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「大テスト」の準備をしましょう3  四谷大塚編

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算数の成績アップ勉強法 2015年07月11日18時00分

「第242回 大テストの準備をしましょう 四谷大塚編」

これまでに大テストの準備として、
サピックスの入室・組分けテスト、日能研の合否判定テストについてみてみました。

今回は、四谷大塚の大テストについて考えてみます。

四谷大塚の大テストには月例テスト、公開組分けテストなどがありますが、
この他に6年生には合不合判定テスト、学校別判定テストがあります。

学校別判定テストは10月下旬以降ですが、
合不合判定テストはその第2回が、明日、7月12日に実施されます。

過去のテストを見ながら、直前でもできる準備がないかを考えてみます。

20150709113819.jpg


このテストでは、

90点(15問正解)で偏差値50、
102点(17問正解)で偏差値54,
120点(20問正解)で偏差値60、
132点(22問正解)で偏差値64

という結果でした。


15問ある正答率50%以上を全問正解すれば偏差値50だった計算になります。

さらに5問ある正答率40%の問題(1問は39.8%)を正解できれば、
偏差値が60に上がります。

武蔵中(62)、海城中(62)、芝中(59)、青山学院中(59)などが志望校の場合ですと、
大問7-(1)までを「とりきる」ことが必要になるテストでした。
(注:カッコ内の数値は上記テストに対する偏差値)

では、偏差値50を60に引き上げるための5問が、
どのような問題であったのかを見てみます。



四谷大塚 2012年 7月 第2回合不合判定予備テスト 算数より

大問2-(6) 5 5/8をかけても、10 4/5をかけても答えが1以上の整数になる分数のうち、最も小さい分数を求めなさい。


大問2-(8) アメが100個あります。これらをA、B、C、D、E、Fの6人に配ったところ、もらった個数は6人とも異なり、多い方から順にA、B、C、D、E、Fとなりました。Aがもらった個数は、最も少ない場合で何個ですか。ただし、アメは100個すべて配ったものとします。


大問4 ある池のまわりを、兄と弟が同じ地点を同時に出発して、反対方向に歩き続けました。兄は、出発してから15分後に弟とはじめてすれちがい、その9分後に出発地点を通過しました。2人はそれぞれ一定の速さで歩いたものとして、次の問いに答えなさい。
(2) 弟がはじめて出発地点を通過したのは、2回目に兄とすれちがってから何分後ですか。



大問5 2つの容器A、Bがあり、容器Aには濃さが6%の食塩水が400g、容器Bには濃さが16%の食塩水が300g入っています。まず、容器Aから食塩水を200g取り出して容器Bに入れ、よくかき混ぜました。その後、容器Bから食塩水を何gか取り出して容器Aに入れ、よくかき混ぜたところ、容器Aに入っている食塩水の濃さが7%になりました。容器Bから取り出した食塩水の重さは何gですか。(一部改題)



20150709114725.jpg大問6 (図1)のように、あるきまりにしたがって、正方形の枠を並べ、その中に整数を書いていきました。これについて、次の問いに答えなさい。
(2) (図2)のアの枠に書かれている整数はいくつですか。








(答えはブログの最後にあります)




大問2-(6)、大問4、大問5は定番の問題ですから、
偏差値60をめざすお子さんにとって、決して難しい問題ではありません。

他の2問も、いざとなれば「書き出し」で解けそうです。



ということは、ポイントは「テスト時間」です。



四谷大塚の合不合判定テストは50分で解答数25ですから、
20問正解を目指す場合、50分÷20問=2.5分が1問あたりの持ち時間です。

じっくり考えたい問題もありますから、
大問1の計算問題や大問2の1行問題で時間を稼ぎ、
「偏差値50を60に引き上げるための5問」の時間を確保しましょう。

明日のテストにむけて「スピードアップ」の準備は難しいと思いますが、
「四科のまとめ 算数」に収録されているような、
定番問題に目を通すといった「知識の確認」を行って、
テスト中に
「えーっと、どうするんだっけ…」
といった時間を減らすことができるといいですね。

mflog.GIF

【解答例】
大問2-(6)
イ/ア × 45/8 =整数
イ/ア × 54/5 =整数
より、
ア=45と54の公約数、イ=8と5の公倍数
とわかります。

「最も小さい分数」なので、
分母ア=最大公約数9、分子イ=最小公倍数40 から、
40/9(4 4/9)が答えです。


大問2-(8)
「最多のAがもらった個数が最も少ない場合」なので、
6人がほぼ同じだけもらったときだとわかります。

100個÷6人=16個あまり4個 より、
中位のC、Dの個数がそれぞれ17個、16個と見当づけられます。

このとき、
F 14個、E 15個、D 16個、C 17個、B 18個(計80個)となり、
Aが20個と求められます。


大問4
問題条件を線分図(ダイヤグラムでもOK)に表すと、

20150709114632.jpg

兄が9分で進む距離を弟は15分で進みます。

兄は1周に15分+9分=24分かかりますから、
弟は24分×15/9=40分かかります。

また、「池タイプの旅人算」では、
「出発してから1回目に出会うまでの時間=1回目に出会ってから2回目に出会う時間」
となるので、
出発してから2回目にすれ違うまでの時間は、
15分×2=30.分
とわかり、
40分-30分=10分が答えです。


大問5
容器Aから食塩水を200g取り出して容器Bに入れて混ぜると

20150709114435.jpg

から、
容器Bの濃さが12%になったことがわかります。

さらに、その容器Bから食塩水を何gか取り出して容器Aに入れて混ぜると、
容器Aの濃さが7%になったので、
天びん法(または面積図)で整理すると、

20150709114508.jpg

⑤=200g → ①=40g が答えとわかります。


大問6
「三角形タイプの数表(俵積み)」ですから、
各段の右端の数に着目します。
(例:4段目の右端の数=1+2+3+4=10)

1から順にたして「99」に近いのは、
1+2+…+12+13=91、
1+2+…+12+14=105
ですから、

20150709114552.jpg

とわかり、
イ=98から、ア=98+14=112 が求められます。

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算数の成績アップ勉強法 2015年07月11日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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