中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

中学受験と親子関係 子どもの逃げ道をふさいで、追い詰めないように注意

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

子どもにもっと勉強をしてほしい、やる気を出してほしいと強く期待するあまりに、親が関係を支配してしまうことがあります。
今回は、子どもとの関係を楽しいものに保つために親ができることについてお伝えします。

大人の話を素直に聞けなくなる悪循環

親として「もっとやる気を出してほしい」「もっと自主的に勉強してほしい」というような期待を子どもに抱くのは、自然なことかもしれません。
でも、その期待が過剰になると、子どもに接するときの笑顔はなくなり、親子の関係が楽しいものではなくなってしまいます。

子どもからすると、「お母さんが、いつも機嫌が悪い」「なんだかイライラしている」「また文句を言われるんだろうなあ」という気分だと、いくらいいアドバイスをされても、それを素直に聞けなくなってしまいます。
この悪循環が続くと、大人の声に耳を傾けなくなってしまうので注意しましょう。

「意欲のスイッチ」を押せるのは、本人だけ

とはいえ、「叱ったり、強く言わないと、子どもがいっこうに勉強しようとしない」という親御さんの声も聞こえてきそうです。
たしかに、子どもが自分からやる気に満ちて自主的に勉強をする状態にするのは、そんなに簡単ではないのかもしれません。

でも、子ども自身に「この勉強をもっとしたい」「なんだか、やる気になってきた」という気持ちにさせることができたら、親としてそれ以上のことはないですね。
その「意欲のスイッチ」を押すことができるのは、本人だけです。

いくら親でも、子どもの気持ちや親子関係を支配することはできません。
親御さんは、子どもに「やる気を出させる」「勉強させる」ことよりも、子ども自身に「勉強してみようかな」「やる気になってきたぞ」と感じさせることを目的にしましょう。

「何を言ってもお母さんに怒られる」

子どもに質問をするときに、逃げ道をふさいでいないでしょうか。
たとえば「今日、どうして帰ってすぐに宿題をしなかったの?」というような質問。
このとき、親は「なにがなんでも説教しなければ」という気持ちになっているのかもしれません。

そこでもし、子どもが「○○ちゃんと約束したから」と答えたら、「なんでそんな約束をしてきたの。帰ったらすぐに宿題をすると約束したでしょ」と、子どもの逃げ道をなくすような対応をしてしまいがちです。

こういうやりとりが何度も繰り返されると、子どもは、お母さんになにかを質問された時点で「なにを答えても、きっとお母さんに叱られる」と考えてしまいます。

そうなると、子どもは、黙ってその場をやりすごすか、もしくは「うるせえ」「クソババア」などの強烈な言葉を投げかけて、その場の雰囲気を変えてしまうか、どちらかの方法しか残されてない状況に陥ってしまいます。

もし、子どもが話しかけても黙ってしまう、悪態をついてしまうなどの悩みをお持ちなら、改めて、親の側から子どもの逃げ道をなくすような質問をしていなかったかどうか振り返ってみてはどうでしょうか。
もしかしたら、知らないうちに子どもを追い詰めてしまっているのかもしれません。

親子関係を、笑顔で楽しいものに保てたらいいですね。

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