中学受験に直結 日常生活のなかの「体験学習」で、子どもの知識欲に火をつける方法
子どもの生活の中心は、まずは家庭、次に学校です。その日常のコミュニケーションのなかで、子どもの好奇心や知識欲を伸ばすにはどのような言葉かけをしたらいいのでしょうか。
ここでは、中学受験に直結する、子どもへの声かけ方法について考えてみたいと思います。
「あ、あのことだ!」とひらめく体験
近年、教育現場で「体験学習」をとり入れるところが増えています。
体験学習の目的は、知識を言葉だけでの説明ではなく、実際の体験を通して身につけさせることにあります。
体験したことは子どものなかで強い記憶として残るでしょう。しかし、この段階では、頭のなかに残った体験は、それぞれが離れ小島のようなもので、特に関連づけられていません。
「座学」は、体験学習とは異なり、教室などで机に向かって新しい知識を得るのが目的です。
しかし、子どもは座学では集中力が長続きせず、うまくいかないことも多いと思います。
そんなときに体験学習の記憶が頭の中にあると、教室で勉強しながら「あ、あのことだ!」と、記憶と知識が結びつくことがあります。
この感覚が、「もっと知りたい」という子どもの知識欲に火をつけ、勉強に意欲的に向き合う姿勢にもつながっていきます。
家庭でできる体験学習とは
教育現場での体験学習は、工場見学や里山の散策など特別な時間をつくって行いますが、それぞれの家庭でも体験学習と同じような時間を子どもと共有することができます。特別な準備をしなくてもかまいません。
たとえば、スーパーマーケットに買い物に行ったときに、野菜や果物を選びながら、「産地」について会話をしてみましょう。
最近は、野菜や果物だけでなく、肉や魚にも産地が明記してあるものがほとんどです。
ただ地図を見て、都道府県の場所を教えようとしても子どもは興味を示さないかもしれませんが、そこでとれる野菜や果物と結びつけると、関心が高まるのではないでしょうか。
それが、お子さんが好きな食材ならなおさらですね。
また、食材によっては、海外に目を向けることもできるでしょう。
「牛肉は、どこの国から輸入されていることが多いのかな?」
「タコは意外な国からきています。どこでしょう?」
など、クイズ形式にしてみると、子どもも楽しみながら興味を持つかもしれません。
ちなみに、牛肉は「オーストラリア」、タコは「モロッコ」が最近は多いようです。
地図を見て、その国の首都や地形を確認すると、さらに想像がふくらんで記憶に残ります。
本やインターネットなどで、その国のことをさらに詳しく調べてもいいでしょう。
理科の体験学習も家庭でできる
たとえば、寒い日に外から家に入るとメガネが曇ることも、立派な体験学習になります。
子どもにそれを実際に見せてみて、「どうしてこうなると思う?」ときいてみましょう。
すぐに答えを示さずに、いっしょに調べたり、同じ現象を再現したりするのも子どもの知識欲をくすぐるポイントです。
こういった体験を日常生活のなかで積み重ねていくことで、学校や塾の授業で学ぶときに「あ、これって、あのことだ!」となる瞬間が増えていきます。その瞬間が多ければ多いほど、もっと知りたい、学びたいという子どもの知識欲が育まれていきます。
子どもの「考え抜く力」を高める言葉かけで、親子でいっしょにすごす日常を、体験学習の時間に変えてみましょう。