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国語の成績が上がる記述の答え合わせ法とは

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公開: 最終更新日:2023年04月06日

ふだんの国語の勉強において、お子さんは問題を解いた後、答え合わせをどのようにしているでしょうか?

ここでは、親子でできる学習効果の高い答え合わせについて考えてみたいと思います。

学習効果を高めるには、効果的な丸つけが必要

さて、塾の復習や宿題での答え合わせが「マル・ペケをつけておしまい!」というふうになってはいないでしょうか?

言うまでもないことですが、いくら問題をたくさん解いたとしても、ただマル・ペケをつけるだけでは国語の力はつきませんね。

「解きっぱなし」という状態ですから、自分の文の読み方のクセ、考え方のクセに気づくことができず、修正するチャンスを失うからです。

「間違った問題をもう一度やり直す」という方も多いと思いますが、これもやり方を間違えると非常に効率の悪い学習になってしまいますので、注意が必要です。

特に効率の悪いやり方とは、子どもが問題を解き終わったらお母さんが解答を見てマルをつけ、バツになった問題を、子どもが自力で正解できるまで解き直しさせる、という方法です。

これをやらせてしまう背景には「国語の成績を上げるにはがんばって文章を読んで、がんばって考えることが大事だ」という思い込みがあるようです。

こういう思い込みをしている方は、真面目な方が多いのですが、困難を努力だけで乗り越えようとする傾向があるので、ついつい無理をしてしまいがちです。

ぜひこの記事を参考に、効率のよい国語の家庭学習を目指していただければと思います。

読む力・解く力を高めていくには、模範解答を参考にして設問を研究し、読むべき範囲がどこなのかを確認することが大切です。

実際、答え合わせを上手にできている子とそうでない子とでは、学習の成果に大きな差がついていきます。

文章を読む力にそれほど差があるように思えず、問題に取り組む真剣さで負けている気はしないのに、なぜか、お子さんの成績が、友達にどんどん差をつけられているのなら、お子さんは、答え合わせのやり方が間述っているのかもしれません。

しかしお母さんが、問いかけの力で助けてあげれば問題ありません。

記述題の答え合わせ法

ここでは、記述題についての問いかけをご紹介します。

お子さんの答えが模範解答と違っていた場合、まずお母さんは
「あなたの答えと模範解答を比べると、どの表現が違うの?」
と聞いてください。

「違うところに線を引いてごらん」
とアドバイスするのもいいですね。

次に、
「模範解答は本文のどのあたりを使っているのかな?探してみて」
と促します。

お子さんの答えと模範解答とが全く違う場合でも、一部だけが違う場合でも、問いかけは同じです。
模範解答を研究していきましょう。

そして、解答を作るもととなった文章範囲が分かれば、
「どうしてその範囲を使うのかな?設問は何を聞いていたんだっけ?」
と問いかけてみましょう。

この問いかけが、答え合わせで最も重要なステップになります。

もちろん、模範解答に解説がついているなら、ぜひ読むようにしましょう。
それがお子さんの「どうして?」に答えてくれているかもしれませんね。

記述問題の答え合わせ法を整理すると

上記の三つの問いかけを整理すると、次のようになります。

「模範解答が使っているのはどの表現?」

「それは本文のどんな範囲を使っている?」

「どうしてそれを使う?設問は何を聞いている?」

こうやって模範解答を研究することで、解き方の研究をしていくわけです。

さらに
「あなたは本文のどの辺りを使ったの?」
と問いかけ
「どうしてそこを読もうと思ったの?」
と、お子さんが答えを出した時の考え方を確認してみましょう。

その上で
「解答とあなたの考え方はどこが違ったの?」
と問いかけてみましょう。

このように自分の考えと模範解答から学んだ考え方を比べることで、設問の読み方と本文の捉え方の両方を修正していくことがポイントです。

ぜひ普段の家庭学習で、お子さんと一緒に試してみてくださいね。

今回は親子でできる、学習効果の高い答え合わせについて考えてみました。

国語の読解については「うちの子は本を読まないから…」「国語の成績を上げるには、算数よりも長い時間がかかる」といった誤解がありますが、この記事でお伝えしたように、効率よく技術を身につけていく方法はあります。

ぜひ参考にしてくださいね。

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