中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

聖光学院中学校

偏差値
男子 70

学校の特徴

カトリックのミッションスクールで、難関大学への合格者を多数輩出している。校訓は「Be Gentlemen(紳士であれ)」で、完全中高一貫の男子校。体験的に学習する「聖光塾」、国際人感覚を養う「選択芸術講座」など外部からの講師を招き特色ある教育を行っている。2017年から5年間、文科省よりスーパーサイエンスハイスクールに認定。

学校概要

創立 昭和33年
学校長 工藤誠一
所在地 横浜市中区滝之上100番地
アクセス JR根岸線「山手駅」徒歩8分

入試概要

募集人数

一般入試 225名
帰国生 若干名

日程

一般 第一回 2021年2月2日
一般 第二回 2021年2月4日
帰国生 2021年1月9日

試験科目

一般 第一回 国語、算数、理科、社会
一般 第二回 国語、算数、理科、社会
帰国生 英語または国語、算数

面接や実技

一般 第一回 なし
一般 第二回 なし
帰国生 なし

試験時間

一般 第一回 国語60分、算数60分、理科40分、社会40分
一般 第二回 国語60分、算数60分、理科40分、社会40分
帰国生 英語または国語60分、算数60分

配点

一般 第一回 国語150点、算数150点、理科100点、社会100点
一般 第二回 国語150点、算数150点、理科100点、社会100点
帰国生 英語または国語100点、算数100点

入試傾向

高いレベルの知識が求められる。思考力や応用力も必要。全分野からまんべんなく出題される。全体的に問題量が多い傾向なので、スピード感と正確さが求められる。

国語

大問4問。構成は主に、大問1が漢字の書き取り、大問2が知識、大問3・4が論説文・小説となっている。読解の文章は合計9000文字程度で近年増加の傾向。

偏差値がトップランクの中学校には珍しく、形式は選択問題が中心。記述は例年3~4問で、字数は40~80文字程度。合格者平均は7割程度である。

国語の特徴は他に、選択問題の選択肢が他校に多いパターンである4つではなく、5つであること、その文章自体が非常に長いことが挙げられる。

また、麻布や桜蔭のように、設問を解き進めること自体がヒントになっていたり、それぞれの設問が深く関係していることも特徴である。このような形式では一つ解釈を間違うと数珠つなぎに減点・失点となる可能性が高いので要注意。

焦りから根拠もなく登場人物の感情や言動の理由を決めつけてはいけない。「自分ならこう」等の主観で判断してしまうことも厳禁。聖光学院に限ったことではないが、どんな時も冷静に、徹底的に文章の中に根拠を求め、論理的に解き進めること。

また、聖光学院の漢字・知識は、文章の内容から意味を推測し、漢字や語句を書かせるものである。漢字自体は易しいが、意味を推測する段階にはなかなかの手応えがある。早い段階から語彙力・読解力を十分に鍛えておこう。

わからない言葉はすぐに調べる、というのもひとつの学習方法であるが、このような問題への対応力は、知らない言葉があってもすぐに調べず、文脈から意味を推し量りつつ読むという訓練で鍛えることができる。問題形式は異なるが、聖光学院の読解・記述演習としては桜蔭・海城・麻布・鴎友学園女子の過去問も有効。

算数

大問5問。大問1は数の性質など一行問題に近いものが多く、やや解きやすい。全体の出題分野は「割合」「速さ」「図形」「時計算」など。思考力を必要とするものが多く、公式の丸暗記では対応できない。

出題ジャンルが広く、N進法、整数問題等も出題される。難易度の高い問題の解法パターンはどの分野もひととおり押さえておきたいが、特に立体図形はくせがあるものが多いので要注意。(複雑な立体図形が出題される傾向は偏差値の高い男子校によくみられる。) 平面図形は相似・面積比、速さは旅人算が頻出。

聖光学院の算数は高難度のため、受験者平均点と合格者平均点には大きな開きがある。算数が得意な場合は複雑な立体図形の問題で差をつけたい。やや苦手な場合はまず時計算・平面図形・場合の数から確実に得点源にしていこう。

受験者層のレベルが高く、合格者平均は常に100点を上回っている。(150満点中)得意分野の出題でラッキーな合格等は考えにくいので、確実な力を備えて挑もう。

聖光学院の算数は、高難度ではあるが奇抜な超難問や完全なひらめき頼りの問題は少ない。コツコツ身に着けた知識、演習を重ね鍛え上げた思考力・推理力が着実に点数に結びつき易いこのような問題構成は、合格に向けて一途に努力してきた受験生にとって喜ばしい点である。

過去には記述・作図が出題されたこともあるので注意。

理科

大問4問。小問は20~30問程度で、空所補充問題はあるが、記述問題はほぼ出題されない。過去に出題された際も1・2行程度。

分野は自然の生態・生物・化学計算(中和など)・力学(つりあい・浮力・電流など)が頻出。物理・化学は、思考力は求められるものの計算は易しい。(電流は難しい。)得点源にしたいのはやや難易度の低い生物と地学。ただし地学は、地球や宇宙に関する詳しい知識が必要。

全体的に超難問ではないが、データを正確に読み取る力、実験や観察から考察する力、そこから論理的に思考する力が必要。

選択問題は、当校の算数・国語同様に上辺の知識だけでは対応できない。また、選択肢が10以上ある場合もあるので注意。選択肢の内容は一語一句見逃さず吟味すること。

実験器具についての問題も見られるので、使い方や名称は正確に覚えておこう。

社会

大問4問。聖光学院の社会は文章が1000文字程度あり、問題数も多いのが特徴。分野は産業・経済、地形、地図・等高線・グラフなどの読み取り・鉄道や高速道路など交通に関する問題・政治・時事問題・生活に関する問題が頻出。

歴史・地理を重視する学校が多い中、政治・時事問題を同等に重視している点にも特徴があり、歴史・地理以上に公民が難しい。

他校ではあまり見られないが、生活文化、冠婚葬祭、家系図などに関わる問題や、聖光学院に関わりの深い横浜市・神奈川県の地理もよく出題される。憲法・環境問題についてもよく理解しておきたい。

形式は基本的に一問一答で、記述問題は1・2問程度。選択問題は一筋縄ではいかないものが多く、正確で深い知識が必要。時事問題をからめて判断する問題も見られるので、普段からニュースをしっかりチェックしておこう。

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