横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校
学校の特徴
文科省スーパーサイエンスハイスクールに指定される理数科の公立校で、中学校は2017年に開校。生徒ひとりひとりが「サイエンスの考え方」「豊かな社会性や人間性」「次世代を担うグローバルリーダーの素養」を身につけることを目指す。探究心を育むDEEP教育や、自然・社会科学を核とした課題型学習のサイエンススタディーズなど、特色ある教育を行う。50人を超える大学・大学院や企業の研究者等外部専門家のサポートを受けている。
学校概要
創立 | 2017年 |
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学校長 | 永瀬哲 |
所在地 | 横浜市鶴見区小野町6 |
アクセス | JR鶴見線「鶴見小野駅」徒歩3分 |
入試傾向
当校の適性検査には、高い思考力と表現(記述)力が欠かせない。
特別な予備知識は不要であるが、複数の資料を見比べながら必要な情報を正確に読み取り、まとめ、分析する能力が強く問われる。
さらに、分析した内容を踏まえて上で、見いだされた課題に向けどのような対策が考えられ、どのように実践可能かなど、論理的に整理・表現する力も問われる。
また、調査書の配点は合否判定の要素の25%と非常に高いので、小学校での試験、成績、生活に関しても気をつけて過ごしたい。
適性検査Ⅰ
45分100点満点。主に文系(国語・社会)分野。横浜市立南高等学校附属中学校と共通問題。
会話文の空欄にあてはまる国名、数字などを、資料を確認・分析して答える空所補充問題、文章や資料全体を通して要約する問題、それらから浮き彫りになった課題について深く思考し、設問内容に応じて記述する問題などがある。
文章は会話形式。複数の資料と照らし合わせ、内容を整理しながら読み進める。
まずこのスタイルに慣れていないと、読み終えた時点で頭の中に何も残らない。そうなると問題を解く際に再び全てを読み返す羽目になり、時間と手間の大きなロスになる。複数の資料を参照しながら文章を読み進めることが苦手な場合は、よく演習しておくと良い。
文章や資料の読み取り自体は平易だが、複数の資料と照らし合わせ、内容を整理しながら文章を読み進める作業や、要約・記述の内容的に、難易度はやや高めといえる。
適性検査Ⅱ
45分100点満点。主に理系(算数・理科)分野。
ジャンルとしては、特に立体図形、数の性質、理科の実験・観察に関するものが頻出で、過去には人体、日食、電気回路に関する出題も見られた。
適性検査Ⅱには、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校の掲げる「グローバルリーダーたるサイエンスエリートの育成」という教育目標が色濃く表れている。2019年より適正検査Ⅰは横浜市立南高等学校附属中学校と共通問題になったため、こちらが当校の真髄ともいえる。
公立中高一貫校の適正検査は基本的に資料が多いが、当校の適性検査Ⅱの資料の量はその中でも突出している。適性検査Ⅰ同様、会話文で扱われるテーマについて、複数の資料を同時に読み取りながら分析・整理するため、読解力はもちろん、高い情報処理能力が求められる。
また、適性検査Ⅰ同様、特別な予備知識は不要だが、小学校卒業程度の知識と学習内容の定着度は必要である。
文章で扱う内容は適性検査Ⅰとは大きく異なり、非常にレベルが高い。
多くの受検生は耳にしたこともないであろう内容も多く、過去にはペーパークロマトグラフィ、飛行機のしくみなども扱われた。
全て理解しながら読み進めなくてもひとまず読み進め、読み切る、という作業に慣れていない生徒は、途中から不安になったり、パニックになったりしかねないので、特に科学技術を扱った難解な文章を、歯が立たなくとも忍耐強く読み進み、読み切る練習を十分行っておくと良い。
当校で扱う文章は科学技術や先端科学の知識・知恵に対する強い好奇心を備えた生徒に向く類の内容なので、それらに関するニュースや読み物に多く触れ、科学への興味を育んでおくことも非常に効果的である。
※そもそも当校は「先端科学の知識・知恵を活用して、世界で幅広く活躍する人間の育成を目標」とした文部科学省認定 「スーパーサイエンスハイスクール (SSH)」であり、入学後は早期から先端科学技術の実験・研究が頻繁に行われます。もしも科学に強い苦手意識がある場合は、偏差値や学費の利点だけで志望校に据えることは避けておく方が良いでしょう。