親が子どもの勉強を教えるときに、気をつけるべきこととは
家で親が子どもに勉強を教えるときに、どうもうまくいかないと感じる方もいるのではないでしょうか。
どんなことに気をつけたらうまくいくのでしょうか。
親が意識しておくべきポイントについてお伝えします。
その①知識を教える
教えるという言葉には、3つのちがう意味が含まれています。
1つめは、「知識を教える」ということ。とにかくわかりやすく、シンプルな言葉で伝えるようにしましょう。
また、「正確に覚える必要がある」のか「次に見たときに、あ、見たことあるな、という程度に覚えておく」のか、重要度もいっしょに伝えられるといいですね。
その②考えの道筋を教える
2つめは、「考えの道筋を教える」。これは、知識とは逆で、子どもに与えるのではなく子どもから引き出すことが大事です。
「こうすればいいよ」と教えてしまっては、考えの道筋を自分で立てていく力が育ちません。
「出題者は何を求めているのか」「何に注目したらいいのか」など、考えの糸口を問いかけてあげることから始めましょう。
そのうえで「こんなときはどんな方法で解くって習ったの?」「こういうときはどんな考え方をしたらいいんだっけ?」と子どもが自分の持っている知識を使えるように促してあげてください。
思い出すのが難しそうなら「前に解いたあの問題と似ているんじゃない?」と記憶を取り戻す手伝いをしてあげてもいいですね。
③心構えを教える
3つめは「心構えを教える」こと。これがいちばん難しいかもしれません。
教えるつもりが、つい「叱る」になりがちだからです。勉強の効果を上げるには、どんな心構えをしたらいいかを、子どもに自分で考えさせることができたら理想的ですね。
これについてはあまり毎日ガミガミと言わないようにして、週1回ほどでちょうどいいでしょう。
教えるときの言い方にも注意
家庭学習などで子どもに勉強を教えるときに注意したいのが、「〜しなさい」など、命令口調にならないようにすること。
一方的に、上からの目線で子どもに伝えることのないようにしてください。
どうしても自分の子どもが相手だと「何度言ったらわかるの!」「昨日もやったでしょう!」などと感情的になることもあるかと思いますが、これは逆効果。
「叱られている」という印象しか残らず、勉強の内容が頭に入りません。
子どもへの伝え方や言葉の選び方に気をつけるようにしてくださいね。
子どもに「教えてもらう」のも効果的
また、ときには立場を変えて、子どもに勉強を教えてもらう「ミニ授業」を家庭で実践してみるのもいいでしょう。
お母さんやお父さんが生徒役になり、子どもが先生になって、問題の解き方を説明するのです。
子どもは自分の言葉で、生徒である大人に一生懸命伝えようとするでしょう。
生徒役の大人は最後まで子どもの説明を聞いたあとで、「よくわからないから、もう少しくわしくおしえて」「どうしてその解き方を選んだの?」など質問もしてみましょう。あまりしつこくやりすぎると子どもがうんざりしてしまうので、適度なところで切り上げるようにしてくださいね。
子どもが塾の授業で聞いた説明を、今度は自分が誰かに説明することによって、知識が定着します。
また、「よくわかった、ありがとう」という大人のひとことに、子どもは達成感や喜びを感じることもできます。
ぜひ一度、ご家庭で試してみてください。
どうしたら褒めてあげることができるかを考える
これは勉強だけでなく、子どもと接するときに常に意識していただきたいのですが、どうすれば子どもを褒めたり、認めてあげることができるかを考えてみましょう。
たとえば勉強なら、成績が上がったり、テストでいい点数を取ることはもちろんですが、その過程でコツコツがんばっていることを認めてあげたり、子どもなりに自分で工夫していることを褒めてあげたりすることができそうですね。
そうなるためには、子どものがんばりや工夫を後押しするように、促してあげるといいということがわかると思います。
叱ったり命令したりするのではなく、子どもが自主的にしていることに対しては、素直に認めたり褒めることができるのではないでしょうか。
あまり大人が口出ししすぎないように、子どもが本来持っている力を引き出すことが大切です。
中学受験は、子どもだけでは乗り切れません。家族のサポートがあってこそ結果が出ます。言い換えれば、家族でひとつの目標に向かういい機会でもあります。
挫折やつらいこともあるかもしれません。
でも、その先にある喜びや、この経験が子どもにとって大きな財産になると信じて、前向きな気持ちで取り組むことができたらいいですね。