受験の天王山 夏編 ~立体図形の切断 その1~
稲穂!
お元気ですか?
イネです。
このイネの隣の田は晩稲(おくて)が植えてあり青々とした葉が目に鮮やかでしたが、
早稲(わせ)はこんな感じでもう実り始めています。
ところで、晩稲といわれる収穫期が遅い稲のひとつに酒米(酒造好適米)があります。
日本酒を醸すのに適したお米のことです。
この酒米の最高峰に「山田錦」という品種がありまが、
このお米、食用米や他の酒米と比べて粒が大きく、
そのためお米の中心にある心白がずば抜けて大きいのが
日本酒の醸造に最適とされる理由です。
お米の粒を「切断」して、その断面を見ると心白の大きさがよくわかります。
酒米には日本酒の原材料としての役割、
食用米には健康的な和食の食材として、それぞれ大切な役割を担ってます。
今年も豊作であることを願ってやみません。
豊年や稲の穂がくれ雀鳴く 子規
というわけで、今回のテーマは「立体図形の切断 ~その1~」です。
2004年度の桜蔭中の入試問題をご紹介します。
桜蔭中は女子中ですが、かなり難度の高い切断問題です。
ですから今回は5年生には少し難しいかもしれませんが、挑戦してみませんか。
【問題】
1辺1cmの立方体を125個積み上げた、1辺5cmの大きな立方体があり、この立方体の表面に色をつけました。ここから、色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞきました。残った立体をA,B,Cの頂点を通る平面で切断したとき、切断された2つの部分の体積比を求めなさい。
「色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞき」という部分から、
「立方体のくりぬき問題だ!」とわかったお子さんは、よく練習していると思います。
着色問題で、色をぬられた面の数によってその立方体がどこにあるかを確認しておきましょう。
これらのことから、
「色のついていない立方体」は、どの方向から見ても見えない立方体のことですから、
内部にある3cm×3cm×3cmの立方体のことです。
また、「1面にしか色のついていない立方体」は、
大きな立方体の6つの面に9個ずつあることがわかります。
つまり、次の図のような立体を取りのぞくということになります。
ですから、残った立体図形は下の図のようになります。
この立体図形をA、B、Cで切断します。
この図形のように「穴」があいている立体図形の切断では、「穴がないもの」として切断しましょう。
「立方体や直方体のような美しい立体」の状態で切断するのが、複合図形の切断のコツです!
このようになりましたが、よく見ると2つの図形はまだくっついていてますね。
そこで頂点Bのところを拡大して考えてみましょう。
青色の立方体に着目すると、次の図のような切断線が見えてきます。
すると、緑色の立方体にも切断線が入っていることになりますね!
ということは、次のような図になるということです。
これらのことから、この問題の切断は次の図のようになることがわかりました。
この切断によってできる手前側の立体図形についてみてみると…。
青色の立方体のうち、三角すいが手前側の立体に残ります。
緑色の立方体では、逆に三角すいを奥側の立体に渡すことになります。
ですから、青色と緑色でちょうど立方体1個分です。
また、赤色の立体は、丸々無傷で残ります。
したがって手前側の立体は、小さい立方体10個分です。
色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞいた立体図形には、
125-(3×3×3+3×3×1×6)=44個 の小さい立方体がありますので
切断された奥側の立体には、44-10=34個分の立方体があることになります。
問題では大小の順番は指定されていませんから、小さいほうから書けば答えは5:17となります。
この解答方法以外にも、
「大きな立方体を切断し、そこからくりぬいた立体を切断して引く」という方法でもOKです。
ただ、いずれの場合も「切断の3原則」を覚えていないとうまくいきません。
○同じ面の2点を結ぶ
○向かい合う面の切断線は平行になる(投影図で考えましょう!)
○切断線を延長する
この3原則と立方体の代表的な切断パターン(例:正三角形、正六角形)を覚えて使えるようにすることは、
難関中を目指す受験生には必須といえるでしょう。
さあ、もうすぐ9月!
いよいよ本格的な志望校別の学習もスタートします。
夏休み、残されたこの1週間で夏期講習で見つかった弱点を補強し、9月の学習に備えましょう。
お元気ですか?
イネです。
このイネの隣の田は晩稲(おくて)が植えてあり青々とした葉が目に鮮やかでしたが、
早稲(わせ)はこんな感じでもう実り始めています。
ところで、晩稲といわれる収穫期が遅い稲のひとつに酒米(酒造好適米)があります。
日本酒を醸すのに適したお米のことです。
この酒米の最高峰に「山田錦」という品種がありまが、
このお米、食用米や他の酒米と比べて粒が大きく、
そのためお米の中心にある心白がずば抜けて大きいのが
日本酒の醸造に最適とされる理由です。
お米の粒を「切断」して、その断面を見ると心白の大きさがよくわかります。
酒米には日本酒の原材料としての役割、
食用米には健康的な和食の食材として、それぞれ大切な役割を担ってます。
今年も豊作であることを願ってやみません。
豊年や稲の穂がくれ雀鳴く 子規
というわけで、今回のテーマは「立体図形の切断 ~その1~」です。
2004年度の桜蔭中の入試問題をご紹介します。
桜蔭中は女子中ですが、かなり難度の高い切断問題です。
ですから今回は5年生には少し難しいかもしれませんが、挑戦してみませんか。
【問題】
1辺1cmの立方体を125個積み上げた、1辺5cmの大きな立方体があり、この立方体の表面に色をつけました。ここから、色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞきました。残った立体をA,B,Cの頂点を通る平面で切断したとき、切断された2つの部分の体積比を求めなさい。
「色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞき」という部分から、
「立方体のくりぬき問題だ!」とわかったお子さんは、よく練習していると思います。
着色問題で、色をぬられた面の数によってその立方体がどこにあるかを確認しておきましょう。
これらのことから、
「色のついていない立方体」は、どの方向から見ても見えない立方体のことですから、
内部にある3cm×3cm×3cmの立方体のことです。
また、「1面にしか色のついていない立方体」は、
大きな立方体の6つの面に9個ずつあることがわかります。
つまり、次の図のような立体を取りのぞくということになります。
ですから、残った立体図形は下の図のようになります。
この立体図形をA、B、Cで切断します。
この図形のように「穴」があいている立体図形の切断では、「穴がないもの」として切断しましょう。
「立方体や直方体のような美しい立体」の状態で切断するのが、複合図形の切断のコツです!
このようになりましたが、よく見ると2つの図形はまだくっついていてますね。
そこで頂点Bのところを拡大して考えてみましょう。
青色の立方体に着目すると、次の図のような切断線が見えてきます。
すると、緑色の立方体にも切断線が入っていることになりますね!
ということは、次のような図になるということです。
これらのことから、この問題の切断は次の図のようになることがわかりました。
この切断によってできる手前側の立体図形についてみてみると…。
青色の立方体のうち、三角すいが手前側の立体に残ります。
緑色の立方体では、逆に三角すいを奥側の立体に渡すことになります。
ですから、青色と緑色でちょうど立方体1個分です。
また、赤色の立体は、丸々無傷で残ります。
したがって手前側の立体は、小さい立方体10個分です。
色のついていない立方体と、1面にしか色のついていない立方体をすべて取りのぞいた立体図形には、
125-(3×3×3+3×3×1×6)=44個 の小さい立方体がありますので
切断された奥側の立体には、44-10=34個分の立方体があることになります。
問題では大小の順番は指定されていませんから、小さいほうから書けば答えは5:17となります。
この解答方法以外にも、
「大きな立方体を切断し、そこからくりぬいた立体を切断して引く」という方法でもOKです。
ただ、いずれの場合も「切断の3原則」を覚えていないとうまくいきません。
○同じ面の2点を結ぶ
○向かい合う面の切断線は平行になる(投影図で考えましょう!)
○切断線を延長する
この3原則と立方体の代表的な切断パターン(例:正三角形、正六角形)を覚えて使えるようにすることは、
難関中を目指す受験生には必須といえるでしょう。
さあ、もうすぐ9月!
いよいよ本格的な志望校別の学習もスタートします。
夏休み、残されたこの1週間で夏期講習で見つかった弱点を補強し、9月の学習に備えましょう。