子どもの成績が伸び悩むとき、親がまずやるべきこととは
塾で子どもの成績が伸び悩んでいるけれど、その原因がわからず、親も子どもも悩んでしまうケースがあります。
そんなときはまず、子どもが抱えている問題を探ることが必要です。
ここでは、そんな問題点の把握の方法について考えてみたいと思います。
何に困っているかがわからない…
なんとなく学習がうまく回っていない、成績が伸びない、と子どもが悩んでいても、その原因がわからないこともあります。
限られた時間、エネルギーを使って全体の成績を上げていくには、優先順位をつけて、力を絞り込んでいくことが必要になってきます。
全部やろうとして、やることの多さにやる気をなくしてしまっている子どももよく見かけます。
それでは逆効果になってしまうので、まずは「子どもが何に困っているのか」を知ることが大切です。
学習のプロセスを細分化していく
まず、普段の学習プロセスのひとつひとつについて考えていきましょう。
- 塾や学校の授業にちゃんとついていけているか
- 復習はちゃんとできているか
- 宿題はどの程度こなせているか
- テストに備えた学習はできているか
- テスト後の振り返り学習はしっかりできているか
- 家庭での様子はどうか
漠然と「学習がうまくいかない」「成績が上がらない」というようなことではなく、まずは、具体的にどのプロセスで子どもが困っているかを把握しましょう。
志望校に合格するという大きな目標を達成するためには、細分化したプロセスをひとつひとつ見直し、改善していくのが効果的です。
子どもにとっても、具体的になにをするべきなのかがわかっていた方がやる気が出るでしょう。
意外なことを見落としていたことに、気がつくきっかけになるかもしれません。
細分化することで解決法が見えてくる
たとえば、学習プロセスのひとつに「テスト」があります。
週例テスト、月例テストもありますし、合否判定テストなどの実力テストもありますね。
テストの種類によって、要求される学力や勉強法が少しずつ異なるので、まずは、どのテストがうまくいっていないのか、子どもが困っているのかを知り、その対策を考えましょう。
カリテ(日能研が行うカリキュラムテストの略。小学5年生までは2週間に一回、6年生からはほぼ毎週実施される。上位クラスは共通問題と発展問題を解き、下位クラスは共通問題と基礎問題を解く。このテストのクラス内の順位によって座席が決まる)がよくても、公開模試(日能研が行うセンター模試のこと。ほぼ毎月行われ、出題範囲はそれまでに習った単元すべてとなっている)がうまくいっていない、という場合は、カリテの学習方法でセンターのための学習をしてしまっているのではないか、という仮説を立てることができます。
いつから困っているかも重要
また、子どもが現在困っていることが明確になったら、いつからそこでつまずいているかを知ることが必要です。
振り返ってみれば、どこかでうまくいかなかった時期があるはずです。
何年生の何月ごろからうまくいかなくなったのか時期を特定することで、その時期になにがあったかを思い出しやすくなります。
そこから今に至る学習を振り返ることで解決法を整理することができます。
知識を補うだけで解決できること、概念の基礎に立ち返って学習し直す必要があること、適切な問題を選択して問題演習を重ねることで解決できること、など解決法はさまざまです。
子どものノートから見えてくること
子どもがふだん使っているノートからも、成績が上がらない原因が見えてくることがあります。
中学生、高校生なら、自分の学習状態について自分で説明することができるかもしれませんが、小学生の場合は、大人がある程度汲み取ってあげる必要があります。
答えあわせそのものがいい加減なノートからは、学習のやり方自体を理解していない様子がみてとれますし、学習に目的意識を持つことができないでいる可能性もあります。
この場合、学習のやり方や、勉強することの意味などを子どもと一緒に再確認していく必要があると思います。
まちがった問題をただ解き直すだけではなく、発見したことや今後注意したいことを子どもが自分なりに工夫してメモしているノートが理想的です。
早めの解決を心がける
学習を進めていくなかで、子どもが困っている、うまくいっていないと感じている原因はさまざまです。
まずはその原因を把握し、それから解決法を探っていきましょう。
塾の授業、テスト、ノートなど、さまざまな角度から子どもの状況を汲み取ることが大切です。
家庭でそのようなフォローが難しい場合は、塾の先生や中学受験の専門家に相談して、早期解決を目指すことも大切ですね。