中学受験で成功する「自分のことは自分でできる子」子どもの自立心の育て方とは
勉強ばかりさせていたら、子どもがわがままになってしまったという相談を受けることがあります。
中学受験を控えているから勉強を最優先させなければ、と親があれこれ気を使うことで、子どもが「小さな王子様」になってしまうことがあるのです。
子どもに手をかけすぎている家庭に多い
親が子どもの勉強に過干渉になると、子どもは「親のために勉強をしてあげている」という意識になってしまいます。
この状態は、親が間違った方法で子どもに手をかけすぎているとも言えます。
子どもがつまずかないように、何から何まで準備してしまう家庭に多いようです。
さらに、こういう子は他人の言うことを素直に聞けなくなり、目上の者に対しても偉そうに振舞ってしまいます。
自分はできるはずだという自己肯定感がやたら強く、わからないこともわかっている振りをしたり、不都合なことはすべて周囲のせいにしたりします。
自分で真剣に考えようとしないので、当然、成績は伸びません。
昨今、このような「小さな王子様」のようなタイプの子が増えているのは事実です。
子どもには勉強さえしてもらえばいいと、召使いのように世話をしてしまうお母さんは、子どもがそうならないように注意してください。
子どもにも役割が必要
子どもにも家庭内での役割を与えることは大切です。
やるべきことはきちんとさせて、自分のことは自分でできるように導いてあげてください。
簡単なことでいいのです。「朝、起きたらカーテンを開ける」「食べた食器は自分で運ぶ」など、年齢に応じたことでかまいませんので、子どもの役割を明確にしておきましょう。
そうすることで、子どもは「自分も家族の中で大切な役割を担っている存在だ」ということを実感します。
本当は大人がやったほうが早いことも、ぐっと我慢して子どもがやるのを見守りましょう。
まさしく、職場で後輩を育てるような感じです。
子どもがお手伝いをしたら、その都度「とても助かった。ありがとう」「今日も忘れずにちゃんとやって偉いね」と褒めてあげてください。
子どもはそれによって、自分がしたことを認められたことを感じます。
自分が、学校や塾だけでなく家庭でもかけがえのない存在だということを実感し、「そんな自分だからこそ○○を実現させたい」と、さらに目標を持つことができるのです。
家庭内での子どもの役割は、子どもに決めさせる
とはいえ、子どもも学校生活と塾で忙しい毎日を送っています。
あまり負担の大きな役割を与えてしまうとストレスやプレッシャーになってしまうので、なにができそうかを子どもに決めさせたほうがいいでしょう。
低学年なら、玄関の靴そろえや、食事の前に全員分のお箸を並べること、脱いだパジャマをたたむ、洗濯物をしまうなど、短時間ですぐにできることがおすすめです。
中学年以降になるとできることが増えますが、そのぶん忙しくなってくるので、得意なことや好きなことに絡めた役割を与えてあげましょう。
米を研ぐ、野菜を洗うなど簡単な調理、食事のあとの食器を片付けることや、自分の分の洗濯物をたたむなど、大人と一緒にできることなら、親子のコミュニケーションにもつながりそうですね。
「決めたことは必ずやり遂げる力」を育む
家庭での子どもの役割を決めておくことで、子どもの自立心につながることを説明しましたが、それ以外にも毎日コツコツやることで、「最後までやり遂げる力」を育むことができます。
小学校低学年のうちは「朝、起きたらカーテンを開ける」だけの役割だったのが、高学年になると他のこともできるようになります。
たとえば「朝、起きたらカーテンをあけて、ベランダの植物に水をやる」というようなことです。
寒い冬の朝は、カーテンを開けるのも、ベランダの植物に水をやるのも億劫になるかもしれません。
でも家庭内で他にやる人がおらず、植物が枯れていくのを目の当たりにしたら、その責任感から子どもは寒くても植物の水やりをするかもしれません。
それをコツコツと続けて、春になって花が咲いたときは、「育てる喜び」を実感するでしょう。
辛くても毎日続けることに意味があるということを、実際に体験できるのです。
この小さな成功体験は、中学受験の勉強にも生かすことができます。「今は結果が出なくてつらくても、コツコツと積み重ねていけば、必ず結果が出る」と自分を信じて進むことができるのです。
この「小さな成功体験」は大人がいくら口で説明するよりも、子どもが自分で感じることが何より大切です。
朝の漢字練習、毎日の塾の復習、そして膨大な量の宿題…。
子どもが何もかも投げ出したい瞬間は、この先も何度があると思います。
そのときにこの「最後までやり遂げる力」が備わっているかどうかが、子どもの中学受験の結果を大きく左右します。
かわいいわが子だからこそ、家庭での役割をしっかりと与え、自立心を育んであげてください。