「比と割合 その3」 ~最小公倍数解法が1に勝つ?~
アレチマツヨイグサ!
お元気ですか。
「荒地待宵草」が淡い黄色の花を咲かせています。
このなかまではオオマツヨイグサ(大待宵草)が理科でおなじみでしょうか?
オオマツヨイグサは名前の通り夕方から咲くのですが、
同じ「待つ宵」でもこのアレチマツヨイグサはなんと昼間っから花を咲かせます。
ちなみにこのマツヨイグサたち、名前を聞けば古風なんですが、
実は北アメリカからの帰化植物で、江戸時代ごろにやって来たそうです。
さて,今回は「比と割合」の3回目です。
前回は、「全体=1」でも、「全体=最小公倍数」でも、とっつき易さできめて!
と締めくくったのですが、今回は最小公倍数にやや有利な問題(!)を紹介します。
【問題】
太郎くんが一人ですると54日、次郎くんが一人ですると36日で終える仕事があります。この仕事を1日目は太郎くん、2日目は次郎くん、3日目は太郎くん…のように1日交代でしていきました。この仕事を最後にする人はだれですか。また、その人がした仕事の量の合計は、この仕事全体のうちのどれだけにあたりますか。
まず、仕事全体を1とするとき方をみていきましょう。
1÷54=1/54 …太郎くんの1日分の仕事
1÷36=1/36 …次郎くんの1日分の仕事
二人が1日交代で働くので、
1/54+1/36=5/108 …それぞれが1日ずつ働いたときの2日分の仕事
をくり返すので、
1÷5/108=108/108÷5/108=21あまり1/36 …A
となり、21回くり返すとあと1/36の仕事が残ります。
次に仕事をするのは太郎くんだから、
1/36-1/54=1/108
の仕事が残ります。
これをするのは次郎くんなので、次郎くんが働いた仕事は
1/36×21+1/108=16/27
答え 次郎くん 16/27 とわかります。
この解き方が出来るお子さんは、もう「割合のプロ!」です。
これまでどおりの学習を続けていても大丈夫ですね。
でも、解けなかったからといって「ダメだ~!」なんて思わないで下さい。
この問題、とっても難しいんです。
その中でも「A」の式がこの問題の最大の山場です。
無理やり割り切ろうとして、求めた21.6って…何?
ここで、5/108×0.6=1/36が出来るお子さんは「プロ~!」
きっと正解したはずです。
この「A」では、
「くり返し問題は、商(くり返しの回数)を整数で求め、あまりを出す。」
ということが理解出来ているかどうかがチェックできますね。
また分数で割りますから、「通分→分子の割り算」という計算テクニックも必要です。
このように、この問題を「仕事全体を1」で解くには、チョッとした技術が必要なんです。
では、「最小公倍数解法」ではどうなるのでしょうか?
仕事算の最小公倍数解法は、「仕事全体=仕事をする日数の最小公倍数」が基本ですね。
すると…
54日と36日の最小公倍数=108 …これが仕事全体です。
ついでに、「栗まんじゅう108個を食べるのが仕事」としちゃいましょう。
108個÷54日=2個 …太郎くんが1日に食べる栗まんじゅうの個数
108個÷36日=3個 …次郎くんが1日に食べる栗まんじゅうの個数
二人が1日交代で栗まんじゅうを食べるので、
2個+3個=5個 …それぞれが1日ずつ食べたときの2日分の栗まんじゅうの個数
をくり返すので、
108個÷5個=21回あまり3個
となり、21回くり返すとあと3個の栗まんじゅうが残ります。
次に栗まんじゅうを食べるのは太郎くんだから、
3個-2個=1個
の栗まんじゅうが残ります。
これを食べるのは次郎くんなので、次郎くんが食べた栗まんじゅうは全部で
3個×21+1個=64個
これが仕事全体のどれだけかを求めるので、
64個÷108個=16/27
です。
答え 次郎くん 16/27 とわかります。
このように、「最小公倍数解法」では計算が整数の範囲でできるので、
何を求めているのかに考えが集中できる分、正解しやすいように思います。
このことは、ニュートン算の応用問題を解くとき、より顕著になります。
「全体=1」解法のメリットは、問題を機械的に解くことが出来るという点で、
それは「万能包丁」のように、だれにでも使いやすい解き方です。
一方の「最小公倍数解法」は「柳刃(刺身包丁)」のように、
ある問題においては切れ味鋭く解けるという点が魅力です。
しかし、お台所には両方の包丁がそろえてあるように、
2つの解法を身につけて、問題に応じて使いこなせるのが最高だということは、言うまでもありませんね。
練習を積んで、両方の解法をマスターしましょう!
M.Y.くん,団扇のお手紙を有難う!
この場を借りて,お礼を言います。
お元気ですか。
「荒地待宵草」が淡い黄色の花を咲かせています。
このなかまではオオマツヨイグサ(大待宵草)が理科でおなじみでしょうか?
オオマツヨイグサは名前の通り夕方から咲くのですが、
同じ「待つ宵」でもこのアレチマツヨイグサはなんと昼間っから花を咲かせます。
ちなみにこのマツヨイグサたち、名前を聞けば古風なんですが、
実は北アメリカからの帰化植物で、江戸時代ごろにやって来たそうです。
さて,今回は「比と割合」の3回目です。
前回は、「全体=1」でも、「全体=最小公倍数」でも、とっつき易さできめて!
と締めくくったのですが、今回は最小公倍数にやや有利な問題(!)を紹介します。
【問題】
太郎くんが一人ですると54日、次郎くんが一人ですると36日で終える仕事があります。この仕事を1日目は太郎くん、2日目は次郎くん、3日目は太郎くん…のように1日交代でしていきました。この仕事を最後にする人はだれですか。また、その人がした仕事の量の合計は、この仕事全体のうちのどれだけにあたりますか。
まず、仕事全体を1とするとき方をみていきましょう。
1÷54=1/54 …太郎くんの1日分の仕事
1÷36=1/36 …次郎くんの1日分の仕事
二人が1日交代で働くので、
1/54+1/36=5/108 …それぞれが1日ずつ働いたときの2日分の仕事
をくり返すので、
1÷5/108=108/108÷5/108=21あまり1/36 …A
となり、21回くり返すとあと1/36の仕事が残ります。
次に仕事をするのは太郎くんだから、
1/36-1/54=1/108
の仕事が残ります。
これをするのは次郎くんなので、次郎くんが働いた仕事は
1/36×21+1/108=16/27
答え 次郎くん 16/27 とわかります。
この解き方が出来るお子さんは、もう「割合のプロ!」です。
これまでどおりの学習を続けていても大丈夫ですね。
でも、解けなかったからといって「ダメだ~!」なんて思わないで下さい。
この問題、とっても難しいんです。
その中でも「A」の式がこの問題の最大の山場です。
無理やり割り切ろうとして、求めた21.6って…何?
ここで、5/108×0.6=1/36が出来るお子さんは「プロ~!」
きっと正解したはずです。
この「A」では、
「くり返し問題は、商(くり返しの回数)を整数で求め、あまりを出す。」
ということが理解出来ているかどうかがチェックできますね。
また分数で割りますから、「通分→分子の割り算」という計算テクニックも必要です。
このように、この問題を「仕事全体を1」で解くには、チョッとした技術が必要なんです。
では、「最小公倍数解法」ではどうなるのでしょうか?
仕事算の最小公倍数解法は、「仕事全体=仕事をする日数の最小公倍数」が基本ですね。
すると…
54日と36日の最小公倍数=108 …これが仕事全体です。
ついでに、「栗まんじゅう108個を食べるのが仕事」としちゃいましょう。
108個÷54日=2個 …太郎くんが1日に食べる栗まんじゅうの個数
108個÷36日=3個 …次郎くんが1日に食べる栗まんじゅうの個数
二人が1日交代で栗まんじゅうを食べるので、
2個+3個=5個 …それぞれが1日ずつ食べたときの2日分の栗まんじゅうの個数
をくり返すので、
108個÷5個=21回あまり3個
となり、21回くり返すとあと3個の栗まんじゅうが残ります。
次に栗まんじゅうを食べるのは太郎くんだから、
3個-2個=1個
の栗まんじゅうが残ります。
これを食べるのは次郎くんなので、次郎くんが食べた栗まんじゅうは全部で
3個×21+1個=64個
これが仕事全体のどれだけかを求めるので、
64個÷108個=16/27
です。
答え 次郎くん 16/27 とわかります。
このように、「最小公倍数解法」では計算が整数の範囲でできるので、
何を求めているのかに考えが集中できる分、正解しやすいように思います。
このことは、ニュートン算の応用問題を解くとき、より顕著になります。
「全体=1」解法のメリットは、問題を機械的に解くことが出来るという点で、
それは「万能包丁」のように、だれにでも使いやすい解き方です。
一方の「最小公倍数解法」は「柳刃(刺身包丁)」のように、
ある問題においては切れ味鋭く解けるという点が魅力です。
しかし、お台所には両方の包丁がそろえてあるように、
2つの解法を身につけて、問題に応じて使いこなせるのが最高だということは、言うまでもありませんね。
練習を積んで、両方の解法をマスターしましょう!
M.Y.くん,団扇のお手紙を有難う!
この場を借りて,お礼を言います。