今年の「2題!?」
かぶった?!
2012年度の入試問題からです。
【洛南中の2012年度の問題】
1から100までの番号がついた箱がひとつずつあります。これらの箱に次の順にボールを入れていきます。
1の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
2の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
3の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
4の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
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99の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
100の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
このとき次の問いに答えなさい。
(1) ボールがちょうど2個入っている箱のうち、番号が小さいほうから5番目の箱の番号は何ですか。
(2) ボールの個数が奇数になっている箱は何個ありますか。
【東大寺中の2012年度の問題】
一方の面が白、もう一方の面が赤のカード100枚の両面にそれぞれ1から100までの数字が書かれています。ただし、どのカードもその両面には同じ数字が書かれているとします。すべてのカードの白の面を上に向けて並べてから、次の〔1〕~〔100〕の作業を行います。
〔1〕 1の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔2〕 2の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔3〕 3の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
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〔4〕 98の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔5〕 99の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔6〕 100の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
(1) 3回裏返されたカードに書かれている数字をすべて答えなさい。
(2) 赤の面が上を向いているカードは全部で何枚ありますか。
(3) 4回裏返されたカードに書かれている数字のうち、小さいほうから4番目の数字を答えなさい。
お元気ですか。
今日は2012年度の関西の入試から、同じテーマの問題が出されていたので紹介しています。
今回も5年生のお子さんにはちょっと難しい問題かもしれませんが、
問題集に載っている問題の類題ですから、練習していれば解けるかもしれませんよ。
ところで問題集には次のような問題が載っていることがありますね?
1993年の灘中の2日目の2番の問題です。
【問題】
表には1から50までの整数をかき,裏には何もかいていないカードがつぎのように並べられている。
[1][2][3][4][5][6][7][8]・・・・・・[47][48][49][50]
まず,左から2番目ごとにカードを裏返し,さらに左 から3番目ごとにカードを裏返すとつぎのようになる。
[1]□□□[5][6][7]□‥‥‥[47][48][49]□
[6]や[48]などのカードは2回裏返されたので表となっている。 同じように,さらに4番目ごと,5番目ごと,・・・・・・,25 番目ごとに裏返してこの操作を終わる。つぎの問いに答えよ。
(1)4番目ごとにカードを裏返し終わったときには,表向きのカードは何枚になっているか。
(2)すべての操作が終わったとき,つぎの問いに答えよ。
(ア) [16]のカードは何回裏返されたか。
(イ) (ア)と同じ回数だけ裏返されたカードにかいてある 整数で16以外のものをすべてかけ。
どうですか?
3題とも、約数に着目する問題ですね。
必要な知識は次の通りです。
①約数の個数が2個の整数は素数。
②約数の個数が3個の整数は素数を2乗した数。
③約数の個数が奇数この整数は平方数。
④ある整数を素因数分解して、(a×a×…×a)×(b×b×…×b)×…のようになったとき、
約数の個数=(aの個数+1)×(bの個数+1)×… で求められる。
では早速、解いてみましょう。
洛南中の問題の場合。
(1)「ボールが2個=約数が2個」なので、素数を調べます。
素数は小さい順に、2、3、5、7、11、13… なので、答えは11です。
(2)「ボールが奇数個=約数が奇数個」なので、平方数が答えです。
平方数は小さい順に、1、4、9、16、… 、100 なので、答えは10個です。
東大寺中の問題の場合。
(1)「3回裏返す=約数が3個」なので、素数を2乗した数を調べます。
答えは小さい順に、4、9、25、49です。
(2)「赤の面が上を向いている=約数が奇数個」なので、平方数が答えです。
平方数は小さい順に、1、4、9、16、… 、100 なので、答えは10枚です。
(3)「4回裏返す=約数が4個」なので、素数を3乗した数と(素数)×(素数)を調べます。
素数を3乗した100以下の数は、2×2×2=8、3×3×3=27 だけです。
(素数)×(素数)は、2×3=6、2×5=10、2×7=14、…、3×5=15、3×7=21、…ですから、
小さいほうから順に、6、8、10、14、15、… なので、答えは14です。
扱われている「素材」はボールであったり、カードであったりしていますが、考え方は同じですね?
それでは灘中の過去問をみてみましょう。
(1) 2の倍数、3の倍数、4の倍数が裏返されます。そこで最小公倍数の12まで調べて、
表を向いているカード=1回も裏返されなかったカードと2回裏返されたカードを求めます。
12枚のうち表を向いているのは、1、4、5、6、7、8、11 の7枚なので
50÷12=4あまり2
7×4+1=29(枚) が答えです。
(2)-(ア)
「16」の約数は、1、2、4、8、16 ですが、「1の倍数」は裏返していないので、
「1」以外の4回裏返されます。
(2)-(イ)
「25」以下のカードは、「約数の個数-1」回裏返されるので、
まず「約数が5個の25以下の整数」を調べますが、
約数が5個ある整数は、2×2×2×2=16 だけです。(これを答えないよう、問題文に指示がありますね。)
「25」より大きいカードは、「約数の個数-2」回裏返されるので、
まず「約数が6個の26以上の整数」を調べます。
約数が6個ある整数は、a×a×a×a×a と a×a×b の形になる整数だけです。
2×2×2×2×2=32
2×2×7=28、2×2×11=44、3×3×2=18、3×3×5=45、5×5×2=50
があてはまりますので、
答えは28、32、44、45、50 です。
1993年のこの出題以降、この「約数の利用」問題は、しばしば入試に登場します。
(これ以前にも出題があったのかもしれませんが…。)
このような問題は「知らなければ解けない問題」ですし、
「知っていれば一瞬で解ける問題」です。
言い換えると「差がつく問題」なんです。
過去問演習を充分にして、その本質を理解した受験生は、
やはり入試においては有利といえそうです。
2012年度の入試問題からです。
【洛南中の2012年度の問題】
1から100までの番号がついた箱がひとつずつあります。これらの箱に次の順にボールを入れていきます。
1の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
2の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
3の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
4の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
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99の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
100の倍数の番号の箱に1個ずつ入れます。
このとき次の問いに答えなさい。
(1) ボールがちょうど2個入っている箱のうち、番号が小さいほうから5番目の箱の番号は何ですか。
(2) ボールの個数が奇数になっている箱は何個ありますか。
【東大寺中の2012年度の問題】
一方の面が白、もう一方の面が赤のカード100枚の両面にそれぞれ1から100までの数字が書かれています。ただし、どのカードもその両面には同じ数字が書かれているとします。すべてのカードの白の面を上に向けて並べてから、次の〔1〕~〔100〕の作業を行います。
〔1〕 1の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔2〕 2の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔3〕 3の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
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〔4〕 98の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔5〕 99の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
〔6〕 100の倍数の数字が書かれたカードをすべて裏返す。
(1) 3回裏返されたカードに書かれている数字をすべて答えなさい。
(2) 赤の面が上を向いているカードは全部で何枚ありますか。
(3) 4回裏返されたカードに書かれている数字のうち、小さいほうから4番目の数字を答えなさい。
お元気ですか。
今日は2012年度の関西の入試から、同じテーマの問題が出されていたので紹介しています。
今回も5年生のお子さんにはちょっと難しい問題かもしれませんが、
問題集に載っている問題の類題ですから、練習していれば解けるかもしれませんよ。
ところで問題集には次のような問題が載っていることがありますね?
1993年の灘中の2日目の2番の問題です。
【問題】
表には1から50までの整数をかき,裏には何もかいていないカードがつぎのように並べられている。
[1][2][3][4][5][6][7][8]・・・・・・[47][48][49][50]
まず,左から2番目ごとにカードを裏返し,さらに左 から3番目ごとにカードを裏返すとつぎのようになる。
[1]□□□[5][6][7]□‥‥‥[47][48][49]□
[6]や[48]などのカードは2回裏返されたので表となっている。 同じように,さらに4番目ごと,5番目ごと,・・・・・・,25 番目ごとに裏返してこの操作を終わる。つぎの問いに答えよ。
(1)4番目ごとにカードを裏返し終わったときには,表向きのカードは何枚になっているか。
(2)すべての操作が終わったとき,つぎの問いに答えよ。
(ア) [16]のカードは何回裏返されたか。
(イ) (ア)と同じ回数だけ裏返されたカードにかいてある 整数で16以外のものをすべてかけ。
どうですか?
3題とも、約数に着目する問題ですね。
必要な知識は次の通りです。
①約数の個数が2個の整数は素数。
②約数の個数が3個の整数は素数を2乗した数。
③約数の個数が奇数この整数は平方数。
④ある整数を素因数分解して、(a×a×…×a)×(b×b×…×b)×…のようになったとき、
約数の個数=(aの個数+1)×(bの個数+1)×… で求められる。
では早速、解いてみましょう。
洛南中の問題の場合。
(1)「ボールが2個=約数が2個」なので、素数を調べます。
素数は小さい順に、2、3、5、7、11、13… なので、答えは11です。
(2)「ボールが奇数個=約数が奇数個」なので、平方数が答えです。
平方数は小さい順に、1、4、9、16、… 、100 なので、答えは10個です。
東大寺中の問題の場合。
(1)「3回裏返す=約数が3個」なので、素数を2乗した数を調べます。
答えは小さい順に、4、9、25、49です。
(2)「赤の面が上を向いている=約数が奇数個」なので、平方数が答えです。
平方数は小さい順に、1、4、9、16、… 、100 なので、答えは10枚です。
(3)「4回裏返す=約数が4個」なので、素数を3乗した数と(素数)×(素数)を調べます。
素数を3乗した100以下の数は、2×2×2=8、3×3×3=27 だけです。
(素数)×(素数)は、2×3=6、2×5=10、2×7=14、…、3×5=15、3×7=21、…ですから、
小さいほうから順に、6、8、10、14、15、… なので、答えは14です。
扱われている「素材」はボールであったり、カードであったりしていますが、考え方は同じですね?
それでは灘中の過去問をみてみましょう。
(1) 2の倍数、3の倍数、4の倍数が裏返されます。そこで最小公倍数の12まで調べて、
表を向いているカード=1回も裏返されなかったカードと2回裏返されたカードを求めます。
12枚のうち表を向いているのは、1、4、5、6、7、8、11 の7枚なので
50÷12=4あまり2
7×4+1=29(枚) が答えです。
(2)-(ア)
「16」の約数は、1、2、4、8、16 ですが、「1の倍数」は裏返していないので、
「1」以外の4回裏返されます。
(2)-(イ)
「25」以下のカードは、「約数の個数-1」回裏返されるので、
まず「約数が5個の25以下の整数」を調べますが、
約数が5個ある整数は、2×2×2×2=16 だけです。(これを答えないよう、問題文に指示がありますね。)
「25」より大きいカードは、「約数の個数-2」回裏返されるので、
まず「約数が6個の26以上の整数」を調べます。
約数が6個ある整数は、a×a×a×a×a と a×a×b の形になる整数だけです。
2×2×2×2×2=32
2×2×7=28、2×2×11=44、3×3×2=18、3×3×5=45、5×5×2=50
があてはまりますので、
答えは28、32、44、45、50 です。
1993年のこの出題以降、この「約数の利用」問題は、しばしば入試に登場します。
(これ以前にも出題があったのかもしれませんが…。)
このような問題は「知らなければ解けない問題」ですし、
「知っていれば一瞬で解ける問題」です。
言い換えると「差がつく問題」なんです。
過去問演習を充分にして、その本質を理解した受験生は、
やはり入試においては有利といえそうです。