夏の学習、まわってますか?
夏の第1週、振り返りを
夏休みは、その第1週である7月下旬の過ごし方が成功だったかで、その後の過ごし方に大きな違いがでます。第1週の過ごし方が成功だったなら、8月もその調子で過ごすことを前提にすればいいでしょう。
逆にどうもうまく過ごせていないとか、出だしでつまずいてしまったという場合、しっかり振り返りを行い、何が悪かったのか、8月はどこを修正して過ごすとよいのか検討しましょう。
4年生
SAPIXは8月から夏期講習が始まりますね。7月中とは生活サイクルが大きく変わります。算数が全15単元、国語は全12単元、理社がそれぞれ9単元ずつと、4年生としてはボリュームがあります。毎日の学習単元をその日のうちに復習し、理解度を高めるとともに、理解の度合いをお母さんが掴んでおくことが必要です。気になる単元はお盆の時期や8月下旬の夏期講習がない時期に復習しましょう。
日能研は7月中に夏期講習が終わってしまう日程のお子さんと、8月に夏期講習があるお子さんがいると思います。夏期講習が終わったのなら、講習の内容で手薄なところはないか、テスト結果から確認し、夏休みのうちに復習を済ませておきたいですね。8月に夏期講習が控えているなら、それまでに学校の宿題の多くを済ませておくなど、夏期講習とその復習の時間をしっかりとれるよう準備が必要です。
関西の浜学園は、平常授業と並行して夏期講習が行われますから、それぞれの宿題がまわっているか、身についているかがポイント。あくまでも平常授業が中心です。平常授業の宿題消化や復習テストの結果を注意深く見る必要があります。夏期講習テキストには「できることの確認」という意味合いの演習問題も多くあります。もしもやるべきことが多くて平常授業にしわ寄せが来ているのなら、それらを取捨選択して夏期講習の負担を減らすという対処法もあります。
高学年になるほど日程は過密 「こなすだけ」になっていないか
5年生
SAPIXの夏期講習は年間のカリキュラムに組み込まれています。つまり若干の復習を含みつつも、あくまでカリキュラムが進んでいくスタイルです。ふだんより進度が早いので、理解の浅い単元がないか、テスト結果などから把握しておく必要があります。午後~夜の時間に夏期講習の復習と宿題消化ができているかチェックですね。理解度が低い単元はお盆、そして8月下旬に復習の機会をとりましょう。スパイラル(らせん)式のカリキュラムというと「今わからなくても、また同じ単元を習う」と考えてしまう方もいるのですが、実際には同じ単元でも、次に習うときはよりレベルの高いものを学習するので、やはり5年生の単元は5年生のときに理解しておくのがよいでしょう。
日能研の5年生はお盆の時期を除いて夏期講習が夏の終わりまで続きます。7月中に塾の空き時間を上手に使って復習と宿題ができたかチェックしましょう。「お盆にまとめて」では忘れてしまうので、午前授業ならその日のうちに、夜まで授業があるなら次の日の午前に復習です。宿題を「こなすだけ」になっていないか注意しましょう。日能研の夏期講習は復習中心ですから、これまで苦手だった単元を克服できたか、3回のテスト結果から読み取り、必要があれば復習の機会をとります。
浜学園は5年生になると平常授業に加える形で週4日(社会受講の場合)午後の時間を拘束されることになります。それぞれの復習と宿題を塾のない日と空き時間(午前中)にしなければなりません。7月の復習テスト結果を注視し、8月の過ごし方を決めましょう。夏期講習のために平常授業の成績が下がるのは本末転倒です。夏期講習は復習ですから、もうできることもたくさん含まれます。それらを上手に取捨選択することで、夏期講習の負担を小さくすることができます。塾の先生に状態を説明し、やるべきこととやらないことをアドバイスしてもらうとよいでしょう。
6年生
SAPIXの6年生には、夏に「有名中学入試問題集」という過去問集が配布され、演習に関して教室から指示が出ます。ほぼ夏の間中続く夏期講習と志望校別の講座の合間を縫っての演習ですから、ふだんの生活時間にいかに組み込むか、予定表が必須です。どの学校の問題に取り組むかは、塾から示される「標準」「応用」といった難度を参考にして優先順位を決めるとよいでしょう。今の時期であれば、目指す志望校より若干易しい学校のものから取り組んでもよいでしょう。
日能研の6年生は、お盆の数日以外のすべてが夏期講習、時間も午後から夜となりますから、どこかでまとめて復習というわけにはいきません。まずは7月末に行われる第1回のテスト結果をみて、8月をどう過ごすか決めなければなりません。ほぼ毎日が夏期講習ですから、7月を予定表無しで過ごしてしまったなら、8月はしっかり毎日の予定表を作るようにしましょう。予定表というと大げさなものを想像されるかもしれませんが、紙に今日やることを列挙するような簡単なものでかまいません。
浜学園の6年生は、午前中=自習&質問受け(オプション講座)、午後=夏期講習、夜=平常授業という過密スケジュールです。日々の復習、宿題は午前にするしかなく、そのためオプションの自習は受けるようにと教室から勧められる場合が多いようです。夏期講習は志望校別のコース編成なので、資格制のコース(最難関コース)を希望していて入れなかった場合は、あえて夏期講習は受けず、個別指導や家庭教師で9月からの受講を目指す受験生もいるようです。
各学年、7月の過ごし方を8月のヒントに
月をまたいで夏期講習が進んでいく高学年のお子さんは、7月をうまく過ごせたかをしっかり振り返ることで、8月の過ごし方を決めることができます。うまく回っていれば、8月も同じペースで過ごし、お盆の時期の時間の使い方を考えましょう。学校の宿題、塾の宿題、お盆までに学習した単元で理解の浅いもの、復習しておきたいもの、そして過去問など、やりたいことをリストアップしておけばいいですね。
過去問に関しては、一部の塾で演習するよう指示が出始めますが、6年生とはいえこの時期の演習ではまだまだ点数は伸びない場合が多いものです。得点に一喜一憂するのではなく、どのような傾向があるのか、どんなタイプの問題があるのかなどに注目しましょう。
7月の過ごし方がうまくいかなかったという場合、その原因を突き止めて解決する必要があります。生活サイクルに慣れていないだけなのか、やるべきことが多すぎてできていないのか。やるべきことが多すぎて消化不良になっていると感じているなら、
- 時間の使い方を工夫することで乗り切れないか
- やるべきことを取捨選択して量を減らせないか
の2つの視点で考えてみましょう。どれも大切な気がして量を減らすことができない、という場合は、オプション講座の受講を見合わせるなどの工夫をしてみても良いかもしれません。
お子さんには非常に長く感じる夏。でも時間の使い方によって成果は様々です。ぜひ7月末を一旦の「区切り」として8月をさらに充実したものにしましょう。