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中学受験 スランプ対処法のカギは、「成功イメージ」と「自己肯定感」

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公開: 最終更新日:2021年08月10日

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」に日々寄せられるご相談の中には「子どもがどうやらスランプに陥っているようだけど、どう対処したらいいのかわからない」というものが多くあります。
今回の記事では、子どものスランプの原因とそこを抜け出すための対処法について考えてみます。

子どもが感じるスランプとは

中学受験の世界で長年、たくさんの子どもたちを見てきましたが、まじめな子ほどスランプに陥りやすいようです。
高い目標があり、目的と現実との間にギャップが大きいと感じたとき、自分のペースを無視してがむしゃらに勉強したときに陥るようです。
または、自分のスタイルを崩して、本来の学習ペースを保てなくなると、スランプだと感じてしまうのです。

また、宿題が多い中学受験塾に通っていると、「宿題が常に終わらない」という状態になり、まじめな子はそれをプレッシャーやストレスと感じやすいのです。
明日までにこれだけの宿題をやるべきだという目標と、それがとてもやりきれる量ではないというギャップが大きいと、実現に向けての可能性の低さを感じてしまいますね。

勉強の効果が上がらなくなるとき

子どもが、自分のできる範囲を超えて勉強に取り組もうとするとき、たとえば、睡眠時間やリラックスする時間を極端に省いてひたすら勉強したときなどは、心身ともに疲れて頭が働いていないので、勉強の成果が上がらなくなります。

大人から見ると「こんなにがんばっているのに、どうしてテストの点数が悪いの?」となってしまうでしょう。
時間をかけているのに結果が残らないから、スランプに陥っているように見えるのです。

でもこれは単純に、単に手を動かしているだけの状態になってしまっていて、スランプというより、できないことをひたすら実行しているだけの状態だと思います。

スランプを感じやすい「5年生の夏以降」

それまでの学習スタイルでは対応できなくなったときは、いくら勉強をしても効果は上がりません。
そのようなときにスランプだと感じる子どもは多いようです。
実際に、5年生の半ばまでは、どのような学習スタイルであってもそれなりの効果が感じられますが、5年生の夏以降は「応用が効く子」とそうでない子の差が広がります。

応用が効かなくなる典型的な学習スタイルは「とりあえず答えさえ合っていればいい」というものです。
これを続けてきた子どもは5年生の夏以降「なぜか解けない」と嘆き、親も「一生懸命やっているのに。スランプなのかしら…」と思い悩むことになります。

また、5年生の秋ごろから暗記するべきことが増えるので、「とにかく習ったことを反復して覚える」というやり方で点数をとってきた子は行き詰まるでしょう。
量が増えたことによって繰り返し学習がむずかしくなり、十分に暗記ができず点数が取れなくなってしまいます。
このタイプの勉強法のお子さんは、得意だった科目ほどそういう状況に陥りやすいので、この時期に自信をなくしてしまう子が多いのです。

スランプを克服するための「成功イメージ」

これらのスランプを乗り越えるためには、「こうすれば解けるんだ」という成功イメージを持つことです。
いちばん簡単な方法としては、できる問題からどんどんやっていくこと。
子どもが得意な科目や単元の勉強に取り組み、複雑に見える問題も式を書けば解ける、難しそうな記述問題も文章に線を引いたらなんとかなる、など、成功イメージをよりたくさん積み重ねていくといいでしょう。

「できること」があると、「できないこと」をできないと受け入れ、その解決法を考える気持ちの余裕ができます。
「できないからとにかくがんばる」とがむしゃらになればなるほどスランプから抜け出せなくなるので、まずはできないことを認め、どうしたらできるようになるかを冷静に考えるといいですね。

子どもの自信を復活させる

また、子どもの自己肯定感を復活させることも大切です。
「ぼくも、やればできるんだ」という自信を復活させることで、スランプを克服することができるのではないでしょうか。

できないことばかりをやろうとすると、本当にすべてができなくなってしまいます。
逆に、できることからやって自信を持つことで、少しずつでも前進していけます。

自分の得意なことを自覚することで、子どもは安心します。
親も「あなたはこれが得意なのね」「すごい、この問題も解けたんだね」と、ポジティブな声がけを意識するとよりいいでしょう。

冷静に子どものスランプに対処して

スランプから抜け出すには、まずは「できること」から始め、成功イメージを重ねていくことで子どもの自己肯定感を復活させましょう。
スランプのタイプによっては、専門家のアドバイスも必要になってくるかもしれません。

どこでどうスランプに陥ってしまっているのか、子どもの様子や学習状況をよく見て、冷静に対処法を判断するようにしてくださいね。

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