親の気持ちが折れない中学受験にするための3つの視点
はじめは期待いっぱいで始めた中学受験の勉強も・・・
子どもに中学受験をさせると決めたとき、親子とも新たな世界へ踏み出すというワクワクした気持ちになったのではないでしょうか。この子、どれくらい頑張れるかしら、という期待の気持ちもお父さん、お母さんにはあったと思います。
そして、お子さんを塾に通わせて数ヶ月、そして数年。やはり理想と現実は違うもので、なかなか塾の成績もトントン拍子には上がりません。我が子ががんばっているのと同じように、周りの子もがんばっているのです。
テストの点が悪くて落ち込んでいる我が子を見ると切なく、可哀想だと思う反面、たいして気にしていないように見えるとなんだか不安で腹が立つ、というような経験をしたことがある方も多いかもしれません。
子どもよりも親のほうが「もっとがんばらないと」「もっとがんばらせないと」という心理状態になりやすいのが、中学受験です。
そんな中学受験、親子で明るく、健康的な精神状態で乗り切っていくには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
「3秒ルール」で感情をコントロール
まず、お子さんの様子を見て腹が立ちそうになったら、3秒待つ「3秒ルール」をとりいれましょう。人の感情の高ぶりは、少しの時間でずいぶん小さくなるものです。それが3秒というわけです。
そもそも、たとえば宿題になかなか取りかかることができないお子さんを見て腹が立つのは、宿題をしなければお子さんが塾の勉強についていけなくなって困るのでは、という気持ちからです。
我が子に辛い思いをさせたくない、という親の思いが裏返しとなって「なんであなたはすぐに宿題に取りかからないのよ!」と出るわけです。
このことを少し冷静に思い出すだけでも、ずいぶん感情の「揺れ」は収まります。
「やる気のスイッチ」はない しなければならないのは「階段づくり」
よくモチベーションについてのご相談も受けます。子どもにやる気を出させる声かけのしかたは、といったご相談です。
子どもが必ずやる気になる声かけ、やる気のスイッチのようなものは、実はありません。でもひとつ言えるのは、「ちょっとがんばればできそう」と感じたとき、子どもは動き始めるということです。
その小さな階段をいかに上手に作ってあげるかが、親の腕の見せ所。次の模試の目標は「偏差値10」ではなく、「計算問題を全問正解」というように、ちょっとがんばれば手が届くくらいの目標にすることです。
ただでさえ塾通いは「自分にできないことの発見」の毎日になりがちです。親御さんが意識的に「お子さんのできていること」に目を向けさせてあげることが重要です。
お父さん、お母さんが結果ばかりにこだわると、お子さんは「帳尻を合わせる学習」に走るようになります。「できる」ことよりも「できたことになっている」ことにこだわるようになるということです。
とにかく○がつけばいい、ということが最優先になると、国語の記述問題などで「正解かどうか微妙」という場合に、詳しく検証することなく正解としてしまうなど、勉強の仕方に弊害が出てきます。
テストでは結果も大切ですが、今できていることとできていないことを把握して、できていないことをできるようにすることがもっと大切です。