字数の多さに負けない 記述問題への実践的な取り組み方について
字数制限に目を奪われて、記述問題を苦手にしている子は多いものです。
ここでは、親子の実践的な記述問題への取り組み方について考えています。
まずは基本の問いかけから
記述問題を目の前にした時、指定された字数の多さなどに圧倒されて固まってしまうお子さんがいます。
このような場合はまず基本の問いかけから行いましょう。
「何が問われている問題なの?」
この問いかけにある程度大枠を掴んだ返答が帰ってきたら、まずは第一段階はクリアですね。
問題は何を求めているのかがわかれば、 、立ち止まりかけた気持ちを、また前に進ませることができます。
設問の内容をつかんだら、次は、設問に対応する範囲を決めることが大切です。
「文章のどのあたりを読めばよさそう?」
という問いかけです。
「傍線の近くを見たら良さそう…」
といった大雑把な答えが返ってくる可能性も、大いにあります。
そのような場合は、声掛けによって、より詳細に範囲を限定していきます。
「範囲を決める」という意識をしっかりと
「傍線の近くを見たら良さそう…」
といった大雑把な返答に対して、範囲を決めていく声かけとしては
「傍線の近くって、具体的にはどの段落からどの段落までを見たら良さそうなの?教えて」
という具合です。ただしこのやり取りが「詰問」にならないように注意してくださいね。
あくまでも優しく、を心がけましょう。
自分では丁寧に読んでいるつもりでも、目立つ表現に目を引かれてその周辺部分しか見えなくなるということが、子どもにはよくあります。
そんなお子さんの視点を、声かけによって広げていくイメージで接してみてください。
また「どこからどこまで?」と聞いた上で「そこより前は読まないでも大丈夫そう?」と聞いたり、「その範囲より後ろは読まなくても大丈夫なのね?」と念押ししながら範囲を決めていきましょう。
そして
「答えに使いたい表現はどれとどれ?線を引いてみて」
「その中で特に大事な表現はどれかな?」
といった声かけで、記述の材料となる表現を文章の中から抽出していきます。
線を引く時は出来るだけ短く、ということもお子さんに伝えてあげましょう。
答えの「柱」を作る
子さんが答えに使いたい表現に一通り線を引き終わったな、と感じられたら、「その中で特に大事な表現はどれ?」と問いかけてみましょう。
いま線を引いたのは、答えに使う表現の「候補」であり、ここから、表現の優先順位を決め、答えに必要なことだけに絞り込んで行かなければならないからです。
この段階で「特に大事な表現だけで答えを作ったらどうなりそう?」と声をかけ、一度文章を作らせてみます。
その内容が、問題で求められているものに合致していると感じたら、あと一息ですね。
今作った文章に、先ほどの「候補」の中から付け加えたいものを選んで文章を組み立てていきます。
ここで思い出したいのが「日本語は大事な内容を文の後半に書く」ということです。
つまり最も言いたいことを文末に、それに付随する「追加の説明」をその前に並べ、全体が
「(追加の説明)であり、(追加の説明)であるから(最も言いたいこと)である」
という構成になるよう文章を作っていけばいいわけです。
今回は、親子の実践的な記述問題への取り組み方について考えてきましたが、いかがだったでしょうか。
ぜひお子さんといっしょに取り組んでみてください。