『立体図形 上級レベルの学習ポイント』
第163回 2014年度入試直前 難関中研究 ~5~
入試過去問算数 2001-2010 早稲田中学校 早稲田実業学校中等部
[オンデマンド (ペーパーバック)]みくに出版
新年おめでとうございます。
今年も「中学受験算数を極める前田昌宏のブログ」をよろしくお願いいたします。
今年も三箇日が終わり、お子さんたちの勉強も再スタートといったところですね。
もっとも、受験生は
「大晦日から休みなく塾」
というケースもあったことでしょうから、
再スタートとはならないかもしれません。
なかでも岡山中学の受験者は今日が入試当日でしたし、
岡山白陵中学の受験者は明日が入試本番です。
これまでのすべてが出し尽くせることを陰ながら祈っています。
一方で大阪府、兵庫件、京都府、奈良県の中学が本命のお子さんは、
まだ2週間ありますから、
「本当に本当の最終チェック」に余念が無いことでしょう。
東京都や神奈川県の場合はほぼ1ヶ月ありますから、
もう一度、最後の「追い込み計画」を練り直すことも可能ですね。
このブログでも、冬休みの点検項目としてこれまでに、
「数の性質」「平面図形」を取りあげました。
そこで年明け第1回目のテーマは「立体図形」にしたいと思います。
近年みかける立体図形の問題の中で気になっている問題の一つが
「立体図形の復元 ~展開図から見取り図へ~」
というものです。
立体図形の復元といってまず頭に浮かぶのは、灘中の問題です。
平成7年 1日目の15番や平成22年 2日目の2番 などは、
個人的にお気に入り(?)です。
しかし立体図形の復元問題は、難関中であれば
どの中学でも出題の可能性があります。
そこで今回は、早稲田中学の入試問題から1問をご紹介します。
早稲田中学 平成20年度 大問2
〔2〕-(2) 図はある立体の展開図の一部です。この立体は4つの三角形で囲まれており、この立体の2つの面「あ」と「い」は垂直です。この立体の体積は何cm3ですか。
「何となく、こんな感じかな…?」
と思いながら、図を書くお子さんもいると思います。
言葉にはならないかもしれませんが、このようなお子さんの頭の中では、
問題文のある単語が引き金になっているのです。
まだどんな図かわからないお子さんは、その単語がどれかを探してみて下さいね。
答えは、「垂直」です。
「立体の体積を求めなさい」という問題ですから、
「底面積×高さ」や「底面積×高さ÷3」という計算をするはずです。
この「底面」と「高さ」の関係は垂直で、
問題文に面「あ」と面「い」は垂直と書かれていますから、
面「あ」や面「い」のどちらかを底面にすればいいんだ…とわかるのです。
ですから、まずは
のように書くことができます。
この図から、次の見取り図はすぐですね。
底面を「あ」とすればその面積は、4×3÷2=6(cm2)ですから、
残りはこの立体の高さ(面「い」の赤い点線)を求めればOKとわかります。
ここでものを言うのが、次の「基本レベルの定番問題」です。
上の図で台形ABCDの面積を求める問題を練習したことがありますね?
台形の高さと三角形EBCの高さ(底辺はBC)が同じですから、
10cm×□cm÷2=8cm×6cm÷2
□=4.8cm という求め方がありました。
も同じように、面「い」について、
5cm×□cm÷2=8cm×4cm÷2 ですから、
□=6.4cm(面「い」の赤い点線) です。
求める立体は三角すいですから、
6cm2×6.4cm÷3=12.8cm3が求める体積です。
灘中の問題でもそうですが、
展開図やその一部から見取り図を考える問題では、
問題文中の「垂直」や展開図中の「直角マーク」を
見落とさないようにすることが大切です。
ふだんの練習でも、
「何となくこんな感じの立体かな…?」
という図を書いたあとでもかまいませんから、
問題の展開図や問題文を見ながら、
自分が書いた図に「直角マーク」や長さが等しい辺に印を書くなどして、
確認作業が意識的に行えると、
初見の問題を解くときでもきっとうまくいくと思います。
「展開図 → 見取り図(復元問題)」のポイント
★ 問題文中の「垂直」と展開図中の「直角マーク」
★ 等しい長さの辺
入試過去問算数 2001-2010 早稲田中学校 早稲田実業学校中等部
[オンデマンド (ペーパーバック)]みくに出版
新年おめでとうございます。
今年も「中学受験算数を極める前田昌宏のブログ」をよろしくお願いいたします。
今年も三箇日が終わり、お子さんたちの勉強も再スタートといったところですね。
もっとも、受験生は
「大晦日から休みなく塾」
というケースもあったことでしょうから、
再スタートとはならないかもしれません。
なかでも岡山中学の受験者は今日が入試当日でしたし、
岡山白陵中学の受験者は明日が入試本番です。
これまでのすべてが出し尽くせることを陰ながら祈っています。
一方で大阪府、兵庫件、京都府、奈良県の中学が本命のお子さんは、
まだ2週間ありますから、
「本当に本当の最終チェック」に余念が無いことでしょう。
東京都や神奈川県の場合はほぼ1ヶ月ありますから、
もう一度、最後の「追い込み計画」を練り直すことも可能ですね。
このブログでも、冬休みの点検項目としてこれまでに、
「数の性質」「平面図形」を取りあげました。
そこで年明け第1回目のテーマは「立体図形」にしたいと思います。
近年みかける立体図形の問題の中で気になっている問題の一つが
「立体図形の復元 ~展開図から見取り図へ~」
というものです。
立体図形の復元といってまず頭に浮かぶのは、灘中の問題です。
平成7年 1日目の15番や平成22年 2日目の2番 などは、
個人的にお気に入り(?)です。
しかし立体図形の復元問題は、難関中であれば
どの中学でも出題の可能性があります。
そこで今回は、早稲田中学の入試問題から1問をご紹介します。
早稲田中学 平成20年度 大問2
〔2〕-(2) 図はある立体の展開図の一部です。この立体は4つの三角形で囲まれており、この立体の2つの面「あ」と「い」は垂直です。この立体の体積は何cm3ですか。
「何となく、こんな感じかな…?」
と思いながら、図を書くお子さんもいると思います。
言葉にはならないかもしれませんが、このようなお子さんの頭の中では、
問題文のある単語が引き金になっているのです。
まだどんな図かわからないお子さんは、その単語がどれかを探してみて下さいね。
答えは、「垂直」です。
「立体の体積を求めなさい」という問題ですから、
「底面積×高さ」や「底面積×高さ÷3」という計算をするはずです。
この「底面」と「高さ」の関係は垂直で、
問題文に面「あ」と面「い」は垂直と書かれていますから、
面「あ」や面「い」のどちらかを底面にすればいいんだ…とわかるのです。
ですから、まずは
のように書くことができます。
この図から、次の見取り図はすぐですね。
底面を「あ」とすればその面積は、4×3÷2=6(cm2)ですから、
残りはこの立体の高さ(面「い」の赤い点線)を求めればOKとわかります。
ここでものを言うのが、次の「基本レベルの定番問題」です。
上の図で台形ABCDの面積を求める問題を練習したことがありますね?
台形の高さと三角形EBCの高さ(底辺はBC)が同じですから、
10cm×□cm÷2=8cm×6cm÷2
□=4.8cm という求め方がありました。
も同じように、面「い」について、
5cm×□cm÷2=8cm×4cm÷2 ですから、
□=6.4cm(面「い」の赤い点線) です。
求める立体は三角すいですから、
6cm2×6.4cm÷3=12.8cm3が求める体積です。
灘中の問題でもそうですが、
展開図やその一部から見取り図を考える問題では、
問題文中の「垂直」や展開図中の「直角マーク」を
見落とさないようにすることが大切です。
ふだんの練習でも、
「何となくこんな感じの立体かな…?」
という図を書いたあとでもかまいませんから、
問題の展開図や問題文を見ながら、
自分が書いた図に「直角マーク」や長さが等しい辺に印を書くなどして、
確認作業が意識的に行えると、
初見の問題を解くときでもきっとうまくいくと思います。
「展開図 → 見取り図(復元問題)」のポイント
★ 問題文中の「垂直」と展開図中の「直角マーク」
★ 等しい長さの辺