速さ その8 ~線分図のかき方(その1) 本当にミス?~
紫式部!
お元気ですか。
晩秋になれば草木も冬に備えはじめ、彩りが寂しくなります。
そんな中、夏に花を咲かせていたムラサキシキブの実が陽に照らされて、
わずかではありますが、明るさを添えてくれます。
さて今日は速さの8回目として、「線分図のかき方」を話題にしたいと思います。
書いた線分図が使えるお子さんと使えないお子さんの差はどこにあるのでしょうか?
【問題】
太郎くんは家から学校までをいつもは分速60mで歩いていきます。今日も同じ時刻に家を出ましたが、音楽会の練習があるのを思い出し、分速80mで小走りでいくといつもより5分早く着きました。太郎くんの家から学校までは何mありますか。
実は「線分図」自体は、この問題が解けるお子さんも解けないお子さんも大差がありません。
だいたい、次のような線分図になります。
この線分図を使うことができるAくんは、
この線分図から例えば次のような思考の流れになります。
(※別解もあります。)
① この2本の線分図で共通しているのは…、距離だ!
② ということは、速さの比(3:4)の逆比が時間の比(④:③)だから…。
③ そうか、時間の差の5分が①にあたるんだ!
④ だから分速60mで行った場合、5分×4=20分かかるので…。
⑤ 60m/分×20分=1200m が答えだ。
では、この線分図が使えないお子さんの場合はどうでしょう。
ひとつの失敗例がBくんのケースです。
① 速さの比は3:4だから…。
② そうか、距離の比も③:④だ。
③ かかる時間の差が5分だから…、①=5分だな。
④ ということは③は15分だから、60m/分×15分=900m が答えだ。
はた目にはたいした差がないようですが、AくんとBくんでは大きな違いがあります。
実はBくんには3つの失敗があるんです。
1.「速さ、時間、距離」について、「共通なものはないか?」を検討しなかったこと。
2.距離の比③:④の差の①が時間の差5分に等しいと考えたこと。
3.速さの遅い(60m/分)のほうが、短い時間(15分)で進んだことに疑問を持たなかったこと。
Bくんは間違い直しのときに、
「③と④を逆にしなかったから間違ったんだ。ちょっとしたミスや!」
というかもしれませんね。
でも、本当は「速さの解き方」を完全に理解できていないことがわかります。
また、線分図本来の意味もつかめていないようです。
Aくんのように速さについての理解が十分にできている場合は、
このような線分図の使い方もOKなんですが、
Bくんや「怪しい」お子さんの場合は、
本来の線分図の書き方と使い方をまず覚えたほうがいいでしょうね。
次回は、そんな「本来の線分図の書き方と使い方」についてふれてみようと思います。
お元気ですか。
晩秋になれば草木も冬に備えはじめ、彩りが寂しくなります。
そんな中、夏に花を咲かせていたムラサキシキブの実が陽に照らされて、
わずかではありますが、明るさを添えてくれます。
さて今日は速さの8回目として、「線分図のかき方」を話題にしたいと思います。
書いた線分図が使えるお子さんと使えないお子さんの差はどこにあるのでしょうか?
【問題】
太郎くんは家から学校までをいつもは分速60mで歩いていきます。今日も同じ時刻に家を出ましたが、音楽会の練習があるのを思い出し、分速80mで小走りでいくといつもより5分早く着きました。太郎くんの家から学校までは何mありますか。
実は「線分図」自体は、この問題が解けるお子さんも解けないお子さんも大差がありません。
だいたい、次のような線分図になります。
この線分図を使うことができるAくんは、
この線分図から例えば次のような思考の流れになります。
(※別解もあります。)
① この2本の線分図で共通しているのは…、距離だ!
② ということは、速さの比(3:4)の逆比が時間の比(④:③)だから…。
③ そうか、時間の差の5分が①にあたるんだ!
④ だから分速60mで行った場合、5分×4=20分かかるので…。
⑤ 60m/分×20分=1200m が答えだ。
では、この線分図が使えないお子さんの場合はどうでしょう。
ひとつの失敗例がBくんのケースです。
① 速さの比は3:4だから…。
② そうか、距離の比も③:④だ。
③ かかる時間の差が5分だから…、①=5分だな。
④ ということは③は15分だから、60m/分×15分=900m が答えだ。
はた目にはたいした差がないようですが、AくんとBくんでは大きな違いがあります。
実はBくんには3つの失敗があるんです。
1.「速さ、時間、距離」について、「共通なものはないか?」を検討しなかったこと。
2.距離の比③:④の差の①が時間の差5分に等しいと考えたこと。
3.速さの遅い(60m/分)のほうが、短い時間(15分)で進んだことに疑問を持たなかったこと。
Bくんは間違い直しのときに、
「③と④を逆にしなかったから間違ったんだ。ちょっとしたミスや!」
というかもしれませんね。
でも、本当は「速さの解き方」を完全に理解できていないことがわかります。
また、線分図本来の意味もつかめていないようです。
Aくんのように速さについての理解が十分にできている場合は、
このような線分図の使い方もOKなんですが、
Bくんや「怪しい」お子さんの場合は、
本来の線分図の書き方と使い方をまず覚えたほうがいいでしょうね。
次回は、そんな「本来の線分図の書き方と使い方」についてふれてみようと思います。