塾テスト研究 SAPIX・浜学園 4
第196回 「塾テスト研究 SAPIX 小4」2
前回は、最近ご相談メールが増えている4年生のテストについて考えてみました。
前回のブログでは、
首都圏大手進学塾SAPIXの8月のマンスリーも、
10月のオープンも、
出題単元自体に大きな違いはなく、
出題のレベルが「公式」で解く問題から「整理」して解く問題へと、
その中心が移っていることを確認しました。
ここでいう、
「公式」で解く問題とは、
答えをだすのに「公式をひとつだけ使えば」解ける問題のことで、
「整理」で解く問題とは、
どの公式とどの公式を使うかを「自分の頭で判断し、組み合わせ」て解く問題
のことでした。
今回も具体例を見ながら、
違いを明確にし、
さらにどのような学習や準備をすると、
「整理」で解く問題の正解を増やすことができるのかを
考えたいと思います。
ここでは4年生を例にとっていますが、
5年生にも通じる学習方法だと思います。
10月実力診断サピックスオープンより
大問1-(3) 162×3÷□÷□=6(ただし、□には同じ数が入ります)
「公式」問題だと、162×3÷□=6 という形で出題される問題です。
これですと、486÷□=6 → 486÷6=81 と簡単に答えを出せますね。
少し工夫をして解くと、
です。
工夫している点は2つあります。
ひとつは「162×3」を計算していないこと、
もうひとつは「わり算を分数」に直して約分を利用していることです。
このように「工夫して計算する」ことを家庭学習に取り入れていれば、
上記の問題も
となるので、
「162×3÷☆=6と同じだ!」(☆=□×□)と気づくことができたり、
「素因数分解の応用かぁ…」(下式)と気づくことができたりします。
この他に、162×3=6×□×□ といった考え方もできます。
いずれにしても、
家庭学習で逆算の問題を解くときに工夫を取り入れていれば、
このようにして、□=9 を答えることができます。
「計算を工夫して解く」は、
「整理」で解く問題を正解できる学習方法の大きな要素です。
大問1-(6) 右の図の9個の○の中に、1から9までの異なる整数を1つずつ入れます。たてに3個、横に3個、斜めに5個の、まっすぐに並んだ○の中の整数をそれぞれたすと、どの合計も等しくなりました。アに入れることのできる整数のうち、最も大きい整数を求めなさい。
「公式」問題だと、
「右の図の9つのマス目に1から9までの異なる整数をいれて、
たて、横、斜めの列の合計を、どの列も同じにします。
アに入る整数を求めなさい。」
のような問題になります。
いわゆる「魔方陣」です。
このたて3マス、横3マスの魔方陣には、
「中央数=中央の両隣にある数の平均」という「公式」がありますから、
右図のように1列の和は15とわかるので、ア=7が求められます。
しかし、
なぜ「中央数=中央の両隣にある数の平均」となるのかを学び、
理解していないと、
上記のような問題が解けずに困ることになります。
から、☆3つ分=1列分の和 となり、
☆=1列分の和÷3=3数の平均=中央の両隣にある数の平均 です。
そしてこの時、
同時に「1から9までの和÷3=1列の和」
という学習もします。
このようなことを理解していれば上記の問題でも、
「1から9までの整数の和=45」という「知識(公式)」と、
3列の和を計算すると9が全部で3回=2回重なりがあるという
「重なりの利用」という「知識(公式)」を
組み合わせれば良いことに気づけます。
{(1+2+…+8+9)+9+9)}÷3=21…たて3個の和=横3個の和=斜め5個の和
から、
右図のように書き込むことができ、
まだ使っていない数の中で最大の整数6が答えとなります。
このように
「公式が成り立つ理由」やその「周辺の要素」を
塾での学習や家庭学習で理解することも、
「整理」で解く問題を正解できる学習方法の大きな要素であるとわかります。
今回は、
どの公式とどの公式を使うかを「自分の頭で判断し、組み合わせ」て解く、
「整理」問題ができるようになるためには、
塾や家庭において、
① 計算を工夫して解く
② 公式が成り立つ理由やその周辺の要素を理解する
が必要であることを見てきました。
次回は、
最後にして最大のポイント、
「読み替え」
について考えてみたいと思います。
前回は、最近ご相談メールが増えている4年生のテストについて考えてみました。
前回のブログでは、
首都圏大手進学塾SAPIXの8月のマンスリーも、
10月のオープンも、
出題単元自体に大きな違いはなく、
出題のレベルが「公式」で解く問題から「整理」して解く問題へと、
その中心が移っていることを確認しました。
ここでいう、
「公式」で解く問題とは、
答えをだすのに「公式をひとつだけ使えば」解ける問題のことで、
「整理」で解く問題とは、
どの公式とどの公式を使うかを「自分の頭で判断し、組み合わせ」て解く問題
のことでした。
今回も具体例を見ながら、
違いを明確にし、
さらにどのような学習や準備をすると、
「整理」で解く問題の正解を増やすことができるのかを
考えたいと思います。
ここでは4年生を例にとっていますが、
5年生にも通じる学習方法だと思います。
10月実力診断サピックスオープンより
大問1-(3) 162×3÷□÷□=6(ただし、□には同じ数が入ります)
「公式」問題だと、162×3÷□=6 という形で出題される問題です。
これですと、486÷□=6 → 486÷6=81 と簡単に答えを出せますね。
少し工夫をして解くと、
です。
工夫している点は2つあります。
ひとつは「162×3」を計算していないこと、
もうひとつは「わり算を分数」に直して約分を利用していることです。
このように「工夫して計算する」ことを家庭学習に取り入れていれば、
上記の問題も
となるので、
「162×3÷☆=6と同じだ!」(☆=□×□)と気づくことができたり、
「素因数分解の応用かぁ…」(下式)と気づくことができたりします。
この他に、162×3=6×□×□ といった考え方もできます。
いずれにしても、
家庭学習で逆算の問題を解くときに工夫を取り入れていれば、
このようにして、□=9 を答えることができます。
「計算を工夫して解く」は、
「整理」で解く問題を正解できる学習方法の大きな要素です。
大問1-(6) 右の図の9個の○の中に、1から9までの異なる整数を1つずつ入れます。たてに3個、横に3個、斜めに5個の、まっすぐに並んだ○の中の整数をそれぞれたすと、どの合計も等しくなりました。アに入れることのできる整数のうち、最も大きい整数を求めなさい。
「公式」問題だと、
「右の図の9つのマス目に1から9までの異なる整数をいれて、
たて、横、斜めの列の合計を、どの列も同じにします。
アに入る整数を求めなさい。」
のような問題になります。
いわゆる「魔方陣」です。
このたて3マス、横3マスの魔方陣には、
「中央数=中央の両隣にある数の平均」という「公式」がありますから、
右図のように1列の和は15とわかるので、ア=7が求められます。
しかし、
なぜ「中央数=中央の両隣にある数の平均」となるのかを学び、
理解していないと、
上記のような問題が解けずに困ることになります。
から、☆3つ分=1列分の和 となり、
☆=1列分の和÷3=3数の平均=中央の両隣にある数の平均 です。
そしてこの時、
同時に「1から9までの和÷3=1列の和」
という学習もします。
このようなことを理解していれば上記の問題でも、
「1から9までの整数の和=45」という「知識(公式)」と、
3列の和を計算すると9が全部で3回=2回重なりがあるという
「重なりの利用」という「知識(公式)」を
組み合わせれば良いことに気づけます。
{(1+2+…+8+9)+9+9)}÷3=21…たて3個の和=横3個の和=斜め5個の和
から、
右図のように書き込むことができ、
まだ使っていない数の中で最大の整数6が答えとなります。
このように
「公式が成り立つ理由」やその「周辺の要素」を
塾での学習や家庭学習で理解することも、
「整理」で解く問題を正解できる学習方法の大きな要素であるとわかります。
今回は、
どの公式とどの公式を使うかを「自分の頭で判断し、組み合わせ」て解く、
「整理」問題ができるようになるためには、
塾や家庭において、
① 計算を工夫して解く
② 公式が成り立つ理由やその周辺の要素を理解する
が必要であることを見てきました。
次回は、
最後にして最大のポイント、
「読み替え」
について考えてみたいと思います。