叱る回数が劇的に少なくなる、子どもの短所を長所に変換する考え方とは
「うちの子は、かなり強く言ってもなかなか勉強しない」という悩みをよく耳にします。
でも、叱られて動く子どはいません。
ここでは、子どもの短所を長所に変換することによって、子どもの自主性を育む方法について考えてみます。
叱ることから始まる悪循環を、どこかで変えなければならない
子どもがなかなか自分から勉強しようとせず、親もしばらくは見守っていても、つい待ちきれずに「早く勉強しなさい!」ときつく言ってしまう。
このような経験を多くの方がお持ちのようです。
でも、そんな風に叱られて動く子どもはほとんどいません。
とはいえ「勉強したほうがいいんじゃないかな」とやさしく言っても、子どもはなかなか動きませんね。
そのうち親の感情がどんどん高ぶって「なにやっているの!今すぐ勉強しなさい!」と、口調がより強くなってしまうこともあるようです。
叱られれば叱られるほど、子どもは動きたくなくなるということを、みなさんは経験的にご存知だと思います。
でも、いざそのときになると、強く言うことしか方法が思い浮かばないようです。
それだけでなく、朝から晩まで「あれしなさい」「これしなさい」「あれはやったの」「早くしなさい」「ちゃんとやりなさいと、「〜しなさい」を繰り返してしまいがちです。
叱られながらやる勉強は、非常に効率が悪く、親も子どももいい気分ではありません。
このような「叱ることで生まれる悪循環」をどこかで変えていきたいですね。
子どもの短所を長所に変換してみる
悪循環を変えるためには、子どもが変わるのを待つのではなく、大人が少しずつ考え方を変える必要があります。
そのためにひとつ私がご提案したいのが、リフレーミングという方法です。
フレームし直す、つまり「子どもの短所を長所に変換する」という考え方です。
たとえば、宿題がなかなか進まない子がいるとします。
その子のこだわりが強く、自分が納得しないとなかなか進めないことが原因だとしましょう。
たしかに「こだわりが強すぎて、宿題がなかなか進まない」ということは短所といえるかもしれません。
でも「わからないから、とりあえず公式を覚えたらいいや」という考え方ができない、ということは勉強面ではとてもいいことで、その子の長所とも言えます。
このこだわりの強さを発揮していいタイミングを取捨選択できるようになれば、今後さらに伸びていくはずです。
字が汚い、計算ミスが多い子に関しては、「いろんなことを手早く片付けようとすることはいいこと」だと考えることもできます。
何が原因でまちがえたかと明らかにして伝えてあげると、やがてできるようになるから大丈夫、と考え方を変えてみてください。
まずは親が安心して、子どもを信じる
子どものネガティブな部分が気になると、親としては「このままで大丈夫かしら」と不安になってしまいます。
でも、短所を長所として捉えることによって、親御さんも「この子は大丈夫」と思えるようになってきます。
親が穏やかになると、子どもも「自分は大丈夫、親に認められている、期待されている」と感じ、「よし、がんばってみよう」という前向きな気持ちになります。
「これができない」とネガティブに考えるのではなく、「今持っているいいところを伸ばしていく」という見方ができたら、叱ることの悪循環はそこで断ち切られます。
常に、子どもの短所を長所に変換して、そこを伸ばしていくという視点を心がけると、勉強に限らずさまざまなことが、これまでと違ったふうに見えてきそうですね。