「比と割合 その2」
ニチニチソウ!
お元気ですか。
「日々草」が夏の日差しに負けず、次々と花を咲かせています。
マダガスカルやジャワが原産のこの花、暑さと乾燥には滅法強いんだそうです。
おかげでこの猛暑でも花壇を彩ってくれています。
実際にはひとつの花の命は2日ほどなんですが、
新しい花が次々と咲くので、ずーっと咲き続けているように見えます。
算数の勉強もこの花のように少しずつあっても毎日継続できるといいですね。
さて,今回は「比と割合」の2回目です。
まずは問題です。
【問題】
地球の表面は海洋と陸地に分けられます。海洋が地球の表面の7割をおおい、その60%が南半球にあるとするとき、北半球の陸地と海洋の比を求めましょう。
(注:北半球、南半球はそれぞれ地球の1/2とします。)
この問題でお子さんが困っているようでしたら、次のような線分図で考えてみましょう。
①(ア)、(イ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
②(ウ)、(エ)にあてはまる数を考えましょう。
③(オ)、(カ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
④(キ)、(ク)にあてはまる数を考えましょう。
南半球の海洋は海洋全体の60%ですから,0.7×0.6=0.42 です。
この線分図にもう一つの線分図をつけ加えます。
⑤(ケ)、(コ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
⑥(サ)、(シ)にあてはまる数を考えましょう。
⑦(ス)、(セ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
⑧(ソ)、(タ)にあてはまる数を考えましょう。
すると
となって,これで、北半球の陸地:北半球の海洋=0.22:0.28=11:14 が求められました。
ここでは「全体に当たる量を1とする」考え方を使いました。
この考え方の良さは、いったん「全体に当たる量=地球の表面 を1」と決めてしまうと、
あとは計算をするだけでOKという点です。
この問題の解説のように、問題文にそって順々に計算するだけで正解にたどり着けるんです。
この「計算をするだけ」というメリットは、残念ながら2つのデメリットも持っています。
一つは、数値がどんどんと小さくなっていくという点です。
小数点がついた数が出てくると、少しずつ計算が複雑になり、「ミス」をする危険性がでてくるんです。
ですから、計算力をつけておくことが、とても重要になるんです。
もう一つは、求めた数値が何だったかを見失いやすくなる点です。
算数が苦手な小学生は。答えが整数であると安心が出来るのですが、小数や分数になったとたん。
「これは何を求めたんだっけ…。」
自滅しがちです。
でも「線分図に整理する」力があれば、自滅を防ぐことが出来ます。
「比と割合」を習う前に、文章題の勉強などで線分図を学習しますから、
そのときに線分図に整理する力をつけておくといいですね。
線分図を学ぶとき、A+B=C の関係を、文章題を使って身につけましょう。
そうすればこの問題に用いた、
地球=陸地+海洋
地球=北半球+南半球
北半球=北半球の陸地+北半球の海洋
といったことが無理なく表せますよ。
では、もし、この問題を「最小公倍数」で解くとどうなるんでしょうか。
「海洋が地球の表面の7割」という文から、
海洋:地球=7:10
ということが分かります。
「その(=海洋の)60%が南半球にある」という文から、
海洋:南半球の海洋=5:3
とうことも分かります。
すると、
海洋:地球:南半球の海洋
7 : 10
5 : 3
35 : 50 : 21
↑
7と5の最小公倍数
となるので、
35-21=14 …北半球の海洋
50÷2=25 …北半球
25-14=11 …北半球の陸地
から、
北半球の陸地:北半球の海洋=11:14 が求められます。
この方法は、頭の中で
のような関係が思い浮かべやすくなっているので、混乱しにくいんですね。
しかし、この解き方が使えるようになるには、
「海洋が地球の表面の7割という文→海洋:地球=7:10」のように
「割合→比」という技術が必要です。
br /> また線分図と同様に、A+B=C の関係を身につけることがより大切です。
「全体に当たる量を1とする」という考え方は、「1さえ決めてしまえば、あとは計算一直線!」といった、
すこし方程式っぽい考え方なので,万人向けです。
「最小公倍数」を利用する考え方は、「文中の割合表現を選び出して比に置き換える」といった、
いかにも算数っぽい解き方なので,好き嫌いが分かれるかもしれません。
どちらが良いということはなく、
「どちらがしっくりくるか」で、解法を選択すればOKです。
ただ、大手進学塾ではどちらか一方しか学ばないことが多いようですね。
「比と割合」が苦手というお子さんは、
まず、自分が学んだ解法を十分に理解できているかどうかをチェックしましょう。
その上で、理解はできるけど「イマイチ使いにくい」という場合は、もう一つの解法を教わってみて下さいね。
お元気ですか。
「日々草」が夏の日差しに負けず、次々と花を咲かせています。
マダガスカルやジャワが原産のこの花、暑さと乾燥には滅法強いんだそうです。
おかげでこの猛暑でも花壇を彩ってくれています。
実際にはひとつの花の命は2日ほどなんですが、
新しい花が次々と咲くので、ずーっと咲き続けているように見えます。
算数の勉強もこの花のように少しずつあっても毎日継続できるといいですね。
さて,今回は「比と割合」の2回目です。
まずは問題です。
【問題】
地球の表面は海洋と陸地に分けられます。海洋が地球の表面の7割をおおい、その60%が南半球にあるとするとき、北半球の陸地と海洋の比を求めましょう。
(注:北半球、南半球はそれぞれ地球の1/2とします。)
この問題でお子さんが困っているようでしたら、次のような線分図で考えてみましょう。
①(ア)、(イ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
②(ウ)、(エ)にあてはまる数を考えましょう。
③(オ)、(カ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
④(キ)、(ク)にあてはまる数を考えましょう。
南半球の海洋は海洋全体の60%ですから,0.7×0.6=0.42 です。
この線分図にもう一つの線分図をつけ加えます。
⑤(ケ)、(コ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
⑥(サ)、(シ)にあてはまる数を考えましょう。
⑦(ス)、(セ)にあてはまる言葉を「問題文」より探しましょう。
⑧(ソ)、(タ)にあてはまる数を考えましょう。
すると
となって,これで、北半球の陸地:北半球の海洋=0.22:0.28=11:14 が求められました。
ここでは「全体に当たる量を1とする」考え方を使いました。
この考え方の良さは、いったん「全体に当たる量=地球の表面 を1」と決めてしまうと、
あとは計算をするだけでOKという点です。
この問題の解説のように、問題文にそって順々に計算するだけで正解にたどり着けるんです。
この「計算をするだけ」というメリットは、残念ながら2つのデメリットも持っています。
一つは、数値がどんどんと小さくなっていくという点です。
小数点がついた数が出てくると、少しずつ計算が複雑になり、「ミス」をする危険性がでてくるんです。
ですから、計算力をつけておくことが、とても重要になるんです。
もう一つは、求めた数値が何だったかを見失いやすくなる点です。
算数が苦手な小学生は。答えが整数であると安心が出来るのですが、小数や分数になったとたん。
「これは何を求めたんだっけ…。」
自滅しがちです。
でも「線分図に整理する」力があれば、自滅を防ぐことが出来ます。
「比と割合」を習う前に、文章題の勉強などで線分図を学習しますから、
そのときに線分図に整理する力をつけておくといいですね。
線分図を学ぶとき、A+B=C の関係を、文章題を使って身につけましょう。
そうすればこの問題に用いた、
地球=陸地+海洋
地球=北半球+南半球
北半球=北半球の陸地+北半球の海洋
といったことが無理なく表せますよ。
では、もし、この問題を「最小公倍数」で解くとどうなるんでしょうか。
「海洋が地球の表面の7割」という文から、
海洋:地球=7:10
ということが分かります。
「その(=海洋の)60%が南半球にある」という文から、
海洋:南半球の海洋=5:3
とうことも分かります。
すると、
海洋:地球:南半球の海洋
7 : 10
5 : 3
35 : 50 : 21
↑
7と5の最小公倍数
となるので、
35-21=14 …北半球の海洋
50÷2=25 …北半球
25-14=11 …北半球の陸地
から、
北半球の陸地:北半球の海洋=11:14 が求められます。
この方法は、頭の中で
のような関係が思い浮かべやすくなっているので、混乱しにくいんですね。
しかし、この解き方が使えるようになるには、
「海洋が地球の表面の7割という文→海洋:地球=7:10」のように
「割合→比」という技術が必要です。
br /> また線分図と同様に、A+B=C の関係を身につけることがより大切です。
「全体に当たる量を1とする」という考え方は、「1さえ決めてしまえば、あとは計算一直線!」といった、
すこし方程式っぽい考え方なので,万人向けです。
「最小公倍数」を利用する考え方は、「文中の割合表現を選び出して比に置き換える」といった、
いかにも算数っぽい解き方なので,好き嫌いが分かれるかもしれません。
どちらが良いということはなく、
「どちらがしっくりくるか」で、解法を選択すればOKです。
ただ、大手進学塾ではどちらか一方しか学ばないことが多いようですね。
「比と割合」が苦手というお子さんは、
まず、自分が学んだ解法を十分に理解できているかどうかをチェックしましょう。
その上で、理解はできるけど「イマイチ使いにくい」という場合は、もう一つの解法を教わってみて下さいね。