子どもの「目標に向かって努力する力」を育む方法とは
子どもの集中力や執着心、負けず嫌いを含めた「ひとつのことをやり抜くために努力する姿勢」を育むにはどうすればいいのでしょうか。
家庭で親御さんができることについて考えてみました。
もう少しがんばればできそうだ、という予感
大人もそうですが、子どもの場合は特に、遠すぎる目標に向かって努力することはむずかしいものです。
でも、「もうちょっとだけがんばれば、できそうだ」という肯定的な成功の予感の範囲内なら、がんばれるのではないでしょうか。
大人でも、つらい仕事を続けることができるのは、誰かが何らかの形で自分の努力を認めてくれるからですね。
そこには、「このまま続けていれば、自分ならきっとできるはず」という自信も必要です。
子どもならなおさら、この自信が必要になります。
たとえば中学受験を考えている場合、塾に入っても成績が思うように伸びないと「自分にはできない」とつまずいてしまうこともあります。
そんなときにもへこたれず、あきらめない強さと「目標に向かって努力する力」を育むために、親ができることはあるのでしょうか。
お母さんのニコニコ顔が必要
子どもの自信を高めていくのに必要なのが、まずは、お母さんのニコニコ顔だと私は思います。
自分の努力に対して、身近な存在であるお母さんがいつでもニコニコ顔で迎えてくれたら、「これでいいんだ」と子どもは思えるはずです。
その経験は、「もっとお母さんの喜んでいる顔が見たい」という前向きな考えにつながります。
勉強を一生懸命したり、結果を出すことに、「やらされている」という感覚ではなく、自発的に取り組むことができるようになります。
そして、もし壁にぶつかったり、行き詰まったときに肝心なのは、子どもと一緒に大人も行き詰まってしまわないことです。
「どうしてできないの」と子どもを問いつめたり、「もっとがんばりなさい」と叱咤するのではなく、「どうしてできなかったんだろうね」と、まずは子どもの話を聞いてあげてください。
子どもが伸び悩んでいるときほど、親のおおらかさが必要になってきます。
走り続けるのではなく、ときには休んでみる
話をきいてみて、子どもが疲れていそうだったら、少し休ませればいいと思います。
塾の特訓だって、一度ぐらいなら思い切って休ませてもいいかもしれません。
私が家庭教師をしていて受ける相談のなかにも「これまで塾に通って受験勉強を続けてきたけど、成績が伸び悩んでいる。子どもも行き詰まっているようだ」というものが多くあります。
その場合、会って話すとわかるのですが、勉強のしすぎで子どもがオーバーヒート気味になっていて、頭が思うようにまわっていません。
頭がまわっていなかったり、疲れきったりしているときには、唯一「暗記する」という学習方法しかできなくなってしまいます。
この方法でも、まったく同じ問題で構成されている復習テストなら効果があらわれるので、子どもはこの丸暗記学習を繰り返しがちになってしまいます。
その結果、実力テストで成績や点数が思うように伸びず、行き詰まってしまうという悪循環に陥りやすいのです。
ペースを調整することの大切さ
このように、間違った方向に努力せざるをえなくする原因は、子どもの心身の疲れ。
もしこのことに気づいたら、ぜひ少し休ませてあげてください。
子どもが自分で勉強のペースを調整するのはむずかしいものです。
大人が判断し、息抜きの機会をつくってあげてください。
そうすることで、また遠い目標に向かう力が湧いてくるはずです。
遠い目標に到達するためには、「自分ならできるはずだ」という自信と「もう少しがんばればできそうだ」という成功の予感を持ち続けることが必要です。
そのことを念頭に置いて、日々お子さんに接していけたらいいですね。