ゴールデン・ウィーク中の勉強 5年生編
第230回 「ゴールデン・ウィーク中の勉強 5年生編」
4月もはやいものであと2週間弱です。
ということはゴールデン・ウィーク(GW)の到来です。
6年生は、
塾で特別な講座やテストがあったり、
GW用課題がでたりと、
相変わらず忙しいことに変りないと思います。
しかし、5年生は、一部の塾の一部のクラス帯を除いて、
「お休み」になることが多いでしょう。
これを利用して自然に親しむのも良いと思います。
でも、もし「勉強のチャンス」と思われる方のために、
今回はどんな学習があるかをご紹介します。
そのためにGW明けの塾予定(小5)をみてみます。
SAPIX 5/17 実力診断サピックスオープン
四谷大塚 5/10 公開組分けテスト
日能研 5/30 実力判定テスト
浜学園 5/10 公開学力テスト
馬渕教室 5/17 第1回到達テスト …
GWが明けると大きなテストが待ち構えています。
このうち、
四谷大塚の公開組分けテストと馬渕教室の第1回到達テストは
出題範囲があり、他のテストはありません。
範囲のあるテストについては、
「よくわからなかったな…」という分野や問題があれば、
その復習が必要ですし、
範囲がないテストについては、
これまでの大きなテストで間違いが多い分野や難度にあわせた準備が
大切です。
GWに通常の授業がお休みになる塾にお通いでしたら、
そのお休み期間からテスト対策の時間を生み出すことができます。
今から計画をたてておくと良さそうです。
このテスト対策と入試まで見通し、
5年生ができる勉強という点で、
次のような分野の学習をするのも「あり」だと思います。
・数の性質
・割合の文章題
・平面図形の求積
・旅人算とダイヤグラム
どの単元も入試頻出ですが、
2015年首都圏入試では、
出題総数の1/4~1/3が「計算・数の性質」となっていますし
比と割合の単元ともつながりのある「数の性質」はお勧め単元のひとつです。
そこで、実際のテストから「数の性質」の問題を選んでみました。
サピックス 2011年度 実力診断サピックスオープン 算数より
大問3-(1) 1より大きい整数Aと整数Bがあり、A×A=B×B×Bとなってます。このような整数Aと整数Bの組み合わせとして考えられるもののうち、整数Aが最も小さくなるときの整数Aと整数Bを答えなさい。
A=2のとき、A×A=4=B×B×B → Bにあてはまる整数はない
A=3のとき、A×A=9=B×B×B → Bにあてはまる整数はない
A=4のとき、A×A=16=B×B×B → Bにあてはまる整数はない
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・
のように、調べていけば答えが見つかりそうです。
しかし、
入試問題を解く上で非常に大切な「素因数分解」の考え方を利用すると、
もう少し楽に解けそうです。
「A袋にアメ玉が入っていて、そのA2袋分のアメ玉を、3つのB袋に同じ数ずつ入れる」と考えます。
すると、Aに入っているアメ玉は最も少なくて3個とわかります。
整数Aをできるだけ小さくするのですから、
「2」が3個、つまり、A=2×2×2 とすれば、
A×A=2×2×2×2×2×2=(2×2)×(2×2)×(2×2)
のようにできます。
ですから、A=8、B=4 が答えとわかります。
このように素因数分解は、問題を素早く解くために必要なツールです。
5年生は既習でしょうから、このツールの使いこなしを練習しましょう。
では、素因数分解を利用する問題を、入試問題から1問ご紹介します。
桐朋中学 2009年度 入試問題 算数より
問題 1から12までの異なる12個の整数を4個ずつ、3つのグループに分けます。ただし、3と4、9と10のように連続する2つの整数は同じグループに入れません。3つのグループのうち、1が入っているグループをA、2が入っているグループをB、1も2も入っていないグループをCとします。Bに入る4つの数の積と、Cに入る4つの数の積の比が231:200であるとき、B、Cに入る4つの数として考えられるものをそれぞれ小さい順に書きなさい。
比と素因数分解の問題です。
Bに入る4つの数の積を比で表すと231になるということは、
231、462、693…のように、231の倍数になるということです。
また、231=3×7×11 ですから、
Bに入っている数のうち3つは、
3の倍数(3、6、9、12のうちの1個以上)と7と11です。
同じように、200=2×2×2×5×5 ですから、
Cに入っている数のうち3つは、
2の倍数(2、4、6、8、10、12のうちの1個以上)と
5の倍数(「×5」が2つあるので、5、10の両方)とわかります。
整理すると、
A(1、□、□、□)、B(2、3の倍数、7、11)、C(2の倍数、5、10、□)
となります。
「連続する2つの整数は同じグループに入れません」から、
Bに3、6、12を入れることはできません。
つまり、
A(1、□、□、□)、B(2、7、9、11)、C(2の倍数、5、10、□)
です。
ここで、残りの整数を確認すると 3、4、6、8、12 です。
また、Bの積=2×7×9×11=6×231 ですから、
Cの積=6×200=3×5×8×10 となり、
C(3、5、8、10)が求められます。
この問題のように、
数の性質と比(や割合)の問題が結びつくことはよくあります。
ですから、
数の性質、比と割合は、
習ったそのときに使いこなせるようになっておくことが理想です。