2015年 中学受験対策 灘中 3
第184回 「灘中 2014年 1日目」3
「灘中 2014年 1日目」の問題研究の第3回です。
今回は問題用紙の2枚目からです。
(大問7は第166回のブログでご紹介しています。)
平面図形の問題は大問6からでした。
大問6は平易、大問7は難問でした。
順序からいくと次は解ける問題のはずですが…。
大問8
右の図の四角形ABCDは、ADとBCが平行な台形です。対角線AC、BDが交わる点をEとおき、辺BC上に点Fをとります。三角形AFEの面積が42cm2、三角形DECの面積が108cm2のとき、BFの長さとFCの長さの比を最も簡単な整数の比で表すと、(BFの長さ):(FCの長さ)= : になります。
問題文中には面積の条件しかありません。
それを図に表してみましょう。
この図を見ると、「面積比 → 辺の比」という解き方になりそうです。
面積比から辺の比を導き出すための条件は、
① 高さが等しい(または底辺が共通))
② 隣辺比(1組の角が等しい)
③ 相似比(2組の角が等しい)
のいずれかです。
問題図の色のついた三角形を見比べると、
②、③は可能性が低そうですから、①に狙いをつけてみましょう。
まだ使っていない大ヒントに気がつくと…
そうです! 四角形ABCDは台形でした!!
「台形」と「面積」を結びつけるとなると、「台形ペケポン」です。
上の図で、
「水色の三角形の面積は等しい」「白い三角形は相似」
という関係です。
いまは高さが等しい(または底辺が共通)を狙っていますから…
この図を見ると「底辺AEが共通」になっています!
見慣れた向きの方がいろいろなことに気づきいやすいので、
図を回転させてみます。
三角形AFE(赤);三角形ABE(青)=42cm2:108cm2=7:18 ですから、
高さの比も7:18=FC:BC です。 → BF:FC=11:7
面積比から辺の長さの比を求める条件が3パターンあることが整理できていれば、
方針が立ちやすい問題でしたから、正解したい問題です。
平面図形の問題の難易度を見てみると、
大問6…A、大問7…C、大問8…B ですから、
2問正解しておきたいところです。
ここから先は立体図形です。
大問9
右の図のような、斜線をつけた面とそれに向かい合う面が台形で、他の面が長方形である水そうが、水平な床の上に置かれています。この水そうを空にして、毎秒一定の量の水を注いでいきます。水を注ぎ始めてから4分後の水面の高さは20cm、また、水を注ぎ始めてから6分18秒後の水面の高さは30cmでした。水面の高さが60cmになるのは、水を注ぎ始めてから 分 後です。
水の問題は「正面から見た図を書く」のが基本です。
前から見た図は台形です。
台形で使う補助線は、
① 平行線(平行四辺形と三角形に分割)
② 垂線(長方形と直角三角形に分割)
③ 対角線(等高三角形に分割、台形ペケポン)
④ 延長線(相似形の完成)
です。
上の図には平行線がいくつもありますから、
「平行 → 相似」が有力そうです。
図から、
④+2□=4分間でたまる水
⑤+1□=2分間18秒でたまる水
が、わかります。
あとは消去算の計算だけです。
④+2□=4分間でたまる水
⑩+2□=4分間36秒でたまる水
⑥ =36秒間でたまる水
→ 27○の水がたまるのに2分42秒かかります。
また、1□=1分48秒でたまる水 なので、
3□の水がたまるのに5分24秒かかります。
ですから、6分18秒+2分42秒+5分24秒=14分24秒後が答えです。
過去問にも類題がありますから、この問題も正解しておきたい問題です。
灘中の図形問題は、
発想力によって解く問題よりも、
定番のどの解き方を、どのように組み合わせて解くかを問う問題の方が
多いように思います。
「当たり前のことが当たり前にできる」
灘中1日目の図形問題は、そんな基準で作問されている感じがします。
「灘中 2014年 1日目」の問題研究の第3回です。
今回は問題用紙の2枚目からです。
(大問7は第166回のブログでご紹介しています。)
平面図形の問題は大問6からでした。
大問6は平易、大問7は難問でした。
順序からいくと次は解ける問題のはずですが…。
大問8
右の図の四角形ABCDは、ADとBCが平行な台形です。対角線AC、BDが交わる点をEとおき、辺BC上に点Fをとります。三角形AFEの面積が42cm2、三角形DECの面積が108cm2のとき、BFの長さとFCの長さの比を最も簡単な整数の比で表すと、(BFの長さ):(FCの長さ)= : になります。
問題文中には面積の条件しかありません。
それを図に表してみましょう。
この図を見ると、「面積比 → 辺の比」という解き方になりそうです。
面積比から辺の比を導き出すための条件は、
① 高さが等しい(または底辺が共通))
② 隣辺比(1組の角が等しい)
③ 相似比(2組の角が等しい)
のいずれかです。
問題図の色のついた三角形を見比べると、
②、③は可能性が低そうですから、①に狙いをつけてみましょう。
まだ使っていない大ヒントに気がつくと…
そうです! 四角形ABCDは台形でした!!
「台形」と「面積」を結びつけるとなると、「台形ペケポン」です。
上の図で、
「水色の三角形の面積は等しい」「白い三角形は相似」
という関係です。
いまは高さが等しい(または底辺が共通)を狙っていますから…
この図を見ると「底辺AEが共通」になっています!
見慣れた向きの方がいろいろなことに気づきいやすいので、
図を回転させてみます。
三角形AFE(赤);三角形ABE(青)=42cm2:108cm2=7:18 ですから、
高さの比も7:18=FC:BC です。 → BF:FC=11:7
面積比から辺の長さの比を求める条件が3パターンあることが整理できていれば、
方針が立ちやすい問題でしたから、正解したい問題です。
平面図形の問題の難易度を見てみると、
大問6…A、大問7…C、大問8…B ですから、
2問正解しておきたいところです。
ここから先は立体図形です。
大問9
右の図のような、斜線をつけた面とそれに向かい合う面が台形で、他の面が長方形である水そうが、水平な床の上に置かれています。この水そうを空にして、毎秒一定の量の水を注いでいきます。水を注ぎ始めてから4分後の水面の高さは20cm、また、水を注ぎ始めてから6分18秒後の水面の高さは30cmでした。水面の高さが60cmになるのは、水を注ぎ始めてから 分 後です。
水の問題は「正面から見た図を書く」のが基本です。
前から見た図は台形です。
台形で使う補助線は、
① 平行線(平行四辺形と三角形に分割)
② 垂線(長方形と直角三角形に分割)
③ 対角線(等高三角形に分割、台形ペケポン)
④ 延長線(相似形の完成)
です。
上の図には平行線がいくつもありますから、
「平行 → 相似」が有力そうです。
図から、
④+2□=4分間でたまる水
⑤+1□=2分間18秒でたまる水
が、わかります。
あとは消去算の計算だけです。
④+2□=4分間でたまる水
⑩+2□=4分間36秒でたまる水
⑥ =36秒間でたまる水
→ 27○の水がたまるのに2分42秒かかります。
また、1□=1分48秒でたまる水 なので、
3□の水がたまるのに5分24秒かかります。
ですから、6分18秒+2分42秒+5分24秒=14分24秒後が答えです。
過去問にも類題がありますから、この問題も正解しておきたい問題です。
灘中の図形問題は、
発想力によって解く問題よりも、
定番のどの解き方を、どのように組み合わせて解くかを問う問題の方が
多いように思います。
「当たり前のことが当たり前にできる」
灘中1日目の図形問題は、そんな基準で作問されている感じがします。