高学年にも応用できる「低学年で大切な勉強」
3年生までは『読み・書き・計算』を
お子さんが生まれた瞬間から、親は大きな期待と責任感のようなものを感じます。
それは勉強だけでなく、この子が将来自分の力で、しっかり生きていけるようにしてあげなくちゃ、といった「生きる力」をつけさせてやりたいという思いともいえます。
子どもの可能性は無限大。どんな才能があるか、あるいは何が伸びそうか、ごく小さなうちはわからないし、逆に「小さいうちから始めたら将来有利になる」といったことがあるかもしれません。近年はインターネットなどで得られる情報が多くなり、一体何が正しいのかがわかりにくく、あれもこれもとたくさん習いごとをさせる親御さんも多いものです。
逆に「うちは小さい間はのびのびと」と考えているご家庭でも「もしかしたら早くからがんばらせたほうがいいのかも」と、ふと思ってしまうようなことがあるかもしれませんね。
「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主任相談員の西村先生は、書籍や雑誌でのインタビューなどで、進学塾に関しては「4年生からで大丈夫」「3年生までは『読み・書き・計算』をしっかりやっておくのがよい」とおっしゃっています。
低学年ではしっかり音読を
小学校では「本読み」が行われます。西村先生も音読を推奨していますし、学校や塾の先生の中でも推奨する方は多いですね。声に出して、内容を理解しながら読むことができるのは大切なことです。
また声に出して読ませることで、内容を理解しているかどうかを推し量ることもできます。内容が理解できていないと、スムーズに音読できないのです。
この年令では「速読」をあまり意識する必要はありません。あくまでも内容を理解しながら読むということが大切で、それができるようになってはじめて「速く」という訓練ができるようになるのです。
「このお話は誰が主人公だったの」
「主人公はどんな人?」
「ここでこの人は、どんなことを思ったのかな。」
読みながら、読んだあと、いろんな質問をお父さん、お母さんがしてあげることで、読んだ内容を思い出したり、忘れてしまっていたことに気づいて読み返したり、知らない言葉があったことを思い出してお父さん、お母さんに聞いたり。そうやって、「読んで理解する力」をつけていきます。
大事なのはインプットとアウトプットのバランスで、インプットしたら必ずアウトプットで「身についたか」「正しく理解したか」を確かめることが必要です。
声に出して読むことは高学年になっても有効で、問題の読み間違い、うっかりミスの多いお子さんに「問題文の音読」をしてもらうと、ウソのようにミスをしなくなることがあります。音読すると、言葉に意識が向くのです。
さすがにテストで音読する訳にはいかないですから、だんだんボリュームを下げて、最終的には黙読、というより本人にしかわからないくらいの「囁き」「息遣い」くらいのレベルに下げます。
机の上の勉強でなくても学べるものがある
小学校低学年で大切なのは、算数においては「数の感覚をつける」ということです。計算以前に、ものをきちんと数えることができるか、「あわせて」とか「ちがいは」というキーワードも大切ですが、「公園に2人います。あとから3人きました」と文章に書いてあれば、それを映像として思い浮かべることができるか。
「2人いる」と言われれば、子どもが2人公園にいるところを思い浮かべられるというのは、とても大切なことです。数字の「2」と、床におはじきが2個置いてある映像がしっかり結びついている、ということが大切なのです。
この「数の感覚」がしっかりついていないのに、机の上だけでたし算やひき算のドリルを「あわせて」という言葉を頼りにやっても、あまり効果はありません。
高学年になって、咄嗟の計算で「指折り数える」という動作が出てしまう子もいます。もしそんな姿に気づいたら、「あわせて10」「あわせて100」の感覚がしっかりついているか、確認してあげましょう。
お母さんが「3」といったらお子さんは「7」、お母さんが「6」といったらお子さんは「4」と返すのです。
そんなところから?
そう思われるかもしれませんが、「46」といったら「54」、このくらいになると怪しいお子さんも多いものです。感覚として「合わせて100」くらいまでを身に着けていたら受験勉強の算数でも大いに役立ちます。
高学年のお子さんは「合わせて1000」くらいをどれくらいの速さで答えられるか、ぜひ一度試してみてください。 数の感覚がどのくらい高度についているかがわかります。