受験生の反抗期にどう対応する?中学受験のプロが悩みを解決!
受験と反抗期が重なったらどうする?
まずは、反抗期とは何かを理解することが大切です。
反抗期は子供の身体と心の成長にズレが生じてくる頃でもあり、ひとことで言うと
『親の元から巣立とうとするチャレンジの時期』
です。
この頃の子どもは、自立したいという欲求がある反面、自立する自信がないという不安も同時に大きく膨らみます。
理屈ではなく、感情に突き動かされての言動が多くなるので、反抗期の子どもが口にする言葉を額面通りに受けとり、ショックを受けた状態を引きずる必要はまったくありません。
例えば、子どもが
「死ね、クソババア!」
と言ったとしても、本気で死んでくれなんて思っていないのです。
ただ、それを理解しているからといって、暴言を吐かれてもヘラヘラ笑っているのもおかしな話なので、ショックを受けたのであれば、そのことを態度で示す必要はあります。
また、子どもから攻撃的な言葉が出ている時は、何かを
「自分でやりたい」
「自分で決めたい」
と思っていることがほとんどです。
それを踏まえて、
「できることは自分で決めたらいいよ」
と、親から権限を渡して認めてあげることと、それに伴う責任についても話してあげることがポイントです。
一方で、いけない言動はきちんと注意し、毅然と振る舞うようにしてください。
保護者の役割分担をしよう
家族や夫婦で上手く役割分担することも大切です。
母親や父親のどちらかが一人で全部を受け止めようとするのは、当然ながら無理があります。
例えば、認めてあげて共感する役割は母親、善悪をピシっと伝える役割は父親というように、協力しながら反抗期に付き合っていくのが良いでしょう。
ひとり親の場合は、本来分担すべきところを全て一人で背負わなければならないと捉える方がたくさんいます。
しかし、そう考えて肩に力を入れることはあまりオススメできません。
親という存在は一人かもしれませんが、子どもを見てくれる大人は、自分以外にも必ずいます。
両親がいたとしても、祖父母や塾の先生に応援してもらったり、学校や習い事の先生に意見をもらったりと、さまざまな大人の力を借りています。
ですから自分だけでなく子供のためにも、相談できる大人をひとりでも多く増やし、ひとりで背負わずにみんなに手伝ってもらおうという気持ちをもつことが大切です。
子どもをサポートしよう
反抗期は、不安が膨らんでいる時期。
勉強でちょっと失敗したり、宿題が思うように進まなかったりすると、対応できていないことや完ぺきに出来ていないことに怖さを覚えてしまいます。
そこからイライラに繋がり、怒りっぽくなったり、塞ぎこんだりするのです。
そんな時は、勉強の整理をするなどのサポートをしてあげましょう。
やるべきことがたくさんある場合、
「それじゃあ、やることが見えるように全部書き出そう」
と提案し、できたものから消していくことで、気持ちが安定することもあります。
ただ単に「頑張ろう!」と言うのではなく、勉強の組み立てを一緒に考えてあげると子供が達成感を抱きやすくなります。
また、よく話を聞いてあげることも重要です。
子どもが、
「話を聞いてもらえなかった」
「受け止めてもらえなかった」
と感じてしまうと、反抗の度合いが大きくなってしまうことがあります。
うっかり
「うるさい!つべこべ言わずにいいからやりなさい!」
などと、言ってしまわないように注意しましょう。
反抗期の子供へのNG行為
中学受験に限りませんが、子どもを叱るときに以前のことまで持ちだして
「だいたいあなたは、いつもこうだ」
と、焦点を絞らずにダラダラとあれもこれも同時に怒ることは絶対にダメです。
また、
「あなたなんかやるだけ無駄」
などと、子ども自身の人格を否定するような叱り方や切り捨てたような言い方もよくありません。
感情的に存在を否定されてしまっては、子どもは立つ瀬がありません。
解決策のない叱り方をしてしまったら、一呼吸おいて感情的な叱り方をしたことは謝り、解決に向かうための話し合いをしましょう。
また、子どもが感情的になって発した、
「勉強してやってる」
などという言葉をキャッチし、それに対してくどくど説教をするようなやり方もよろしくありません。
感情的な部分に反応して感情的に叱るのではなく、親として本当に伝えたい事がしっかりと伝わるように意識をしましょう。
伝えたい事が複数あるのであれば、それを同時に、一気にぶつけるのではなく、今は何について話しているのかを明確にしながら叱りたいところです。
親の対応によっては、かえって子供を困らせてしまうことになってしまいます。
かと言って親も人間ですから感情を持っていますし感情的にもなるものです。
それを踏まえて、わが子に何を伝えたいのかを見失わないように心がけましょう。
親にだけ反抗する子供への対策
親の言うことだけを聞いてくれない場合は、なぜそうなっているかの原因を知ることです。
このようなケースでの原因は、ほとんどが親への甘えからきています。
塾の先生や周りの大人には全面的に自分を預けていないので言うことを聞けるのですが、親には全幅の信頼を置いているので甘えて大丈夫という安心感があるのです。
だから、親にだけ反抗が「できる」のです。
親にだけ反抗してくる場合は悩むのではなく、
「あぁ、そんなに親のことが好きなのね。信じて甘えているんだ」
と思っておくといいでしょう。
急に反抗しなくなったら
あんなに反抗していたのに、近頃そっけなくなってきたという場合があります。
状況によって違いはありますが、急に態度が変わってきたのであれば、子ども自身で何か考えることがあって接し方を変えただけかもしれません。
慌てず子どもの様子をしっかりと見てください。
また、じわじわと少しずつ距離を置かれてきていて、勉強やテストの結果も良くないという場合は、子どもが自信を失ってきている可能性があります。
「どうせ親はわかってくれない…」
と諦めているかもしれないので、しっかりと話し合わないといけません。
家庭内で反抗する相手としない相手がいるのであれば、会話や伝えられ方が噛みあっていないケースがあります。
そんな時、塾の先生の言うことなら聞くのであれば、先生に
「親の何が気に入らないか聞いてもらえませんか?」
などと頼んでみるのも良い方法です。
自分たちの状況を伝えて第三者に協力してもらい、子どもの本心を掴むのも必要で効果的なやり方だと思います。
★参考:中学受験は親次第 親のサポートで気をつけるべき10のポイントとは?