理解力を高める聞き方、親と子の話し方のポイントとは
中学受験の勉強は、机の上だけではありません。
毎日のコミュニケーション、特に、親子の会話を通じて、子どもの理解力や論理的力を伸ばすこともできます。
ここでは「目で聞く習慣」と「文章として話す」ことの大切さについてお伝えします。
会話のときは相手のほうをしっかり見る
コミュニケーションにおいて、目の果たす役割はとても大きく、「目は口ほどにものをいう」という言葉があるほどです。
会話するとき、相手のほうをしっかり向いて「目で聞く習慣」を身につけるのは、とても大事なことです。
会話の内容を理解し、相手の意思や感情を正しく受けとるための基本姿勢といえるからです。
言葉を聞くのは耳ですが、その言葉をより深く受け止めるための意思力を引き出すのは、実は「目の力」です。
これは、家庭での会話だけでなく、学校や塾で先生の話や授業の内容を聞くときも同じ。
話す人のほうをしっかり見る習慣は、学習面でも大きな意味を持っているのです。
この「目で聞く習慣」を身につけるには、やはり小さなころからの家庭での親子のコミュニケーションによるところが大きいのです。
就学前から、話す人のほうを見て言葉を受け止める習慣をつけておけば、小学校に入ってからの授業態度もちがってきます。
親が「目で聞く習慣」のお手本をみせる
この習慣を子どもに身につけさせるためには、まず親御さんがお手本となり、「目で聞く」を徹底することから始まります。
子どもが「ただいま」と帰ってきたとき、夕食の支度などをしながら子どものほうを見ずに「おかえり。今日はどうだったの?」と受け答えるのではなく、子どもの顔をしっかり見て「おかえりなさい」とまずは明るく迎えましょう。
他愛のない内容の話でも、お互いにしっかり目を見ていろんなことを話す習慣が、子どもの「目で聞く力」を育てていきます。
単語ではなく文章で話しかける
また、会話を単語だけでやりとりするのではなく、文章で話すように意識することも大切です。
これも、大人が見本となることができます。
「○○(子どもの名前)は?」「塾」など、夫婦間でも会話を最小限の単語で済ましていないでしょうか。
親子間でも「宿題は?」「するよ」と、単語だけで会話をするのではなく、「今日の夕飯はあなたの好きなコロッケだから、早く宿題をすませたらいいわね」といったように、できるだけ文章で話しかけるようにしましょう。
お母さんの「宿題をやらせるのが目的ではなく、好きなコロッケをたくさん食べさせてあげたい」という気持ちが伝わるはずです。
子どもの頭の中にも「宿題を早く済ませる」→「ゆっくりできる」→「好きなコロッケもたくさん食べられる」と首尾一貫的な思考力を芽生えさせることができます。
話すときに相手の目を見ることや、文章で話しかけることは、日々の生活の中でちょっと心がけることで実行できます。
子どもの理解力や論理思考力を育むためにも、ぜひ実践してみてください。