中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

【6年生必見】志望校の合否を分ける 中学受験最後の1ヶ月の過ごし方

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公開: 最終更新日:2024年02月21日

こんにちは。
中学受験情報局主任相談員の西村則康です。

1月に入り、6年生の受験も残すこと、あとわずかとなりました。

これまでのお子さんの努力が実るように、志望校合格を達成するために、残り1ヶ月どのようなことに注意して過ごせばよいのかをまとめました。

ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

1.最後の1ヶ月の基本方針=お子さんの自信をつける1ヶ月

受験最後の1ヶ月の基本方針は、とにかく「お子さんの自信をつける」ことです。

お子さんが「これまで頑張ってきた、僕/私は合格できるんだ」という気持ちで本番を迎えられるようにしてあげるのが周りの大人の役目と考えましょう。

具体的には下記の点に気をつけて、日々の勉強を進めましょう。

勉強の基本方針は【得意を伸ばす】

合格に近づくためには、苦手な科目や単元をとにかくひとつでも減らす必要があると考えている方は多いと思います。

もちろん、苦手な科目や単元が減れば、得点は伸び、偏差値も上がるでしょう。

でも限られた時間をすべて苦手科目や単元の対策に使ってしまうと、本来得意な科目や単元の勉強がおろそかになり、苦手対策で伸びた点数より得意分野の低迷で下がった点数のほうが大きくなってしまうこともあります。

苦手な分、克服するのに時間もかかるでしょう。すぐに結果が出ないのでモチベーションも下がってしまい、その結果、全体的に点数が下がる、ということにもなりかねません。

お子さんの得意分野に取り組むと同時に、親もどんどん前向きな言葉をかけてあげてください。

「やっぱりあなたなら、できるね!」

「これまでがんばってきたからが、結果に出てきたね」

「このままいければ、合格できそうね」

など、お子さんの気持ちをどんどん上げていきましょう。

得意分野を強化していくことは、お子さんの自己肯定感にもつながります。一緒にその流れを作ってあげ、本番までのいい流れを作りましょう。

完璧を求めてはいけない/ミスを深追いしない

とはいえ、親御さんも平常心でいられないこともあると思います。

不安にかられ、子どもの弱点ばかりに目がいき「あの分野ができてないけど、大丈夫?」「もっと勉強しておきなさい」子どもに課題をたくさん与えてしまい、子どもはそれをこなすことができず自身喪失…という悪いスパイラルに陥る親子も少なくありません。

受かるはずの子も、これでは本番で本領を発揮できず、不合格になってしまいます。

受験最後の1ヶ月は、過度に「できることを」を求めてはいけません。直前期はできるだけ、勉強の内容に口を出すのは控えましょう。

不安になる気持ちはわかりますが、子どもは敏感なのですぐそれを察知し、影響を受けてしまいます。「うちの子なら大丈夫」という気持ちをしっかり保ってください。

どの教科なら、+αの得点を取れるかを考える

どの科目でさらに点を上げて合格ラインに近づけていくかを考えることは、入試直前の時期とても大切です。

たとえば「算数ばかりに時間がかかっているが、実は理科や社会でもう少し点が取れないか」こういった視点で合格ラインを目指すことが大切なのです。

限られた時間の中で、どの教科のどの単元に集中すると、本番試験の点数を伸ばせるのか?を今一度考えて、学習スケジュールを組みましょう。この積み重ねで、合否を分ける+2〜3点の差が生まれます。

受験当日に合わせた生活スケジュールを始める

また受験1ヶ月前からは、起床時間を本番当日に合わせておくこともオススメします。

本番に最高の状態で受験できるように、就寝時間・起床時間を合わせておきましょう。

2.親は予め”もしも”の時を想定し、柔軟に動けるようにする

お子さんの受験計画が固まってきているご家庭も多いと思いますが、それでも合否によって予定の変更があり得ます。

例えば1日目、2日目が両方合格であれば、3日目以降に難関校にチャレンジする、またその逆であれば3日目以降は合格の可能性が高い学校を選ぶ、などです。

ダブル出願を検討したり、前日に願書を出せる学校を調べたりといった準備をしておくことも大切ですね。

中には当日の朝まで出願を受け付けている学校もあります。試験は最後まで続く可能性を考慮して、最後の日までしっかり受験ができるように予め調べておきましょう。

また入試期間、最も大切なのはお子さんの体調ですが、特に2024年の受験では多くの学校がホームページで「37.5 度以上の発熱がある場合は試験は受けられない」としています。

体調管理はもちろんのこと、学校側の対応の変化(追試を実施する/保健室受験など)しっかりチェックしておく必要があります。

また、もしそうなってしまった際のお子さんへの声掛けも大事です。

例えば、意外かもしれませんが、「保健室受験」では、通常の受験より合格率が高いという話もあったりします。風邪をひいてしまったから不利になるとお子さんが思わない雰囲気を作ってあげることが大事です。

3.最後の1月は学校を休むべきか?

お子さんの学習の進み具合や、体調管理のために、1月は学校を休むことを想定しているご家庭も珍しくないと思います。

志望校合格には、学校を休むという選択肢も必要なケースもありますが、学校を休んでしまったことにより生活のリズムが崩れてしまったり、かえってストレスがたまってしまうというお子さんも珍しくありません。

学校を休む場合は、まずはお子さんの気持ちの確認、そして生活リズムをしっかり決めて毎日を過ごせるようにすることが大切です。

4.本番3日前〜当日朝にやるべきこととは?

試験3日前までにやっておくこと

「頻出問題」の再チェックは試験の3日前までに終わらせておくようにしましょう。

過去5年の過去問で、2回以上出題されているものが、頻出問題です。「去年出たから、今年は出ない」と考える方が少なくないのですが、これは間違いで、今年も出ることを想定しての対策が必要です。

本番3日前からの過ごし方

本番3日前からは、とにかく「自信をつけること」に特化しましょう。

過去問のやり直しは、以前やった際の得点の高かったものを優先して行ってください。

高い得点が取りやすいことで、お子さんの自信UPにつながります。

この間、苦手対策は「暗記分野」の確認だけにしてください。(暗記の確認は当日効果が出やすいため)

本番前日の過ごし方

本番前日の夜の就寝前に、当日の予定を親子で確認しましょう。

何時に起きて、朝は何を食べて、どうやって学校に行くのか?試験のときは何に気をつけるのか?休憩時間はどうすごすのか?といったことを親子で話し合ってください。

これは当日のシミュレーションを頭の中で済ませておくことにより、試験本番のイメージトレーニングも兼ねています。当日の緊張を軽減することにつながりますので、ぜひ実践してください。

本番当日の朝の過ごし方

試験開始の3時間前には起床することが原則です(頭脳が本格的に働き始めるのは起床3時間後です)。
洗顔をして歯を磨いて、朝食までに計算問題1問を解いて、少し難しい文章(過去問の国語長文や天声人語など)を5分読みましょう。これは、「その日始めて見る数字や活字が試験問題」になる事を防ぐためです。頭脳を、試験に向かうモードに整えるウォーミングアップです。
朝食は、必ずとりましょう。脂っこいものは避けるほうが安全です。
出かける前に、もう一度持ち物のチェックです。受験票・鉛筆・定規やコンパス(指示が有る場合は忘れないように)・消しゴム(2~3個)・上履き・・・。
確認が終わったら、さあ出発です。
その時に注意事項をくどくどと話すことはやめましょう。伝える事は1つか2つです。「問題をしっかり読んで解けば大丈夫だ!」「これを計算すれば答えだという最後の計算を慎重にやってくれば大丈夫だ!」というように、最後に「大丈夫だ!」と励ましの言葉を添えて、明るく元気よく送り出してあげてください。

5.本番1ヶ月前の3つのNG行動

最後に、本番1ヶ月前に、絶対にやってはいけないことを3つ紹介します。

頭ではわかっていても、本番が迫ってくると、どうしてもNG行動に手が出てしまうご家庭が毎年少なくありませんので、ぜひ、ここで今一度注意していただければと思います。

受験本番1ヶ月前のNG行動 その1 睡眠時間を削る

どうしても勉強時間を増やしたいという思いから、この時期になると睡眠時間を削ってしまうご家庭は少なくありません。

ただ受験1ヶ月前からは、当日の試験を万全の状態で受験できるようにしていくことが最大の目標です。

そのため試験当日の起床・就寝時間に合わせた生活リズムを作っていくことを推奨しています。

睡眠時間は削ってしまうと、この生活リズムが乱れ、本番当日の試験までに良いリズムが作れないだけでなく、睡眠時間が足りなくなってくると、だんだんお子さんのパフォーマンスが落ちてきます。

夜遅くまでがんばらせたいところですが、思い切って睡眠を取らせ、冴えた頭で限られた時間に集中して勉強させるように意識することが、直前期こそ大切になります。

また勉強時間の確保は、睡眠以外の時間を調整することで達成できることも覚えておきましょう。

たとえば、入試直前の今、もう塾で新しく学ぶこともない状態ですから、塾の長時間の特訓も、目的をお子さんのモチベーションアップにおいて受講を調整するのがよい場合もあります。

受験本番1ヶ月前のNG行動 その2 できないことばかりに目を向ける

入試直前は、お子さんには「成功の予感」を強く持って勉強させることが大切です。
「このままがんばれば志望校に合格できる」というイメージ、希望を持たせることです。

第一志望校は「余裕を持って合格できる学校」ではないお子さんがほとんどです。
少し背伸びしてがんばらなければ合格できない学校だからこそ「成功のイメージ」を持って直前期の勉強を進めることが大切なのです。

そのため「できないこと」ばかりに目を向けてしまい、「できない問題」ばかりをやり直したり、ミスを何度もやり直したりすると、どんどん焦りと不安が強くなってしまい、受験本番で実力を発揮できなくなってしまうお子さんも珍しくありません。

算数のテストなどで「ケアレスミス」が目につく場合も、あまりこだわりすぎないように気をつけましょう。
できていないことそのものにこだわりすぎず、「こうすれば解決できそう」を考え、それを実行したらひとまずOKと考え、次に進むのがよいでしょう。

できないことを過度にやり直すのではなく、お子さん自身が「やれば、できるんだ」と感じられる1ヶ月にして上げることが大切です。

【受験本番1ヶ月前のNG行動 その3】 第一志望合格が全てと子供に思わせる

お子さんにとって第一志望校は「この学校に行きたい」「この学校以外には行きたくない」と感じる学校だと思います。

ただし親まで「この学校に合格できなければ受験勉強を続けてきた意味がない」といった気持ちになってしまうと、とても苦しい受験になってしまいます。

親は少し大きな視点で、他の受験校の良さについてもお子さんに伝えるようにするくらいが賢明です。

「第一志望校を不合格になったときのことなど、考えたくない」という気持ちは、もちろん親子ともにあると思いますが、親はその「もしも」についてしっかり考えておくことが大切です。

そのため、第二志望・第三志望の学校も良い学校だということを、話してあげることが大事です。

特に「滑り止め」という言葉はNGです。その学校に行くことになることも想定し、どの学校もお子さんに合った校風があること、そこで頑張れば、第一志望にだって負けないことを伝えてあげられると良いですね。

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