2015年度中学入試 慶應義塾中等部 湘南藤沢中等部
皆さんこんにちは、中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員の前田昌宏です。
本日の記事は、第229回 「平成27年度 私立中学入試 この1問 慶應義塾中等部 湘南藤沢中等部」をお届けします。
難関中を中心に問題をご紹介していきながら、
2016年度入試に向けて6年生がどのような点に気をつけていけばよいのか、
また5年生はどのような取り組みをしていけばよいのかを考えています。
今回は、
慶應義塾附属中から、中等部、湘南藤沢中等部(SFC)を取り上げ、
2015年度入試からそれぞれ1問ずつ見ていきます。
2015年の慶應義塾附属中の入試問題は、
前回の早稲田同様に、
2016年の受験生にとっては知識と処理力のチェックに適した良問が
多く含まれています。
受験生はもちろん、5年生も挑戦し、
現時点でできていること、できていないことを確認してみましょう。
慶應義塾中等部 2015年度 入試問題 算数より
大問6 1、1、2、2、3、3、4、4の8個の数字を全て使って、4つの2けたの数を作ります。ただし、十の位の数字と一の位の数字が同じにならないようにします。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 4つの2けたの数の合計が最も大きいとき、その合計を求めなさい。
(2)-ア 十の位の数が4つとも違うように2けたの数をつくる方法は全部で何通りありますか。
(2)-イ さらに、アの4つの2けたの数の中に、3の倍数が含まれている場合は全部で何通りありますか。
書き出しで解く場合の数の問題ですから、
学年に関係なく挑戦できますね。
同じ数字が2つずつあることに注意して
書き出しましょう。
(1)合計が最大になるのは、
十の位の数が大きいときですから、
十の位が4、3で、一の位が2、1です。
具体的に
42+42+31+31=146
としてもよいですし、
十の位の和 4+4+3+3=14 → 140
一の位の和 2+2+1+1=6 なので、
140+6=146
でもOKです。
(2)-ア 本文の条件「十の位の数字と一の位の数字が同じにならない」と
設問アの条件「十の位の数が4つとも違う」の2
つの条件をクリアさせます。
「十の位の数字と一の位の数字が同じにならない」という条件は、
2013年に武蔵中でも出題された、
「攪乱順列」です。
「十の位の数が4つとも違う」ので、
4つの数は 1☆、2★、3◇、4◆ です。
そこで「一の位の1が2★」にある場合を考えると、
のように3通りありますから、
「一の位の1が3◇」「一の位の1が4◆」のときとあわせると、
3通り×3=9通りとわかります。
あるいは、「1☆の☆が1にならない」ように
や
といった樹形図などから、
9通りを導き出してもかまいません。
(2)-イ 書き出しでよいのですが、
せっかく(2)-アを、
「少し書き出し→あとは計算」
という解き方をしましたので、
(2)-イも工夫して解いてみましょう。
3の倍数つくりの問題は、
「3で割った余り」
で考えると解きやすいです。
3で割った余りは0、1、2の3通りがあり、
また3の倍数は各位の数の和も3の倍数ですから、
2けたの数が3の倍数になるのは
(十の位を3で割った余り、一の位を3で割った余り)
=(0、0)、(1、2)、(2、1)
の3パターンです。
ですから、
用いる数が1~4、
十の位と一の位は異なる数
という2つの条件を満たす2けたの3の倍数は、
12、21、24、42
の4つだけです。
ここで「2」が必ず使われていることに気をつけると、
作る4つの数の中に「23と32」の両方が含まれていると、
残りの2数で3の倍数を作ることはできません。
9通り-1通り=8通り
この問題は、「書き出して解く」練習になると思います。
また、「3で割った余りと3の倍数作り」の練習にもなります。
3の倍数作りの問題を
「各位の数の和が3の倍数」だけで解けるならば、
次はこの「3で割った余り」という解き方にも挑戦し、
レベルアップを図って下さい。
慶應義塾湘南藤沢中等部 2015年度 入試問題 算数より
大問2-(3) 図のように、点Oを中心とする円の中と外に正六角形がある。かげのついた部分の面積が90cm2のとき、三角形ABCの面積を求めなさい。
正六角形の問題です。
正六角形の問題は、
問題図が「均等分割」に近いのか、
「延長」に近いのかを
見極めることから始めます。
この視点から見ると、
求める図形である三角形ABCは
「正六角形の18分割」に近いことがわかります。
ということは、
円の内側にある正六角形の面積がわかれば、
三角形ABCの面積が求められるということです。
この問題のように、
円の内側と外側にある正六角形の面積を比較する場合は、
「向きをずらす(回転させる)」ことがコツです。
図から、アの面積=イの面積がわかりますので、
90cm2=外側の正六角形-内側の正六角形=イ×6=ア×6
→ ア=15cm2
アは正六角形の面積の1/18、
三角形ABCは正六角形の面積の1/36
ですから、
15cm2÷2=7.5cm2が答えです。
近年は新傾向として
「正八角形の問題」が出題されることもありますから、
定番問題である正六角形の問題は
必ず正解できるようになっておきたいところです。
正六角形の「均等分割」「延長」は、
両方とも使いこなせるようになっておきましょう。
本日の記事は、第229回 「平成27年度 私立中学入試 この1問 慶應義塾中等部 湘南藤沢中等部」をお届けします。
難関中を中心に問題をご紹介していきながら、
2016年度入試に向けて6年生がどのような点に気をつけていけばよいのか、
また5年生はどのような取り組みをしていけばよいのかを考えています。
今回は、
慶應義塾附属中から、中等部、湘南藤沢中等部(SFC)を取り上げ、
2015年度入試からそれぞれ1問ずつ見ていきます。
2015年の慶應義塾附属中の入試問題は、
前回の早稲田同様に、
2016年の受験生にとっては知識と処理力のチェックに適した良問が
多く含まれています。
受験生はもちろん、5年生も挑戦し、
現時点でできていること、できていないことを確認してみましょう。
慶應義塾中等部 2015年度 入試問題 算数より
大問6 1、1、2、2、3、3、4、4の8個の数字を全て使って、4つの2けたの数を作ります。ただし、十の位の数字と一の位の数字が同じにならないようにします。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 4つの2けたの数の合計が最も大きいとき、その合計を求めなさい。
(2)-ア 十の位の数が4つとも違うように2けたの数をつくる方法は全部で何通りありますか。
(2)-イ さらに、アの4つの2けたの数の中に、3の倍数が含まれている場合は全部で何通りありますか。
(一部問題文変更)
書き出しで解く場合の数の問題ですから、
学年に関係なく挑戦できますね。
同じ数字が2つずつあることに注意して
書き出しましょう。
(1)合計が最大になるのは、
十の位の数が大きいときですから、
十の位が4、3で、一の位が2、1です。
具体的に
42+42+31+31=146
としてもよいですし、
十の位の和 4+4+3+3=14 → 140
一の位の和 2+2+1+1=6 なので、
140+6=146
でもOKです。
(2)-ア 本文の条件「十の位の数字と一の位の数字が同じにならない」と
設問アの条件「十の位の数が4つとも違う」の2
つの条件をクリアさせます。
「十の位の数字と一の位の数字が同じにならない」という条件は、
2013年に武蔵中でも出題された、
「攪乱順列」です。
「十の位の数が4つとも違う」ので、
4つの数は 1☆、2★、3◇、4◆ です。
そこで「一の位の1が2★」にある場合を考えると、
のように3通りありますから、
「一の位の1が3◇」「一の位の1が4◆」のときとあわせると、
3通り×3=9通りとわかります。
あるいは、「1☆の☆が1にならない」ように
や
といった樹形図などから、
9通りを導き出してもかまいません。
(2)-イ 書き出しでよいのですが、
せっかく(2)-アを、
「少し書き出し→あとは計算」
という解き方をしましたので、
(2)-イも工夫して解いてみましょう。
3の倍数つくりの問題は、
「3で割った余り」
で考えると解きやすいです。
3で割った余りは0、1、2の3通りがあり、
また3の倍数は各位の数の和も3の倍数ですから、
2けたの数が3の倍数になるのは
(十の位を3で割った余り、一の位を3で割った余り)
=(0、0)、(1、2)、(2、1)
の3パターンです。
ですから、
用いる数が1~4、
十の位と一の位は異なる数
という2つの条件を満たす2けたの3の倍数は、
12、21、24、42
の4つだけです。
ここで「2」が必ず使われていることに気をつけると、
作る4つの数の中に「23と32」の両方が含まれていると、
残りの2数で3の倍数を作ることはできません。
9通り-1通り=8通り
この問題は、「書き出して解く」練習になると思います。
また、「3で割った余りと3の倍数作り」の練習にもなります。
3の倍数作りの問題を
「各位の数の和が3の倍数」だけで解けるならば、
次はこの「3で割った余り」という解き方にも挑戦し、
レベルアップを図って下さい。
慶應義塾湘南藤沢中等部 2015年度 入試問題 算数より
大問2-(3) 図のように、点Oを中心とする円の中と外に正六角形がある。かげのついた部分の面積が90cm2のとき、三角形ABCの面積を求めなさい。
正六角形の問題です。
正六角形の問題は、
問題図が「均等分割」に近いのか、
「延長」に近いのかを
見極めることから始めます。
この視点から見ると、
求める図形である三角形ABCは
「正六角形の18分割」に近いことがわかります。
ということは、
円の内側にある正六角形の面積がわかれば、
三角形ABCの面積が求められるということです。
この問題のように、
円の内側と外側にある正六角形の面積を比較する場合は、
「向きをずらす(回転させる)」ことがコツです。
図から、アの面積=イの面積がわかりますので、
90cm2=外側の正六角形-内側の正六角形=イ×6=ア×6
→ ア=15cm2
アは正六角形の面積の1/18、
三角形ABCは正六角形の面積の1/36
ですから、
15cm2÷2=7.5cm2が答えです。
近年は新傾向として
「正八角形の問題」が出題されることもありますから、
定番問題である正六角形の問題は
必ず正解できるようになっておきたいところです。
正六角形の「均等分割」「延長」は、
両方とも使いこなせるようになっておきましょう。