子どもの行動が変わる、親の気持ちを伝える言葉とは
親が子どもに何かを伝えるとき、同じことを伝えるにも、どんな言葉で伝えるかによって、その場の空気だけでなく、子どもの行動も大きく変わります。
ここでは、子どもの行動を変えるための伝え方について考えてみます。
「こうしてくれたらうれしい」という気持ちを伝える
伝え方によって、子どもと親との関係は大きく変わります。
勉強以外の生活面でのやりとりでも、関係をよりよくするために言葉の工夫がいろいろあります。
学校からもらってきたプリントをなかなか出さない。週末に持ち帰った体操服をなかなか出さない。
そういうときに「早くプリントを出しなさい」「早く体操服を出しなさい」と、命令口調で伝えていないでしょうか。
子どもにも、なにか理由があるのかもしれません。
学校から帰ってきて、プリントを出すより先に宿題をしていた。友達と遊ぶ約束があった。
子どもにとってなにか大切なことがあって忘れてしまったというのが、実際のところでしょう。
そんな子どもの状況を認めたうえで、伝えたいことを「自分」を主語して伝えてみましょう。
「誰でも忘れちゃうことがあるんだけどね。帰ってきてすぐ出してくれたら、お母さんはうれしいな」。
もちろん、何から何まで、こうした理想的なフレーズで子どもに伝えるのは難しいかもしれません。
でももし、1日に10回ぐらい「〜しなさい」という命令口調で伝えているなら、そのうちの1回を「お母さんはうれしいな」という言い方に変えてみてはいかがでしょうか。
それだけでも、親子にとって大きな進歩なのです。
子どもが困っているときにかけたい言葉
子どもが難しい宿題に取りくんでいるときや、一生懸命テスト勉強をしているときは「なにか、手伝ってあげられることはある?」と声をかけてあげましょう。
実は親にできることはあまりない場合も多いのですが、そんな言葉をかけてあげるだけで子どもの気持ちはほぐれるはずです。
親がずっとつきっきりで勉強を教えるのは難しいですが、夕食後や週末などの少し余裕のある時間を使って、子どもの教科書やテキストを一緒に眺めてみるだけでもいいでしょう。
理科や社会は、新聞やテレビのニュースで関連する話題を見つけて「あ、これはあの教科書に書いてあったことだね」と、勉強と日常の話題をつなげてあげると、子どもの興味が自然に広がっていきます。
「いつも応援しているよ」というメッセージを込める
また、子どもががんばっていたのに予想より成績が下がってしまったり、得意な科目が急に難しくなったなど、これまで自信があったことができなくなって、落ち込んでしまうこともあるでしょう。
そんなときは「今回は残念だったけど、あなたなら大丈夫」と声をかけてあげましょう。
「もっとがんばれ」「あれをやったらよかったのに」と叱咤するよりも、はるかに効果的です。
子どもにかける言葉の裏にいつも「あなたの味方だよ」「応援しているよ」というメッセージを込められるといいですね。
それだけで子どもは安心して、自信を持っていろんなことにチャレンジできるものです。