中学受験をやめるのはどんなとき?
中学受験に向けて勉強していると、思うように成績が上がらなかったり勉強への意欲を持ち続けることができなかったりして受験をやめようかなと思うこともあるかもしれません。
これまでの努力や塾にかけた費用などを考えると、受験をやめるという決断は難しいものですが、もしやめるとしたらその判断基準はどこにあるのでしょうか。
中学受験は覚悟が必要
小学生はまだ精神的に幼いため、親のサポートなくして中学受験で合格することは困難です。
受験勉強のスケジュールは親が立ててあげる必要がありますが、塾の課題量も多く、ストレスなくこなしていく子どもはわずかです。
毎日遊んでいる友達を見て、羨ましくなることもあるかもしれません。
また、毎日がんばっているのにテストの結果が思うよう出ない時など、親に当たってしまうこともあるでしょうし、反抗期に入り始める子もいます。
親も様々な葛藤や不安を飲み込んで、子どもを受け止めてあげなければなりません。
一方、受験する子にばかり手をかけていると感じて、他のきょうだいが寂しがることもあるでしょうし、受験に対する考えが違えば夫婦仲に影響が出る場合もあります。
家族がばらばらになってしまわないように気をつけることも必要です。
受験勉強を始めるのは4年生頃からという場合が多いですが、家庭学習のみで合格というのは難しいので進学塾に通わせるのが一般的です。
4年生では年間50万円ほどの塾費用がかかり、6年生では講習や模擬試験などが入ってくるので100万円ほどがかかるといわれていますので、経済的負担も覚悟しておかなければいけません。
中学受験をやめる2つの基準とは
思うように偏差値が伸びないと、中学受験をやめたいと考える子どもや仕切り直して高校受験に目を向けるべきかと悩むご家庭も出てきます。
約3年間、受験勉強に対してのモチベーションを保つことも大変です。
中学受験をすることの意味を家族でじゅうぶん共有していなければ、時折迷いが生じるのは仕方のないことかもしれません。
授業や勉強に対しての態度が目に付くようであれば、一度立ち止まって考え直すことも必要です。
もし合格できたとしても、そこがゴールではなく勉強はまだ続きますから、糸が切れてしまわないようにしてあげたい所です。
また、中学受験への意欲は失ってしまっても、友達がいるなどの理由で塾をやめるのを嫌がる子どももいますが、勉強に身が入っていないのなら期限を設定して4科総合偏差値が40に満たなければ退塾するなど、一定のラインを決めてそれをお子さんと約束しておく、といったことも場合によっては必要です。
受験時には良くも悪くも他の子との差を感じますが、そこで自分を客観視できるようになるなど、精神的な成長も期待できます。
もし中学受験をやめても何らかの成長はあるはずですから、前向きに捉えたいところです。
中学受験をやめるときの注意点
中学受験をやめる時期の目安は志望校によって変わってきます。
私立や国立大学付属の難関校であれば6年生の春までに、同じく付属の上位中堅校であれば6年生の秋までが目安です。
上位中堅校はそれほど捻った問題は出ませんが、難関校は問題の難度も高いため、それに対応するための特訓講座のカリキュラムが6年生の春から組まれていることも多いためです。
また、公立一貫中学校に志望校を切り替えるという手もあります。
もし子どもの志望校へのモチベーションが下がってしまったのなら、こうした種類が違う学校に目を向けさせてみるのもいいかもしれません。
今までの志望校よりも自分に合っていそうな学校が見つかる可能性もあります。
それでも中学受験への気持ちがすっかり冷めてしまっているのなら、やめたほうが子どものためかもしれません。
その場合は、中学受験は人生の通過点の一つであり、受験をやめたからといって、失敗なんかではないことを教えてあげたいところです。
中学受験は、子どもはもちろん親にとっても大変なできごとです。
それでも長い人生の一つの通過点であり、それによって挫折感を味わうことなく、受験をやめても「成長に必要なことだったのだ」と受け入れられるようにしてあげましょう。
また、それまでの本人のがんばりを認め、沢山褒めてあげたいですね。