できることを見てきました。


そこで今回は、難度の高いテストに出題された,
相似を中心とした「辺の比と面積比」の問題について、
このテクニックが通用するかについて調べていきます。


まずは、サピックスのオープンテストからの問題です。




2013年11月10日実施 サピックス 第3回 合格力判定サピックスオープン 6年 算数より

20160825172634.jpg大問3-(4) 図の四角形ABCDは面積が100cm2の長方形です。BF:FC=DH:HA=1:1で、AE:EB=CG:GD=1:2です。斜線部分の面積は□cm2です。









定番の問題ですし、テスト前半(大問3)での出題ですから、
必ず正解したいところです。


この問題には小問はありませんが、
「小問ごとに図を書く」=「順に図を書いていく」ですから、
このテクニックを試してみましょう。

20160812135016.jpg

(1)問題を解くために、
1.長方形ABCDを書く
2.問題文中にでてくる点E~Hを書く
3.1本ずつ線を書き加えていく」
という順で図を書いていきます。

この問題は斜線部分の面積を求めるものですから、
斜線部分を囲む4つの線を、
「1本ずつ書きながら、何がわかるかを考える」ようにします。


どの線からでも構いませんが、アルファベット順に、点Aからの線を引いてみます。

20160825173049.jpg

この図ではまだ何もわかりませんので、2本目の線を書き加えます。


Aの次ですから、Bからの線を書いてみましょう。

20160825173116.jpg

補助線をひけば、何かわかりそうな感じもしますが、
「困ったら補助線をひく」が図形問題の大原則ですから、
ここでは3本目の線を書き加えることを優先します。

20160825173203.jpg

ピラミッド型相似が1組見つかりました。


BF:FC=1:1ですから、次の図のようなことがわかります。

20160825173242.jpg

さらに4本目を加えると、一気に3組の相似が見つかります。

20160825173311.jpg

先ほどわかった辺の比と「関連がありそう」な相似は、両端の図です。


実は、左右のいずれを選んでも、正解することができます。ここでは、左の図を用いてみます。


20160825173503.jpg

または、

20160825173537.jpg

のように、「わかったことと関連のある図形に着目する」と、
1本道でそれぞれの右図にたどり着きます。


赤い太線の平行四辺形と長方形は等高図形ですから、
上の場合は100cm
2×1/2×4/7、
下の場合は100cm
2×2/3×3/7 という計算から、200/7=28 4/7cm2
という答えを求めることができます。
(この他に、「まわりから引く」という解き方もあります。)




前回までの問題レベルであれば、
「小問ごとに図を書く」→「着目する図形を発見する」→「図形の知識をあてはめる」
ことで正解を得ることができました。


しかし、難度の高いテストで出題される相似の応用問題を正解するためには、
これだけでは不十分なようです。


「小問ごとに図を書く」
→「ヒント(新しくわかること)が見つかる」
→「わかったヒントと関連のある図形に着目する」
→「図形の知識をあてはめる」
のように、
「ここから何がわかるか」
「それは何に使えるのか」
といった「考える」ステップが加わります。


そのステップは、この問題ですと、
20160825172634.jpg20160825173242.jpgのように、
「小問ごとに図を書く」から見つかった着目する図形(ピラミッド型相似)において、
求めるもの(斜線図形)に関連のあるところ(BG)で、
何かわかること(1:1)がないかを「考える」ように、
問題演習を通して「訓練」すれば、攻略することができます。


ただ漠然と図を見るのではなく、
「着目する図形と求めるものとの関連」のように、
視点を絞り込んで「考える」クセを、
問題演習で実行するようにしましょう。

20160825174216.jpg


関連のある図形の主な探し方は次の3つです。

(1) 辺の一部または全部が重なっている図形
(2) 点が重なっている図形
(3) 類似した(同じ図形の知識をあてはめる)図形


この問題では
辺の一部が重なった図形(三角形BCG→三角形CDH、三角形BCG→三角形ABF)
を利用しています。




では、もう1問、
難度の高いテストに出題された相似を中心とした
「辺の比と面積比」の問題をご紹介します。


2013年9月17日実施 学校別サピックスオープン 慶應普通部① 算数より 

20160825174450.jpg大問6 右の図のように、AD:BC=3:4の台形ABCDがあります。頂点Dから辺ABと平行な線を引き、対角線ACと交わる点をFとします。

(1)EF:FCを求めなさい。

(2)三角形AFDの面積が126cm
2のとき、三角形EBCの面積を求めなさい。








(1)先ほどと同様に、
「小問ごとに図を書く」
→「ヒント(新しくわかること)が見つかる」
→「わかったヒントと関連のある図形に着目する」
→「図形の知識をあてはめる」
の順に図を書いていくと、
次のように、求めるもの(EF:FCのあるEC)について、長さの比がわかります。

20160825174548.jpg

AE=⑫とおき直すと、
EC=⑯、EF=⑨ですから、FC=⑦となり、
9:7が求められます。


この他にも「面積比」を利用する方法、
DFをBC側に延長して「魔法使いの帽子」を利用する方法もあります。




(2) (1)でわかった辺の比と(2)の条件「三角形AFDの面積は126cm2」と結びつけます。


辺の比を面積と結びつける「知識」は
「等高三角形の面積比=底辺比」
「相似比と面積比」
「隣辺比」
の3つです。


この3つのうち、下の図のように「等高三角形の面積比=底辺比」を使ってみましょう。

20160825174710.jpg

さらに求める三角形EBCと面積のわかる三角形AEDは「点が重なる図形」であり、
もちろん相似の関係にもあります。
(角DAF=角BCEより「隣辺比」を使うとより簡単に解くことができますが、
]ここでは全問でわかったことを利用する練習として下記のように解くことにします。)

126cm2×12/21×16/9=128cm2 







この2問をみますと、
基本~中級レベルの「相似の応用問題」は、
「小問ごとに図を書く」というテクニックだけで攻略できますが、
中級~上級レベルの「相似の応用問題」には、
「わかったことと関連のある図形を探す」「わかったことを求めるものと結びつける」
ことが必要だとわかりました。


そのときに用いるのが、
「辺の一部または全部が重なっている図形」
「点が重なっている図形」
「類似した(同じ図形の知識をあてはめる)図形」
という、関連のある図形の3つの見つけ方です。

20160825175108.jpg

何を探せばよいかがわかっていれば、正答率もグンと上がりますから、
この3つの「視点」を使い分けながら、これからの演習ができるといいですね。

mflog.GIF

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図形の練習問題 2016年08月27日18時00分
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