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今年の1題 その10 ~女子学院中~

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中学入試の算数問題 2012年04月07日21時57分
cherry blossoms!


お元気ですか?

ついにやってきました、桜の季節!

この淡いピンク色の花に街がつつまれると、心の中まで暖かさを感じます。

三分咲きだったとはいえ、
先日の春の「大嵐」にも花が吹き飛ばされることなかったのは、
春の息吹の力強さでしょう。

若木にも、古木にも、花が咲き誇っています。

桜の花が咲けば「入学式」ですね。

花の下を歩く、女子校生がテレビでも流れます。

ということで、今回も強引な展開からご紹介するのは女子最難関中のひとつ、
女子学院中の2012年入試問題です!

明治3年に設立された「A六番女学校」に発する伝統校で、
麹町駅と半蔵門駅の中間点、江戸城のすぐそばにあります。

「A六番」という名称は、学校のおかれた「築地居留地六番区」からきているんですね。

さてそんな伝統校であり、最難関中の入試問題ですが、
それでも新6年生ならば、十分チャレンジできます。

5年生での学習内容が、本当に中学入試にとって重要だとわかります。

【問題】
集会所に長いベンチと短いベンチと丸いすが全部で58個あります。
長いベンチに5人ずつ、短いベンチに3人ずつ、丸いすに1人ずつ座ると150人が座れます。
長いベンチに6人ずつ、短いベンチに4人ずつ、丸いすに1人ずつ座ると182人が座れます。
長いベンチは□個、短いベンチは□個、丸いすは□個あります。

「長いすの問題」といえば、「差集め算」や「過不足算」を頭に思い浮かべますよね?
では、「差集め算」や「過不足算」の整理方法を使ってみましょう。
   


と、ここまでくると「丸いすの個数」がわかりましたね?

いすは全部で58個ありましたから、58-32=26(個) が、丸いすの個数です。

ということは、


いすの個数の和=32個

とわかります。

このように「丸いす」を除いた図にすると、

⑤+3=124人
⑥+4=156人

という消去算でも、

「5人がけのベンチと3人がけのベンチが32個で124人が座れます。」という、つるかめ算でも解けます。

消去算で解くと、
たとえば、ちがいから ①+=32
これを3倍して ③+=96
⑤+=124 と比べて、②=28 → ①=14 …長いベンチの個数
32-14=18(個)→短いベンチの個数

つるかめ算で解くと、
(5×32-124)÷(5-3)=18(個)→短いベンチの個数
32-18=14(個)→長いベンチの個数

となり、長いベンチ14個、短いベンチ18個、丸いす26個 が求められます。

解法自体は本当に5年生レベルですね?

ポイントは、「はじめの整理」です。

これがあったから
、「ちがいをみる → 丸いすの個数がわかる」という思考をスタートさせることができ、
3つあった変数のうちの1つがとれたことで
平易な問題になったのです。

もしこの問題に手こずるようでしたら、
①整理はできたか? 
②消去算またはつるかめ算が定着しているか? 
の2点から確認をしましょう。


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中学入試の算数問題 2012年04月07日21時57分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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