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6年生の秋以降の志望校の絞り込み、苦手単元の克服、過去問対策について

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

6年生の秋以降は、いよいよ近づく本番に向けて緊張が高まってくるでしょう。
受験のいちばん大切な時期と言われる9月〜12月をどうすごせばいいのでしょうか。
ここでは、志望校の絞り込み、苦手単元の克服、過去問対策について、それぞれのタイミングとポイントについてお伝えします。

志望校の絞り込み

中学受験の入試は、ひとつの中学校で複数回チャンスがある場合も含めて、ひとり5、6校受けるのが一般的です。
1校しか受けないというケースは、あまりないと思います。

「チャレンジ校」として、それまでの模試の平均より5だけ偏差値が高い学校を受験し、「本命」として自分の平均偏差値近辺の学校を複数受け、「滑り止め」として5〜10くらい偏差値が低い学校を受ける、という形が多いはずです。
それ以外のパターンとしては、本番に慣れるために1月に入試がある学校を受けてみたり、ほぼ無理だと思っていても「記念受験」として超難関校を受験したり、「ぜんぶ不合格」というショックをやわらげるために、偏差値がかなり低い学校を受けることもあります。

塾側としても「せっかくここまで勉強してきたのだから、1校でも合格させる」という意味で、偏差値にかなり差がある学校をすすめてくることもあります。
でも、もし実際にそこにしか受からなかった場合、かなりの割合でそのままその学校に入学するケースが多いので、慎重に検討してください。
どう考えるかはご家庭やお子さんによって違うと思いますので、塾の意見を鵜呑みにする必要はないでしょう。

6年生の9月くらいには、子どもも具体的に志望校を考えるようになります。
「本当は早稲田中学に行けるとうれしいけど、ちょっと無理かもしれない。その場合は●●中学あたりに合格できたらいいな」という具合です。
ですので、9月の段階で志望校の過去問に取り組む必要はありません。

まずはこの時期に「いちばん行きたい学校」を現実的に定めておくことが大切です。

6年生の9月〜12月は勝負の時期

自分が受験する中学については、必ず過去5年分の入試問題を取り寄せて、過去問に取り組むようにしましょう。
過去問は数社から出版されていて、一般書店やネット書店から入手することができます。

12月末時点でまったく合格点に届かないという場合は、志望校を再考する必要があるかもしれません。
ただ、それが9月なら諦める必要はないと思います。
受験は6年生の秋から12月にかけて勝負の時期です。この時期には、学力ではなく、得点するための力である「得点力」がかなり伸びます。

入試問題の特徴がそこまで顕著ではない学校の対策は11月以降で大丈夫ですが、問題の特徴が強い中学校を受ける場合は、もっと早めに準備を始める必要があります。
たとえば、早稲田中学、東邦中学は必ず「ダイヤグラム」を使うかなり大変な「速さ」の問題が最後に出ます。
学校によって、記述問題が多い、試行錯誤型の問題が多いなど特徴があるので、志望校に合わせて過去問を始める時期も検討しましょう。

塾の志望校別対策は、それぞれの子どもに合わせて個別に対応してくれるわけではありません。
開成・麻布・早稲田・慶応・桜蔭・女子学院などの最難関中だとそれぞれのコースがあったりしますが、中堅クラス以下は偏差値で輪切りしたクラスだけしかありません。
必ず各自で過去問対策をしっかりしておきましょう。

苦手単元の克服は、11月後半まで。塾の授業を最大限利用する

短期間での集中的な苦手単元の克服には、塾の授業を利用する方法もあります。
たとえば算数の「速さ」が苦手な場合、塾のカリキュラムをよく確認してみると、「速さ」が何度も繰り返し学習する単元であることがわかります。

どんな塾でも、科目ごとにどんな順番でどの単元を勉強するかを、テキストの最初か、もしくは最初に配布される資料に書いているはずです。
そこから、該当する単元を学習する週を把握しておいて、その週だけ算数の家庭学習時間を少し長めに取るように計画を立てるのです。

塾の授業とバラバラのことをやっていると、非常にストレスがかかります。
授業では図形をやっているのに、家庭では「速さの文章題」に取り組んでいる…という状況では、学習効率も上がりません。
塾の授業を最大限利用して、タイミングよく苦手単元を強化するのがいいでしょう。

ただし、苦手単元の克服は11月後半までにしておいてください。
たとえば図形が苦手でも、受験しようとする学校には立体図形の問題がほとんど出ない、ということもあります。
11月以降は苦手克服こだわりすぎず、4教科をバランスよく学習するようにしましょう。

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