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【中学受験】大人ができるのは「覚えさせる」ことではなく効率的な覚え方を提案

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公開: 最終更新日:2023年02月23日

生物分野の人体は「暗記分野」といわれる代表的な学習単元です。
中でも消化と吸収、そして呼吸の仕組みは、中学入試にも非常によく出題されます。

呼吸に関しては、気管と気管支、肺くらいしか関係する器官がなく、比較的暗記しやすいのですが、消化と吸収に関しては、様々な器官が関係しており、消化液や消化酵素の名前などとあわせて、非常に覚えるべきことがたくさんあるように感じて、うろ覚え状態のお子さんがたくさんいるようです。

憶えるべきことを整理しましょう

さて、この消化と吸収について、お父さんとお子さんの会話で重要な点を整理してみます。

お子さん「なんだか難しい図だね。よくわかんないや。」
お父さん「唾液のはたらきは習った?」
お子さん「うん。唾液に含まれる・・・ええと何だっけ。アミ・・。」
お父さん「あと一息!あと3文字だよ。」
お子さん「アミ・・ラー・・・ゼ? がデンプンを麦芽糖に分解するって。」
お父さん「正解!良く思い出せたね。こうやって思い出す作業をときどきしておくといいよ。胃液はどう?」
お子さん「ええと、タンパク質が胃液で消化されるんだね。」
お父さん「そうだよ。胃液には」ペプシンという消化酵素が含まれているんだ。ペプシコーラっていう飲み物があるだろう?」
お子さん「あ、似てる!あれと関係があるの?」
お父さん「あれはもともと胃薬として発売されたらしいよ。言われてみれば、なんとなく薬のような味がしないかい?」
お子さん「へええ!そうだったんだ。そう言われてみれば、薬の味がするような気がする。」
お父さん「脂肪を消化するのは、すい臓から出されるすい液だけなんだ。」
お子さん「でも、たん液も消化するんじゃないの?図ではそうなっているよ。」
お父さん「よくみてごらん。『乳化』って書いてあるだろう?脂肪っていうのは油だから、べとべとしているんだ。それをさらさらにするのさ。例えて言えば、バターをミルクにするようなものかな。たん液だけは消化酵素を含んでいないんだ。」
お子さん「だから『乳化』なんだね。じゃぁ脂肪はとても覚えやすいよ。でもデンプンとタンパク質は、いろんな消化液が関係していて覚えにくそうだなぁ。」
お父さん「もう一度、図を良く見てみよう。実は、すい液と腸液はすべての栄養素の消化にかかわるんだ。残りの消化液は、それぞれ1つの物質しか消化していないだろう?」
お子さん「本当だ!消化液はそれぞれ担当が決まっていて、『全部担当』がすい液と腸液と覚えるといいんだね。」
お父さん「そうだね。」

大人ができるのは「覚えさせる」ことではなく、効率的な覚え方の提案

お子さんたちは「デンプンはまず唾液で消化されて・・・」と「栄養素別」に覚えようとすることが多いのですが、実は上記のように「消化液ごとに、何を担当するか」を考えるほうが効率的に覚えられるんですね。

このような工夫は、大人なら思いつくのですが、子どもにはなかなか思いつけません。
「覚えなさい」というのは簡単なのですが、一歩踏み込んで「どうすれば効率的に覚えられそうか」をお子さんと一緒に考えてみるのもいいと思います。

上記のように「唾液も胃液もたん液も1つの栄養素しか担当しないけど、すい液と腸液はすべてを担当する」というイメージがあれば、頭の中で整理がつきますね。

小学校高学年以降の「答え合わせ」のための種まきを

大人がお子さんに理科のヒントを与えてあげられる方法として「生活の知恵」があります。

お腹がいっぱいになりすぎたとき、大根おろしを食べるとお腹がすっきりすることは、経験則としてよく知られている話です。
これは、大根に含まれるジアスターゼ(アミラーゼ)がデンプンを分解してくれるからですが、こういった話も、お子さんにとっては新鮮な驚きになります。
ご家庭ですぐに、しかもお子さん自身に試してもらえるので、インパクトも大きいと思います。

大根の煮つけではなく、大根おろしでなくてはならないのも、高温に弱い消化酵素の特性を考えたもので、お子さんに「消化酵素は高温で働きを失う」ということを印象付けられます。
理屈までは説明できなくても「これも消化に関係があるのかな」くらいの話題提起でもじゅうぶんです。

日常で経験したことの「答え合わせ」をしていくのが、小学校高学年以降の理科の勉強です。

その「種まき」をたくさんしておいてあげるといいですね。

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