入試問題編 ~作図~
紫陽花!
お元気ですか?
アジサイです。
紫陽花や薮を小庭の別座舗 芭蕉
アジサイは、日本のガクアジサイを鑑賞用に品種改良したもので、
昔から日本人に親しまれてきた花です。
今ではヨーロッパ等から逆輸入されたものも多く、
「セイヨウアジサイ」と呼ばれるものもあります。
そんなアジサイの花の色は七変化。
その理由は土壌のせい(酸性だと青色、アルカリ性だと赤色)とも、
遺伝的なものだとも言われています。
アジサイの名の由来は「集真藍(あづさあい)」、藍い色の花が集まった花だそうです。
雨の多い日本では、大気中の二酸化炭素が雨に溶けた弱酸性の土壌ですから、
「土の加減で色が変わる」という説の方がステキな気がします。
もっとも、アジサイは一般の作物にとって有害な土壌中のアルミニウムを無毒化する植物で、
酸性の土壌ではアルミニウムが溶け出してアジサイに吸収され青い花が咲き、
アルカリ性の土壌ではアルミニウムが溶け出さないので赤い花が咲く、という化学的な説明もあります。
さてそんなアジサイですが、花びらのように見えるのはガクだということは有名ですね。
しかし、そのガクのおかげで「大輪の花」のようにみえます。
まるで、正多角形に対角線をかいたようにも見えます?
ということで、今日のテーマは「正多角形」です。
今日ご紹介するのは、男子御三家、麻布中 平成22年度の入試問題です。
今回は作図をテーマとする平面図形ですから、
正五角形や正六角形といった図形を知っているお子さんならば、
誰でも挑戦ができますよ。
算数の入試問題は、「教科書の範囲」が大原則です。
こんな幾何学模様って、教科書の表紙や挿入された図にありますよね。
こんなものも入試問題の題材なんです。
【問題】
正十二角形について次の問いに答えなさい。
(1)対角線の本数を求めなさい。
(2)どの辺も図の点線上にある正十二角形を、すべて図中に太線で書きこみなさい。
(1)は高学年ならば「対角線の総本数の公式」を習っていますから、サービス問題です。
ちゃんと公式を思い出せましたか?
□角形の対角線の総本数=(□-3)×□÷2 でしたね。
これを使えば、(12-3)×12÷2=54本 と求められます。
まだ習っていない低学年でも、正解する方法はありますよ!
図を書いて順に調べてみましょう。
うーん、八角形までくると、図が込み入っていて大変ですね?
そこで、調べた結果を表にしてみると…
「本数の増え方」に特徴がありますね。
ということは、
八角形は、14+6=20本
九角形は、20+7=27本
十角形は、27+8=35本
十一角形は、35+9=44本
十二角形は、44+10=54本 とわかります。
図形にはいろいろな規則性が隠されていますから、
公式を忘れたとき、公式を覚えるときには、
「図を書いて表に整理する → 規則を発見」という勉強もしてみましょう!
(2)は、「すべて書きこみなさい」という指示ですから、書くしかありませんが、
いきなりはちょっと大変ですね。
そこで、(1)のときと同じように、順に調べてみましょう。
なんとなく、規則が見えてきましたね?
(0、0)、(1、1)、(2,2)、(3、3)、(4、4)となりそうですから、
正十二角形の場合は、4つの図形がかけそうです。
実は、これには理由があるんです。
正八角形を例にとって考えてみましょう。
左の図では、辺ABはもとの正八角形の辺イと平行な対角線アの一部です。
もとの図形の辺と平行な対角線は全部で8本ありますから、正八角形が1つできるんです。
右の図では、辺CDはもとの正八角形の頂点Pの両どなりの頂点を結ぶ対角線ウの一部です。
このような対角線は全部で8本ありますから、ここでも正八角形が1つできて、
あわせて2つできるわけです。
正十二角形の場合は、どうでしょうか。
もとの正十二角形の辺と平行な対角線は、の2つのパターンがありますから、
2つの正十二角形ができます。
また、頂点をとばしてかく対角線も、1つとばしと3つとばしの2パターンありますから、
さきほどとあわせて、合計4つの正十二角形がかけるんです。
図形には規則がたくさんあります。
それを利用した「図形の規則性」という問題も多くありますから、
今回のような作図問題も、ただ答えを書くだけでなく、
「なぜかな?」と考えてみると、ほかの問題を解くときに役に立つかもしれませんね。
6月も半ばを過ぎ、そんなふうにじっくりと問題に取り組めるチャンスも少なくなってきましたが、
機会を見つけて取り組んでみてください。
そして受験生の夏休みは、塾の宿題をこなすだけで大丈夫という状態になっておきましょう!
お元気ですか?
アジサイです。
紫陽花や薮を小庭の別座舗 芭蕉
アジサイは、日本のガクアジサイを鑑賞用に品種改良したもので、
昔から日本人に親しまれてきた花です。
今ではヨーロッパ等から逆輸入されたものも多く、
「セイヨウアジサイ」と呼ばれるものもあります。
そんなアジサイの花の色は七変化。
その理由は土壌のせい(酸性だと青色、アルカリ性だと赤色)とも、
遺伝的なものだとも言われています。
アジサイの名の由来は「集真藍(あづさあい)」、藍い色の花が集まった花だそうです。
雨の多い日本では、大気中の二酸化炭素が雨に溶けた弱酸性の土壌ですから、
「土の加減で色が変わる」という説の方がステキな気がします。
もっとも、アジサイは一般の作物にとって有害な土壌中のアルミニウムを無毒化する植物で、
酸性の土壌ではアルミニウムが溶け出してアジサイに吸収され青い花が咲き、
アルカリ性の土壌ではアルミニウムが溶け出さないので赤い花が咲く、という化学的な説明もあります。
さてそんなアジサイですが、花びらのように見えるのはガクだということは有名ですね。
しかし、そのガクのおかげで「大輪の花」のようにみえます。
まるで、正多角形に対角線をかいたようにも見えます?
ということで、今日のテーマは「正多角形」です。
今日ご紹介するのは、男子御三家、麻布中 平成22年度の入試問題です。
今回は作図をテーマとする平面図形ですから、
正五角形や正六角形といった図形を知っているお子さんならば、
誰でも挑戦ができますよ。
算数の入試問題は、「教科書の範囲」が大原則です。
こんな幾何学模様って、教科書の表紙や挿入された図にありますよね。
こんなものも入試問題の題材なんです。
【問題】
正十二角形について次の問いに答えなさい。
(1)対角線の本数を求めなさい。
(2)どの辺も図の点線上にある正十二角形を、すべて図中に太線で書きこみなさい。
(1)は高学年ならば「対角線の総本数の公式」を習っていますから、サービス問題です。
ちゃんと公式を思い出せましたか?
□角形の対角線の総本数=(□-3)×□÷2 でしたね。
これを使えば、(12-3)×12÷2=54本 と求められます。
まだ習っていない低学年でも、正解する方法はありますよ!
図を書いて順に調べてみましょう。
うーん、八角形までくると、図が込み入っていて大変ですね?
そこで、調べた結果を表にしてみると…
「本数の増え方」に特徴がありますね。
ということは、
八角形は、14+6=20本
九角形は、20+7=27本
十角形は、27+8=35本
十一角形は、35+9=44本
十二角形は、44+10=54本 とわかります。
図形にはいろいろな規則性が隠されていますから、
公式を忘れたとき、公式を覚えるときには、
「図を書いて表に整理する → 規則を発見」という勉強もしてみましょう!
(2)は、「すべて書きこみなさい」という指示ですから、書くしかありませんが、
いきなりはちょっと大変ですね。
そこで、(1)のときと同じように、順に調べてみましょう。
なんとなく、規則が見えてきましたね?
(0、0)、(1、1)、(2,2)、(3、3)、(4、4)となりそうですから、
正十二角形の場合は、4つの図形がかけそうです。
実は、これには理由があるんです。
正八角形を例にとって考えてみましょう。
左の図では、辺ABはもとの正八角形の辺イと平行な対角線アの一部です。
もとの図形の辺と平行な対角線は全部で8本ありますから、正八角形が1つできるんです。
右の図では、辺CDはもとの正八角形の頂点Pの両どなりの頂点を結ぶ対角線ウの一部です。
このような対角線は全部で8本ありますから、ここでも正八角形が1つできて、
あわせて2つできるわけです。
正十二角形の場合は、どうでしょうか。
もとの正十二角形の辺と平行な対角線は、の2つのパターンがありますから、
2つの正十二角形ができます。
また、頂点をとばしてかく対角線も、1つとばしと3つとばしの2パターンありますから、
さきほどとあわせて、合計4つの正十二角形がかけるんです。
図形には規則がたくさんあります。
それを利用した「図形の規則性」という問題も多くありますから、
今回のような作図問題も、ただ答えを書くだけでなく、
「なぜかな?」と考えてみると、ほかの問題を解くときに役に立つかもしれませんね。
6月も半ばを過ぎ、そんなふうにじっくりと問題に取り組めるチャンスも少なくなってきましたが、
機会を見つけて取り組んでみてください。
そして受験生の夏休みは、塾の宿題をこなすだけで大丈夫という状態になっておきましょう!