『図形の回転移動の学習ポイント』
第150回 入試の定番問題を攻略しよう ~3~
「麻布中学校 26年度用―中学過去問シリーズ (10年間スーパー過去問)」 声の教育社
「定番の問題を全部正解して合格基準点に近づく!」というテーマでお話をしています。
麻布中学のようにオリジナリティの高い問題を多く出題する学校を受験する場合、
受験までに準備した力が上手く発揮できない問題も出題される可能性があります。
そのような試験で、もし定番の問題を落としてしまうと
合格基準点に届かないことが十分に予想されます。
このように定番の問題が正解できることは、
オリジナリティの高い問題を出題する量に関係なく、
入試で安定して得点を取れるようになるために重要な要素です。
そこで今回も2014年入試に向けて、
「ちょっと難しいけれどこれは正解しないと…」という定番の問題をご紹介します。
5年生には少し難しいかもしれませんが、チャレンジしてみてください。
今回は「合い言葉」のチェックになっています。
2013年 麻布中学 入試問題より
[2]半径が3cmの円の周上に点Aがあります。点Aを中心として、この円を30°回転させてできる円が図のようにあります。斜線部の面積を求めなさい。
過去に、他の学校の入試問題で
「円を円周上の点を中心にして回転させる問題」が出題されたときは、
この麻布中学と同じような問題文に下のような図が与えられたものでした。
つまり、「問題文を読んで、自分で図を書いて解く」問題だったのです。
お子さんにこの状態で問題を提示したとき、
麻布中学の問題図と同じ図が「フリーハンドで書けた」ときは
大いに褒めてあげて良いと思います。
理由は3つあります。
1.円を円周上の点を中心に回転させるという問題の意味が正しくつかめていること
2.円をフリーハンドで上手く書けるということ
3.完成した図が線対称図形になることが意識できていること
注:点Aとその向かいの交点を結んだ直線が、線対称の軸になります。
5年生の場合は、この3点のうち1つでもクリアしていれば、とても素晴らしいと思います。
さて、話を本題に戻しましょう。
過去に出題された時はこのように自分で図を書くことまで求められていたのですが、
類似問題が出題されるようになり、定番となった今は、
「こんな問題の練習はしていますよね?
オリジナル問題ばかりでは大変でしょうから、少しサービスしておきましょう。」
(と出題者が考えているかどうかは不明ですが…)
といった感じに変わってきています。
ですから、受験生である6年生にはぜひ正解して欲しい問題です。
平面図形の学習ポイントで「合い言葉を覚える」を以前にご紹介しました。
この問題は「円」の「回転」ですから、もちろん「円問題」です。
円問題の合い言葉は…?
そうですね、「円の中心と結ぶ(補助線は半径)」でした。
早速、書いてみましょう。
ここまでくれば、
「中心どうしを結ぶ」または「四角形は三角形に分割」の
どちらかの「合い言葉」にも気づけます。
点Pを中心とする中心角150°のおうぎ形と点Qを中心とする中心角150°のおうぎ形が
「重なっている」ことがわかりますので、
「重なりは引く」ですから…
という解き方になることがわかります。
30°の三角形の面積は垂線を補助線とする方法や、
塾によっては「30度をはさむ辺の積÷4」で習っていると思います。
3cm×3cm×3.14×150/360×2-3cm×3cm÷4×2=19.05cm2
定番の問題は「合い言葉」を覚えたり、思い出したりする良問でもあります。
解き方の手順を覚えるのではなく、
「円の問題だから…」「四角形は…」のように、
問題を解きほぐす過程でキーとなる「合い言葉」を思い出していくような練習ができると、
そのことが「応用問題」や「オリジナリティの高い問題」を解く力に昇華していくと思います。
ですから、難問だけでなく
「定番の問題」の演習にも十分な時間をかけることができるといいですね。
「麻布中学校 26年度用―中学過去問シリーズ (10年間スーパー過去問)」 声の教育社
「定番の問題を全部正解して合格基準点に近づく!」というテーマでお話をしています。
麻布中学のようにオリジナリティの高い問題を多く出題する学校を受験する場合、
受験までに準備した力が上手く発揮できない問題も出題される可能性があります。
そのような試験で、もし定番の問題を落としてしまうと
合格基準点に届かないことが十分に予想されます。
このように定番の問題が正解できることは、
オリジナリティの高い問題を出題する量に関係なく、
入試で安定して得点を取れるようになるために重要な要素です。
そこで今回も2014年入試に向けて、
「ちょっと難しいけれどこれは正解しないと…」という定番の問題をご紹介します。
5年生には少し難しいかもしれませんが、チャレンジしてみてください。
今回は「合い言葉」のチェックになっています。
2013年 麻布中学 入試問題より
[2]半径が3cmの円の周上に点Aがあります。点Aを中心として、この円を30°回転させてできる円が図のようにあります。斜線部の面積を求めなさい。
過去に、他の学校の入試問題で
「円を円周上の点を中心にして回転させる問題」が出題されたときは、
この麻布中学と同じような問題文に下のような図が与えられたものでした。
つまり、「問題文を読んで、自分で図を書いて解く」問題だったのです。
お子さんにこの状態で問題を提示したとき、
麻布中学の問題図と同じ図が「フリーハンドで書けた」ときは
大いに褒めてあげて良いと思います。
理由は3つあります。
1.円を円周上の点を中心に回転させるという問題の意味が正しくつかめていること
2.円をフリーハンドで上手く書けるということ
3.完成した図が線対称図形になることが意識できていること
注:点Aとその向かいの交点を結んだ直線が、線対称の軸になります。
5年生の場合は、この3点のうち1つでもクリアしていれば、とても素晴らしいと思います。
さて、話を本題に戻しましょう。
過去に出題された時はこのように自分で図を書くことまで求められていたのですが、
類似問題が出題されるようになり、定番となった今は、
「こんな問題の練習はしていますよね?
オリジナル問題ばかりでは大変でしょうから、少しサービスしておきましょう。」
(と出題者が考えているかどうかは不明ですが…)
といった感じに変わってきています。
ですから、受験生である6年生にはぜひ正解して欲しい問題です。
平面図形の学習ポイントで「合い言葉を覚える」を以前にご紹介しました。
この問題は「円」の「回転」ですから、もちろん「円問題」です。
円問題の合い言葉は…?
そうですね、「円の中心と結ぶ(補助線は半径)」でした。
早速、書いてみましょう。
ここまでくれば、
「中心どうしを結ぶ」または「四角形は三角形に分割」の
どちらかの「合い言葉」にも気づけます。
点Pを中心とする中心角150°のおうぎ形と点Qを中心とする中心角150°のおうぎ形が
「重なっている」ことがわかりますので、
「重なりは引く」ですから…
という解き方になることがわかります。
30°の三角形の面積は垂線を補助線とする方法や、
塾によっては「30度をはさむ辺の積÷4」で習っていると思います。
3cm×3cm×3.14×150/360×2-3cm×3cm÷4×2=19.05cm2
定番の問題は「合い言葉」を覚えたり、思い出したりする良問でもあります。
解き方の手順を覚えるのではなく、
「円の問題だから…」「四角形は…」のように、
問題を解きほぐす過程でキーとなる「合い言葉」を思い出していくような練習ができると、
そのことが「応用問題」や「オリジナリティの高い問題」を解く力に昇華していくと思います。
ですから、難問だけでなく
「定番の問題」の演習にも十分な時間をかけることができるといいですね。