速さ 2014-01
第200回 「小5の学習 速さ」
今回はなんと、第200回です。
毎週更新ですからブログをスタートさせて
200週=1400日=約3.8年
になりました。
(植木算を厳密に適用すれば199週ですが…)
そこで今回は、
「この切りの良い回数にふさわしい内容」ということで、
5年生で学習する「速さ」について考えたいと思います。
速さの単元で学ぶ内容には、
(1)速さの3公式(例:速さ×時間=距離)
(2)速さの特殊算(例:旅人算)
(3)速さの整理方法(例:ダイヤグラム)
(4)速さと比
(5)速さの特別な解法(例:N回目の出会い)
の5つがあります。
おおむね、関東の大手進学塾は(1)~(3)まで、
関西の大手進学塾は(1)~(4)までを、
5年生の通常授業のカリキュラムに入れています。
ただし、「最高レベル特訓」などのオプション講座を受講すると、
(1)~(5)のすべてを学習することができますし、
通常の授業でもクラスや担当する先生によっては
カリキュラム以上のことを学ぶ機会があります。
速さの単元で学ぶ(1)~(5)の内容のうち、
(1)は速さの問題を解くうえでのすべての基本、
(3)は条件整理のツールですから、
この2つをマスターしないで速さの問題を解くことは
かなり厳しいと言えます。
計算単元でいえば「九九」のようなものです。
さらに速さの問題は、
(2)の知識だけで解ける問題、
(2)と(4)の知識を組み合わせることで解ける問題、
(2)(4)(5)をすべて使って解く問題
の3つに分類することができます。
実はこの3つの分類が問題の難度そのものでもあるのです。
具体例で考えてみます。
【問題1】
太郎くんと次郎くんはAからBに向かって、花子さんはBからAに向かって同時に進み始めると、太郎くんと花子さんが出会ってから2分後に、次郎くんと花子さんが出会いました。3人の進む速さはそれぞれ、太郎くんが分速140m、次郎くんが分速60m、花子さんが分速100mです。AB間の距離は何mですか。
旅人算を習うときに必ずと言って良いくらい取り扱われる問題です。
この問題を(1)(3)の基本と、(2)の知識だけで解くと以下のようになります。
(60m/分+100m/分)×2分=320m
…太郎と花子が出会った地点から次郎までの距離
この距離は太郎と次郎の「隔たり」ですから、
320m÷(140m/分-60m/分)=4分
… 太郎と花子が出会うまでの時間
(140m/分+100m/分)×4分=960m
1つの距離に2つの意味
(「次郎と花子が2分で出合う距離」=「太郎と次郎に□分で生じた隔たり」)
があることを「線分図から読み取る」練習ができ、
(2)の知識を鍛えるのに最適な問題です。
この同じ問題を(2)と(4)の知識を組み合わせて解くと次のようになります。
3人が出発して太郎と花子が出会うまでの3人の動きなので、
「時間が同じとき、速さの比=距離の比」を使うことができます。
ですから、
⑦-③=320m → ⑦+⑤=⑫=320m×3=960m
と求められます。
速さの特殊算と線分図だけを使った解き方は、
特殊算の使い方や線分図の書き方・読み取り方を鍛えてくれます。
そこでつけた力に「比」を加えると、
同じ問題をより素早く正解することができるということです。
もう1問、みてみましょう。
【問題2】
東西にのびる道路上に2つの地点P、Qがあります。PQ間は2000mです。AとCはPからQへ、BはQからPに向かって同時に出発します。Aは毎分60m、Bは毎分40m、Cは毎分210mの速さで進むとき、CがAとBの真ん中になるのは、出発してから何分後ですか。
速さの特殊算と線分図だけで解くとすると、
上の図から、
例えば
「出発してから□分後のAとCの隔たり=BとCが出合うまでの残りの距離」
と読み取れますので、
(210m/分-60m/分)×□分=2000m-(40m/分+210m/分)×□分
→ 150×□=2000-250×□
→ □=2000÷400=5(分後)とわかります。
しかし、気づけるかどうかわかりませんし、計算も面倒です。
ここに「比」の考えを加えてみると…
ア=⑮=イなので、
⑥+⑮×2+④=2000m
→ ①=50m
⑥=300m 300m÷60m/分=5分後
のように、非常に簡単に解くことができます。
【問題1】は(2)の知識だけで解ける問題ですから、
(2)と(4)の知識を組み合わせると素早く解くことができる「初級レベルの問題」
といえ、
【問題2】は(2)の知識だけでは厳しく、
(2)と(4)を使って解く「中級レベルの問題」
といえるのです。
入試問題では、
「初級」「中級」「上級」さらに「超上級」
の4つのレベルの問題がありますから、
速さの単元で学ぶ5つの内容、
(1)速さの3公式(例:速さ×時間=距離)
(2)速さの特殊算(例:旅人算)
(3)速さの整理方法(例:ダイヤグラム)
(4)速さと比
(5)速さの特別な解法(例:N回目の出会い)
は、
まず(1)~(3)を学んだときに(2)(3)の力を高め、
(4)を学んだときにそれを十分に活かせる素地を作っておくことが
大切なのです。
どの塾に通っていても5年生は夏休み頃から速さを習い始めていると思います。
その復習テストや確認テストの解答過程を調べ、
「比」を学ぶ準備が十分かどうかを、
この「シルバー・ウィーク」期間中に確認しておきましょう。
今回はなんと、第200回です。
毎週更新ですからブログをスタートさせて
200週=1400日=約3.8年
になりました。
(植木算を厳密に適用すれば199週ですが…)
そこで今回は、
「この切りの良い回数にふさわしい内容」ということで、
5年生で学習する「速さ」について考えたいと思います。
速さの単元で学ぶ内容には、
(1)速さの3公式(例:速さ×時間=距離)
(2)速さの特殊算(例:旅人算)
(3)速さの整理方法(例:ダイヤグラム)
(4)速さと比
(5)速さの特別な解法(例:N回目の出会い)
の5つがあります。
おおむね、関東の大手進学塾は(1)~(3)まで、
関西の大手進学塾は(1)~(4)までを、
5年生の通常授業のカリキュラムに入れています。
ただし、「最高レベル特訓」などのオプション講座を受講すると、
(1)~(5)のすべてを学習することができますし、
通常の授業でもクラスや担当する先生によっては
カリキュラム以上のことを学ぶ機会があります。
速さの単元で学ぶ(1)~(5)の内容のうち、
(1)は速さの問題を解くうえでのすべての基本、
(3)は条件整理のツールですから、
この2つをマスターしないで速さの問題を解くことは
かなり厳しいと言えます。
計算単元でいえば「九九」のようなものです。
さらに速さの問題は、
(2)の知識だけで解ける問題、
(2)と(4)の知識を組み合わせることで解ける問題、
(2)(4)(5)をすべて使って解く問題
の3つに分類することができます。
実はこの3つの分類が問題の難度そのものでもあるのです。
具体例で考えてみます。
【問題1】
太郎くんと次郎くんはAからBに向かって、花子さんはBからAに向かって同時に進み始めると、太郎くんと花子さんが出会ってから2分後に、次郎くんと花子さんが出会いました。3人の進む速さはそれぞれ、太郎くんが分速140m、次郎くんが分速60m、花子さんが分速100mです。AB間の距離は何mですか。
旅人算を習うときに必ずと言って良いくらい取り扱われる問題です。
この問題を(1)(3)の基本と、(2)の知識だけで解くと以下のようになります。
(60m/分+100m/分)×2分=320m
…太郎と花子が出会った地点から次郎までの距離
この距離は太郎と次郎の「隔たり」ですから、
320m÷(140m/分-60m/分)=4分
… 太郎と花子が出会うまでの時間
(140m/分+100m/分)×4分=960m
1つの距離に2つの意味
(「次郎と花子が2分で出合う距離」=「太郎と次郎に□分で生じた隔たり」)
があることを「線分図から読み取る」練習ができ、
(2)の知識を鍛えるのに最適な問題です。
この同じ問題を(2)と(4)の知識を組み合わせて解くと次のようになります。
3人が出発して太郎と花子が出会うまでの3人の動きなので、
「時間が同じとき、速さの比=距離の比」を使うことができます。
ですから、
⑦-③=320m → ⑦+⑤=⑫=320m×3=960m
と求められます。
速さの特殊算と線分図だけを使った解き方は、
特殊算の使い方や線分図の書き方・読み取り方を鍛えてくれます。
そこでつけた力に「比」を加えると、
同じ問題をより素早く正解することができるということです。
もう1問、みてみましょう。
【問題2】
東西にのびる道路上に2つの地点P、Qがあります。PQ間は2000mです。AとCはPからQへ、BはQからPに向かって同時に出発します。Aは毎分60m、Bは毎分40m、Cは毎分210mの速さで進むとき、CがAとBの真ん中になるのは、出発してから何分後ですか。
速さの特殊算と線分図だけで解くとすると、
上の図から、
例えば
「出発してから□分後のAとCの隔たり=BとCが出合うまでの残りの距離」
と読み取れますので、
(210m/分-60m/分)×□分=2000m-(40m/分+210m/分)×□分
→ 150×□=2000-250×□
→ □=2000÷400=5(分後)とわかります。
しかし、気づけるかどうかわかりませんし、計算も面倒です。
ここに「比」の考えを加えてみると…
ア=⑮=イなので、
⑥+⑮×2+④=2000m
→ ①=50m
⑥=300m 300m÷60m/分=5分後
のように、非常に簡単に解くことができます。
【問題1】は(2)の知識だけで解ける問題ですから、
(2)と(4)の知識を組み合わせると素早く解くことができる「初級レベルの問題」
といえ、
【問題2】は(2)の知識だけでは厳しく、
(2)と(4)を使って解く「中級レベルの問題」
といえるのです。
入試問題では、
「初級」「中級」「上級」さらに「超上級」
の4つのレベルの問題がありますから、
速さの単元で学ぶ5つの内容、
(1)速さの3公式(例:速さ×時間=距離)
(2)速さの特殊算(例:旅人算)
(3)速さの整理方法(例:ダイヤグラム)
(4)速さと比
(5)速さの特別な解法(例:N回目の出会い)
は、
まず(1)~(3)を学んだときに(2)(3)の力を高め、
(4)を学んだときにそれを十分に活かせる素地を作っておくことが
大切なのです。
どの塾に通っていても5年生は夏休み頃から速さを習い始めていると思います。
その復習テストや確認テストの解答過程を調べ、
「比」を学ぶ準備が十分かどうかを、
この「シルバー・ウィーク」期間中に確認しておきましょう。