上手な子どもの叱り方。感情的に叱らないようにするためには
子どもを叱るときについ感情的になってしまうと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
ほめるときはおおげさなぐらい感情的になってもいいのですが、感情的に叱らないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。
ほめるときは大げさなくらいでいい
子どもをほめるときの感情の出し方は、少し大げさなくらいでもかまいません。
赤ちゃんのとき、ちょっとした仕草にも満面の笑みで手をたたいたのではないでしょうか。その感覚です。
成績が上がったときだけでなく、ちょっとした手伝いをしてもらったときや、日常生活の中でいいなと感じたときに、素直に感情を出して、ほめてあげてください。
- 「なかなかやるじゃない」
- 「すごい、大人顔負けだね」
- 「いつもがんばっているね」
- 「よくやったね。感心するよ」
子どもはきっと、常にこのような言葉を待っています。
ほかの人から見ればちょっと大げさに見えるくらいが、ほめるときはちょうどいいのかもしれません。
叱るときは、本来の目的を忘れないようにする
逆に、子どもを叱るときや注意するときは、できるだけ感情を抑える必要があります。
たとえばテストの点が悪かったとき、「どうしてこんな点数しかとれなかったか、わかっているの!」と叱ってしまうのは、あまりいい叱り方ではないと思います。
でも、このようなときの親御さんの気持ちを想像してみると「なんとしてでも、子どもから反省心を引き出して、今後に役立たせなければ」という思いと、「どうにかして懲らしめてやらなければ気が済まない」という感情がわきあがっていますね。
さらに「子どものことを考えて、子どもの将来のために叱っているんだ」という強い思い込みのせいで、感情がますます高ぶってしまうのではないでしょうか。
でも、子どもの立場になって考えてみると、高ぶった感情をぶつけられても「なぜ叱られているのか」を考えることはできません。
親は叱ることや注意することが目的になりがちですが、本当の目的は子どもに「なぜ叱られているのか」を考えさせることです。
子ども自身に叱られた理由を考えさせ、自分が悪かったと反省し、同じ間違いを繰り返させないことが本来の目的です。
まずは「そうね」という言葉で返してみる
感情的にならないために、試してみたいのが「そうね」という言葉を使うことです。
叱ったり注意したことに対して、子どもがどんな答えを返してきても、いったん認めてあげるのです。
「どうしてこんな点数しか取れなかったか、わかっているの?」
「あまり勉強しなかったから」
こんなやりとりのあとに「それならなぜ勉強しないの!」ではなく、「そうね。それがわかっているんだったら、次はがんばれるわね」と伝えてあげましょう。
- 「どうしてここの部分でミスをしたかわかっている?」
- 「・・・わからない」
子どものこのような答えにも「そうね」と認めてから、「むずかしい質問だったかもね。一緒に原因を考えてみようか」など、次の言葉をつないでみましょう。
まずは「そうね」という言葉を返してみるだけで、感情が抑えられるので、ぜひ試してみてください。
子どもは、「親は自分のことを思ってくれている」と感じていれば、やがて納得するはずです。
そんな信頼関係を築いていくためにも、叱るときには感情を抑えて、冷静に目的を考えることが必要です。