お出かけは、子どもの好奇心や知識の芽を伸ばすチャンス 年齢別おすすめのお出かけ先は
新型コロナウィルスの感染拡大により、遠出がしにくい状態になっていますが(2020年6月現在)、家族での外出や旅行は、子どもにとってかけがえのない思い出になるだけでなく、成長のチャンスでもあります。
ここでは、お子さんの年齢別のお出かけのポイントについて考えてみたいと思います。
年齢別、行き先とポイント
子どもの好奇心を伸ばす外出先にはどのような場所があるのでしょうか。
1、2歳ぐらいの幼児なら、最初は近所の公園などで十分です。
歩けるようになったばかりなら、広くて安全な場所を選んでくださいね。
芝生や土など、歩いた感触が室内とはちがうだけでも、刺激になります。
ボールをつかんで投げることができるなら、ボール遊びもいいでしょう。
お天気のいい日にピクニックもいいですね。
2歳ごろからは、少しずつ記憶力もついてきます。
「経験」として蓄積していくので、徐々に行動範囲を広げていってあげたい時期です。近い年齢の子どもがいると喜ぶ子もいるので、児童館などもいいかもしれません。
3歳ごろからは、動物園などもおすすめです。
小動物に触れることができる、小さな子ども向けのコーナーがあると、より楽しめると思います。
動物を触ったときの感触を楽しんだり、動物を観察するのも楽しそうですね。
もし絵本などで、すでに動物を知っているなら、その絵本を持って行って本物と見くらべたり、動物園に行く前後に読み聞かせをしてあげて「ゾウさんに会いにいくよ」「キリンさん、この本と同じで大きかったね」などと話してあげましょう。
小学校低学年の子どもの動物園の楽しみ方
この時期は特に、ぜひお父さん、お母さんも率先しておもしろがってください。
「ここにいるから、見てきなさい」というスタンスだと、子どもも心からおもしろいと感じないうえに、記憶にも残りません。
大人も一緒に楽しみ、感情を動かし、それを言葉や表情に出すことで、子どもの印象に残ります。
親も一緒にはしゃぐぐらいが、子どもにとってはうれしいのです。
「お父さん、楽しそうにしているな。たしかにこの動物おもしろいかも!」と興味の幅も広がるかもしれません。
親と一緒にいろんな動物を見て楽しかった。また見に行きたい。次はこんな動物を見たい。そういう風に感じられたら、それだけで十分です。
字が読めるようになると、動物の説明ボードも読めるようになるので、親子で一緒に読んでみてください。「カピバラって、ネズミのなかまなんだね!」と驚いたり、「このキリンは、アフリカから来たんだね」などコミュニケーションをとりながら、読んでみましょう。
生きた知識として身につく
たとえば、その後子どもが理科の勉強に取り組んでいるとき、「寒い地域に住む動物の体が大きい理由」を学ぶとしましょう。
そのとき、子どもの頭の中には、家族で出かけた動物園で一緒に見た、大きなシロクマの姿が浮かんでいるかもしれません。
「体が大きいほうが、体重あたりの表面積が小さくなるため、体温が維持しやすい」ということが、シロクマの大きさを知っていることによって、より生きた知識として子どもの中に入ります。
もしかしたら、お父さんが「マレーグマって小さいんだね」と言った言葉を思い出すかもしれません。
「そうか。マレーグマは暑いところにいるクマだから、体が小さいんだ」ということを、子どもは納得するでしょう。
このように、「なるほど!」「たしかに!」と深い納得感や理解を得る楽しさを積み重ねていくことによって、「知ることの楽しさ、快感」を子どもは覚えていきます。
そこに幼いころの実体験で得た「身体感覚」が重なると、ますます納得や理解は深くなります。
子どもが新しい知識に感動したり、珍しいものをおもしろがったりすることは、親の真似から始まります。
ぜひ多くの体験を通して、一緒に楽しみながら身体感覚を伸びやかに育ててあげてくださいね。